2021/02/14 21:29
アメリカ合衆国第46代大統領が就任して「Buy American条項」修正の大統領令に署名した。隣国カナダなどは早速懸念を表明しているが、ロイターによると「米国の製造業の活力が過去のもの」という説を新大統領は「少しも信じない」と指摘し、「米国の繁栄の原動力にならなければならない」と述べたことを伝えている。
「Buy American」と聞いても買うべきものがない…と呟いた4年前から実はMade in USAの良さに触れる機会が少しずつ増えていた。そして昨年末、2021年モデルの詳細が分かった時点でアメリカンプロダクツの雄ハーレーダビッドソンを契約し、年が明けた1月初旬に入荷、整備を終えて1月末に納車を迎えたところだ。
そこで今回は届いたばかりのスポーツスターXL1200Xをお気に入りのウェアと共に組み合わせながら、アメリカ製品について気が向くままに書き記してみようと思う。
(1) ハーレーに乗るなら(その1)
ハーレーは運転と共にファッションを楽しむバイクだと思う。それもアメリカンカジュアルが鉄板だ。タイトなスーツにヘルメット姿のアーバンライダーはドカティやBMWに任せよう。人の心を解き放つフリーダムがハーレーの真骨頂、アメリカを象徴するジーンズを履いてバイクに跨り、ヘルメットを被ると♪ルート66♪が頭の中を駆け巡る。
Pants : Polo Dungaree(Made in USA)
Bomber jacket : Polo Country
Boots : Rockey
Bike : Forty Eight XL1200X
(2) ハーレーに乗るなら(その2)

冬はヒーター付きウェアが最新の流りらしいが、服飾ブログとしては革ジャンとデニムのレトロなライディングスタイルで攻めたい。写真は今やアメリカを代表するブランド、ラルフローレンのシアリングジャケット。古びた外見がハーレーによく馴染む。ヘルメットに合わせて生成りのデニムをチョイス。バイク乗りのファッションを考えるのも実に楽しい。
Turtleneck : Uniqlo
Shirt : Polo Country
Helmet : Arai x Harley Davidson
(3) ライダースジャケット(その1)

ライダースジャケットはバイク乗りの為のギア。ライディングでこそ真価を発揮する。今まで陸ライダースを避けていたがバイクが2台となれば出番も倍増、写真のRRLライダースも黒から下地の焦茶が見えて貫禄も付いてきた。タンク以外黒が基調のハーレーには「ダークなリジットデニム+黒ブーツ」より「明るいウォッシュタイプのデニム+茶ブーツ」の方が軽快に見える。
Boots : Redwing8166(Made in USA)
Denim : RRL(Made in USA)
(4) ライダースジャケットを着る(その2)

実は「ライダースジャケットの生みの親がハーレーダビッドソンである」ことは知られていない。ダブルもシングルそうらしいが、ビッグハーレーならダブル、写真のようにコンパクトなXL1200Xにはシングルが基本か…タートルネックの上にチェックシャツを重ね着しておくとバイクを降りて街中を歩く際、ジャケットの前を開けるだけで街中にすんなり溶け込める。
Turtleneck : Uniqlo
Shirt : Polo Country
Riders Jacket : RRL
(5) フライトジャケットを着る(その1)

バイク乗りの革ジャンを「ファッション」と勘違いする人がいるようだが、転倒時に身体を守るベストなウェアといえば昔も今も革製品だろう。ただ夏場は暑いし、スポーツスターの空冷エンジンから出る熱気は尋常じゃない。せめて半袖で運転しないようこの夏はアメリカンライダーよろしくGジャンコーデにトライしてみたい。
Stretch Cargo : 聖林公司
Boots : Polo Ralph Lauren
(6) フライトジャケットを着る(その2)

写真のアヴィレックスG-1はかなり年季が入っている。自分で着古すのは大変だが、幸い古着を買ったので色落ちや擦れ具合は十分。ライディングスタイルも様になる。袖のリブ編みは少々やれているが身を包むような安心感は健在だ。インナーをデニムシャツに交換。ストレッチ機能の付いたカーゴパンツに替えて足を動かし易くしてみた。
Leather jacket : Type G-1 Avirex
Turtleneck : Uniqlo
Shirt : Polo Ralph Lauren
(7) 春先のバイクウェア(その1)

三寒四温…うららかな日も増えてきた。春はすぐそこまで来ている。少し早いが厚手のコットンジャージ素材のバイクウェアでクルージングへ…ジャージ素材の快適さと体に馴染んだ90年製Levi's501、締めはスニーカー並みに軽いダナーマウンテンライトとくれば今度はレナード・スキナードの名曲♪フリーバード♪が頭の中に聞こえてくる。
Jeans : Levi's 501(Made in USA)
Boots : Danner(Made in USA)
(8) 春先のバイクウェア(その2)

写真のジャケットはRugby by Ralph Laurenのもの。袖口やポケット蓋の端などエイジング加工で擦り切れた感じを出しつつ、肩や肘のパッチに腰のベルトでライダースを演出、更にワッペンに大きめのフラップ付ポケットで洒落感を出すなどディテールに抜かりはない。中に赤黒のバッファローチェックシャツを挟んで色足しすればこちらも街着として通用する。
Jacket : Rugby by Ralph Lauren
Turtle Neck : Uniqlo
Shirt : Polo Country
(9) アメリカ製デニム

Buy Americanと問われれば筆頭はジーンズか…。リーバイスやRRL、テラソンなどの米国勢から日本勢のエドウィンやシュガーケーンによるアメリカ生産品まで今もMade in USAのジーンズは健在。上段から1980年代のポロ、1990年代の501XX、2000年代のRRL…と時代毎に米国製ジーンズを買い揃えてきたが、2020年代は果たしてどうなるだろうか。
〜デニム&ブーツ〜
(10) モックトゥブーツ

革の上下で決めるライダーも多いがハーレー乗りならデニム&ブーツの合わせを楽しみたい。まずはモックトゥブーツからということで8インチのロングシャフトを用意。モックトゥブーツといえばレッドウィングが思い浮かぶがこちらはRRLのソログッド別注品。一方のデニムは1997年に発売されたLVCの前身ヴィンテージレプリカもの。バレンシア工場製のLevi's201XX。
Denim : Levi's 201XX(Made in USA)
Boots : RRL 8 inch(Made un USA)
(11) ハーネスブーツ

ハーネスブーツといえばフライ(FRYE)が有名。別名リングブーツとも呼ばれるようで、ハーネスを繋ぐリングがその由来だろう。こちらはサイドガセットのショートブーツタイプ。足入れは抜群にしやすく靴を脱ぐ時の煩わしさから解放してくれる。デニムは生産再開後のRRLブーツカットデニム。チェーンステッチにセルビッジとディテールへのこだわりは第一期のRRL以上だ。
Denim : RRL Boot Cut(Made in USA)
Boots : FRYE(Made in USA)
(12) エンジニアブーツ

RRLの傑作ブーツBowery同様このマードックエンジニアブーツも最初期はジュリアンブーツが製作を請け負い人気を博したが、こちらは次期モデル。2トーンコンビが洒落ているが何より縫製をアメリカンブーツ界のキング、リオスオブメルセデスが担当したことで一気に価値が高まった。日本製のブラウンデニムを使ったRRLのジーンズと組み合わせるハーレーがより格好よく見える気がする。
Denim : RRL(Made in USA)
Boots : RRL Murdock(Made in USA)
(13) アイリッシュセッター

こちらは定番のレッドウイング6インチアイリッシュセッター。黒バージョンはかつて日本で別注をかけたもので奪い合いが起きるほど人気だったことを知っている人はそうとうな靴マニアだろう。当時海外に駐在していて普通に店頭に並んだものを買ったが数日後行ったら「日本人がみんな買って帰った…」と驚いていたことが懐かしい。ジーンズはコーンミルズ社のデニム地を使ったRRL。
Denim : RRL(Made in USA)
Boots : Redwing(Made in USA)
(14) 最新モデルに乗る

エンジンはハーレーの中でも小さいがそれでも1200ccと軽自動車の1.8倍、乗員定数は2名である。車検や税金などを考えると贅沢だが爽快感は唯一無二。近いうちに高速料金が半額になるとの朗報もある。昨年来のコロナ禍によりカンサスシティの工場でも生産減が続いてきたが何とか2021年モデルを出荷。国内初荷分のトップ契約ということで、1月ぎりぎりに乗り出せたのはラッキーだった。
思い返せば1975年初版のMade in USAブックが当時の若者を夢中にさせたくらいだからBuy Americanは多くの人が経験してきたことだろう。自分自身もギブソンやフェンダーのギター、トップサイダーやウォークオーバーにオールデン、ブルックスやラルフなどアメリカンプロダクツに夢中になった経験がある。中でも今回のハーレーは一番の大物買いだ。
冒頭の「米国の製造業の活力が過去のもの」という指摘はハーレーに乗ってみると当てはまらないと感じる。逆に日本のバイクにない面白さがある。世界の大型バイク市場で3位を維持し、日本国内では首位ヤマハの次にハーレーが続いている。しかも売れ筋はここで紹介したXL1200Xなどのスポーツシリーズ、なるほど自分が欲しくなる程の「商品の魅力」があることを証明している。
東洋経済ネットの記事にハーレーダビッドソンについて書かれていた一文を紹介しよう…
「おおらかな乗り味の裏のきめ細かさ、その結果として年間1万台(の売り上げ)をコンスタントに維持できているというこの事実を彼の地(アメリカ)の大統領(トランプ前大統領のこと)はご存じだろうか」
新大統領を迎え、Made in USAはどうなっていくのだろうか…今後も注目していきたい。
Jun@Room Staff