永世定番 上着(春夏)編その1 | Room Style Store

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2021/04/19 06:41


春本番、衣替えを済ませたと思ったら、来週からは25℃超えの夏日まであるらしい。温暖化の影響か「さわやかな春」はどこへ?…亜熱帯を思わせる日本ではジャケットを羽織るのも6月までがせいぜいだろう。クローゼットに並ぶ軽やかなジャケットに袖を通す機会も多くはなさそうだ。


永世定番もアウターと靴に続いて今回はジャケットの番。スーツより着回しの効くジャケットが仕事着の本命か…と書こうと思ったら今回のコロナ過でリモート化が進み、ジャケットを着る機会さえ激減とのこと。部屋着で仕事もOKとなればストレッチ素材のシャツやパンツで充分に違いない。


それでもカジュアルに着こなせるジャケットはまだスーツより需要は多いはず。そこで今回は夏を前に今が旬のジャケットを中心に永世定番を選んでみたい。


(1) #45 クラシックマドラス

クラシックなマドラスジャケットを着慣れている人は間違いなくアメトラ好きだと思う。インド生まれの派手な織り生地を初めてジャケットに仕立てたのはかのブルックスブラザーズだからだ。だがアメトラに興味のない人にこそマドラスジャケットを着る楽しみを知って欲しい。男の服の中でこれほど派手で洒落たジャケットはないはず…。


(2)ブルックス200周年展
こちらは同じ生地で作られた4ピース。ブルックスブラザーズ200周年記念展で撮影したもので、トムブラウンのディレクションによるブラックフリースの製品になる。ブルックスブラザーズ傘下のサウスウィックが製造したこのジャケット、当ショップの主宰若林も着ている。同じ生地で作られたジャケットを二人とも着ているということがRoomのスタイルを物語っている。  


(3)サウスウィックの行方
昨年からのコロナ禍でブルックスブラザーズか破綻、サウスウィックも閉鎖された。写真のジャケットはブルックス製ではなく、日本のSHIPSがサウスウィックに別注したもので、3つボタン段返りにセンターフックベントでダーツ有り、しかも本切羽に袖のボタンが4つというネオアイビー調。そのSHIPSがサウスウィックの商標権を獲得したようで今後の展開は如何に…。


(4) アウトフィット
クラシックなマドラスジャケットといえども柄は派手、中のシャツとネクタイは無地にしてちょうどいいくらいだ。アイビー道なら下はコッパン(コットンパンツの意)がお約束だが、歳をとると快適なデニムに勝るものはない。決めの足元はアリゲーター使いのアメリカンハンドソーンモカシンをチョイス。ゴージャスでカジュアルというミックス感が堪らない一足だ。
Jacket : Southwick
Denim : RRL
Shirt : Brooks Brothers
Tie : Tie your Tie
Shoes : Paul Stuart by Rancourt & Co


(5) #46 クレイジーマドラス
クラシックなマドラスジャケットでは飽き足らない人にお薦めなのがパッチワークマドラス、通称クレイジーマドラスと呼ばれるやつだ。しかもヴェストとセットで着るとなお楽しい。着初めは「派手かな?」と思ってもすぐに気にならなくなり、着ているうちにクタっとして身体に馴染むようになる。


(6) アウトフィット
クラシックマドラスからパッチワークのベストと上着に交換、シャツと靴もついでに交換してみた。ネイビーのタッセルスリッポンはクロケット製。トムブラウンがいた頃のブルックスで買ったもので今よりずっと華やかさがあった。ジャケットとヴェストは共にラルフローレン。
Jacket & vest
Polo Ralph Lauren
Denim : RRL
Shirt : Black Fleece
Shoes Crockett Jones


(7) #47 柄物ジャケット
コットンはリネンに比べて皺になりにくいのが嬉しい。この大胆なタータンチェックのジャケットも日本製の地厚なコットンを一重仕立てにしたもの。共布のパンツもあってセットアップで購入できるところが嬉しい。最近は海外のオンラインショップでもセットアップが人気のようで、様々なサイトで購入することができる。


(8) アウトフィット
このセットアップはNYCのRowing Blazersにオーダーしたもの。コロナ禍でオンライン営業にシフトした頃買ったもので、ショップは大層喜んでいたようだ。ノータイに白のTシャツがショップの提案だったがジャケットの黒を拾ってブラックニットタイとローファーを合わせてみた。このRowing Blazers、パンツの作りが大きいらしく半信半疑で28インチのパンツをポチってみたが大正解だった。
Jacket : Rowing Blazers
Pants : Rowing Blazers
Shirts : Brooks Brothers
Tie: FairFax(Made in Italy)


(9) #48 コットンジャケット
コットンジャケットこそアイビー党のマストアイテム。今もJ.PressのECサイトにはコットンポプリンのスーツがラインナップされているが、こちらはブルックスのセカンドライン、レッドフリースのものだ。新品時からパッカリングが出ていて着古したような雰囲気が気に入っている。こちらのセットアップはジャケットを選んだ後にパンツのカテゴリーに移動してパンツを探し当ててカートに入れるという手順がかなり面倒だった。ジャケットのページ内にパンツもオーダーできれば良いのに…。


(10) アウトフィット
無地の上下に白シャツというベーシックな装いに華を添えるなとしたらネクタイしかないだろう…ということでお蔵入りしていた大柄のペイズリーを引っ張り出してみた。ついでにバッグも柄物にして靴もコンビにと周りのものを派手なものにしてみたが、上下シャツが無地な分ビジーな感じもなく上手くフィットしているようだ。
Jacket & Pants : Brooks Brothers
Shirt : Brooks Brothers
Tie : ETRO
Shoes : George Cleverley
Bag : Ralph Lauren


(11) #49 クラブストライプ
Room Style Storeの主宰Wakaが好きなクラブストライプジャケット。素材はウールとコットンの混紡なので夏場には暑い。イギリスのロイヤルレガッタは6月終わり頃、アメリカのヘッドオブチャールズレガッタは10月ということでその時期に着るジャケットということになる。ネイビーに白縁のブルーストライプが初夏に相応しく、パンツもホワイトに拘りたい。因みにロイヤルレガッタレース観戦のドレスコードは女性が膝下スカートで男性がジャケット+タイとのこと。


(12) アウトフィット
写真のジャケットもRowing Blazersで購入したもの。アメリカ製で本切羽の本開きに手縫いのボタンホールというクオリティの高さが光る。なんでもNY製らしく、ファクトリーはマーチングリーンフィールドかヒッキーフリーマンか、はたまたノーマンヒルトンかセントルーリーか…控えめな小紋タイに白シャツ、靴はサマースエードと捻りを入れてみる。最後に胸ポケットに英国製のエンブレムを付けて装いの完成だ。
Jacket : Rowing Blazers
Pants : GTA
Shirt : Brooks Brothers
Tie & Bag : Polo Ralph Lauren 
Shoes : Crockett Jones


(13) 春夏編で使用した靴
手前左からランコート社製のアリゲーターハンドソーンペニー、右側がJ.M.Westonのアリゲーターローファー。奥の左側がクレバリーのスプリットトゥ、右側がクロケット&ジョーンズのタッセルスリッポン。どれも春夏に欠かせない靴ばかり。時々「誂え靴をオーダーするようになっても既成靴を買ったり履いたりするんですか?」と聞かれるがいつも「どちらも良いので…」と答えている。

永世定番ジャケット春夏編第1回目はカジュアルジャケットが中心だったが、次回はオフィスウェアとしての永世定番ジャケットを選んでみようと思う。元々スーツよりもジャケパンスタイルの方が好きで、クローゼットの中もジャケットの方が圧倒的に多いのにこの1年以上着る機会が殆どないままだ。

欧米は全国民へのワクチン投与を経済活動の契機にと考えているが、変異種による感染再拡大や現行のワクチンが変異種に効かないなどの報告もあり事態は一進一退、再び「緊急事態宣言」が出される可能性さえ指摘されている。飲食や服飾など様々な業界の人達の苦悩はいかばかりか察するに余りある。

それでも週末の都会はそれなりに人出があり、馴染みの飲食店はランチを待つ人が並ぶなど感染拡大を防ぎつつなんとか均衡を保とうとする人々の姿が見られ、なぜか少しほっとした。

By Jun@RoomStaff