穴飾りのある靴 | Room Style Store

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2019/10/14 22:01


シューサークルの中に浮かぶもう一つのインナーサークル…一文字のセミブローグならではの光景だ。気がつけば一番好きなはずのフルブローグを超す8足ものオーダーを入れていた…


そこで今回はセミブローグの魅力を改めて考えてみようと思う。


(1) 幻の革ロシアンカーフで誂える

200年以上前、英国プリマス湾で沈没した船から時を超えて引き上げられたロシアンカーフ。正確にはレインディア(トナカイ)の革を植物で鞣しハッチ状のシボをつけたもの。ロマンの詰まった素材なれどクラックが入り易いのでセミブローグでオーダー。既に16年が経過したとは言え状態は良好だ。ジョージクレバリー製。


(2) バックスキンのセミブローグ

バックスキンを使ったセミブローグ…レースステイ両脇の切り返しが角ばった変形のアデレイドはクレバリーお得意のスタイルだ。素材の柔らかさも折り紙付きで、紐靴ながらローファー以上にストレスを感じさせないフィット感はバックスキンを豊富に抱えるクレバリーの真骨頂。


(3) 素材違いでおかわりの靴

(2)のバックスキン製セミブローグアデレイドの色違いかつ素材違い…色はタバコブラウン、素材はカーフスエードだが、既成靴とは柔らかさも色目も履き心地も全てが桁違い。オーダーミスで先に出来上がったものをディスカウントで引き取ったいわく付きだが、今考えるとおかわりして良かったとつくづく思う。


(4) 絶妙のスライトリースクエアダービー

セミブローグをダービーで仕上げたもの。スクエアともラウンドとも違うつま先の形状はソフトチゼルを織り混ぜたジョンロブパリならではの造形美…極上のフレンチカーフと相まってロンドンの靴職人も認める仕上がりとなっている。こうして見ると外羽根のセミブローグも悪くない。


(5) 東欧の靴を履く

ブリーチをかけた革をバーガンディクリームで着色した独特の色目が特徴のアデレイドはフィレンツェのボノーラで誂えたもの。製造はルーマニアのサンクリスピンが請け負うシステムだったようで、ボノーラが廃業した後マイラストはそのままサンクリスピンが所有している。


(6) トウデザインに拘る

つま先にイニシャルを入れる…昔からいつかはそんな靴をオーダーしてみたいと思っていたところ、来日したジョージグラスゴーと相談して文字をデザイン…キャップ部分にあしらったのがこの靴。イニシャルが控え目なので、レースステイ部分の穴飾りも小さな穴が並ぶようになっている。


(7) トウデザインに拘る…その2

次に考えたのがつま先に星座を入れること…こちらはロンドンの老舗フォスター&サンに依頼、ビスポークセミブローグのキャップにサソリのデザインを入れたもの。デザインの原型を示し、担当職人が穴飾りとして考案、正統派のセミブローグに仕上げたもの。


(8) 日本の靴職人が作るセミブローグ

キャップトウをイミテーションで仕上げたセミブローグ。日本のビスポーク靴界のファーストランナーコージスズキに依頼。デュプイの革をアッパーに指定して仕上げたもので、素材の良さを感じられる履き心地が特徴。


(9) 色へのこだわり

こうして改めて見てみると、お気に入りのセミブローグだけに色はどんぐり色から濃色まで、素材やデザインもあれこれ欲張りにオーダーしている。オフィスウェアもカジュアル化が進み、スーツやジャケットスタイルで過ごす機会が減ってきているが、ポリッシュしたり、スエードの毛足をブラッシングしながら出番の来る日を待っている。

by Jun@RoomStyleStore