衣替えの季節(スタート編) | Room Style Store

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2021/09/12 09:10


雨模様が続く9月の信州…一雨ごとに気温が下がり、薪ストーブは流石に早いがファンヒーターを使う日もある。朝晩は長袖の上に羽織るものが欲しいくらいだ。9月は長月とも呼ばれるがその由来は昼より夜が長くなるためという説と雨が多いので長雨月(ながめつき)が変化したものという説があるとか。確かに暗くなるのが早くなったし家の中は湿っている。

こう湿気が多いとカビが生えやすい革製品や湿気を嫌う羽毛製品が気になる。長雨の晴れ間を狙って「天日干し」を決行、ついでに革靴もまとめて日光消毒した。バイク用に買い足した革ジャンや田舎暮らし便利なダウンベストが増えたせいで軒下に並べるだけでも一仕事、念には念を入れて日の当たる方に向きを変えたりひっくり返すといつの間にか半日が過ぎていた。

そこで今回は衣替えの第1回に当たって真っ先に引っ張り出したレザージャケットやダウンベストについて着こなしを交えながら書いてみようと思う。



【lレザージャケット編】
(1) ポロカントリー
シアリングレザーに背面のみナイロン+中綿を使用したハイブリッドボマーは復刻版ポロカントリーの目玉商品。ウェブカタログではシャツを重ね着してジッパーを開け、ラフに着こなす写真が載っていたので参考にしてみた。数量限定のこのジャケット、価格も凄いがそれに見合う機能やデザイン、ディテールが付加されてる。とにかく着るのが楽しい…そんなアイテム中々ないだろう。
Jacket : Polo Country


(2) 足元
復刻版ポロカントリーの革ジャンには元祖ポロカントリーのブーツを…90年代オーストラリアを回りエアーズロックを登った相棒は古びたが今も現役、久々に出してみた。リペアワークが効いたRRLのデニムと合わせて街まで出かける…田舎暮らしは大抵こんな感じだ。最近買い出し用にと古い4駆を調べたら三菱ジープもランクル60も結構な値段…ビンテージ物の価格高騰は止みそうもない。
Shirt, & boots : Polo Country
Denim : RRL 

(3) ショット(TYPE B-3)
バイク用にと買った最初の革ジャン。-10℃から-30℃というヘビーゾーン対応のB3らしく冬のバイク乗りでも冷気を完璧に遮断してくれる。とはいえ今度はグローブやパンツの機能が追いつかず、せっかくのB3も街着になりがち。昔「B3の下は長袖のTシャツ1枚で十分」と書いてあった雑誌の特集を思いだして、試しにTシャツの上に柄シャツを重ね着してみた。いやいやジッパー開けなきゃ暑すぎる…。
Jacket : Schott TYPE-B3
Hat : Paul Stuart


(4) 足元
足元はレッドウィングのワークオックスフォード。こちらも25年前と年季が入ってる。現行のストームウェルトと違いグッドイヤー製法なのでコバ周りはシンプルだ。残念ながらアッパーは色褪せてしまったがまだまだ現役、多分一生持つだろう。手持ちのブーツで一番多いレッドウィング…それほど好きということで近いうちにまとめてブログ記事にでもしようと思案中…。
Pants & shirt : Polo Ralph Lauren
Socks : Brooks Brothers 
Shoes : Red Wing


(5) アヴィレックス(G-1)
ショットのB3でバイクに乗ると結構肩が凝る。腕も身頃もパツンパツンのせいだろうと袖ぐりも身頃も余裕のある革ジャンにと選んだのが上のG1。映画トップガンでカワサキGPZ+G1のシーンを思い出して早速着込んでバイクに乗ってみた。操作性はなるほどB3より良好、ただし襟のボアを付けてジッパーを閉じても冬のバイク乗りにはちと寒い。B3とG1の中間がないものだろうか…。


(6) 足元
バイク乗り専用のウェアが嫌いでなんとかバイクを降りても浮かないコーデはないものかと最初に目を付けたのがこのダブルバックルブーツ。ベジタン鞣しのような分厚い革は左足でシフトチェンジを繰り返しても跡が付かない。お次はジーンズ以外に合うパンツをと地厚なミリタリー風カーゴパンツをゲット。ヘルメットを脱げば周囲に溶け込めるバイク用コーデはなかなか難しい。
Pants : RRL
Shirt : Purple Label
Boots : Polo Ralph Lauren


(7) RRL(ライダース)
バイクに乗るならライダース…と物色していた時に出会ったシングルライダース。ショットよりポケットが多いのが気に入って試着してみたら柔らかくて腕は曲げやすいし着心地も最高。しかもブラウンレザーを黒で染めた「茶芯」仕上げなので着込むと下のブラウンが浮き出てくるというおまけつき。着心地の良さに愛用していたらみるみる茶芯が出始め、わずか2年で着古した感じが出てきた。
Riders : RRL


(8) 足元
ブーツはRRLのバワリー。黒シボ革に茶コバの組み合わせが茶芯のライダースにぴったり。英国のチーニー製だがオーソペディック風のラストは履き心地も良く足首までストレスなく覆ってくれる。こりゃエドグリやジョンロブよりいいかも…。デニムは9月なら洗いの効いた水色のライトオンスで十分。ふと気が付くとこの組み合わせ…Tシャツ以外上から下までRRLになっていた。
Boots, Denim, Jacket : RRL
Tshirt : Houston


(9) Schott(ライダース)
黒一色のライダースがつまらなくて買ったショットのシングルライダース。袖の赤と僅かな白の切り返しが効いたデザインは流石…カワサキでもハーレーでも様になる。古着なので付いていないが元はライニングもあったようだ。袖先や身頃下などだいぶ擦れてはいるが、それでも革は硬い。革の柔軟剤でも使おうかと検討中だ。
Riders : Schott
Denim : Big John


(10) 足元
肩から袖の赤いラインに合わせて足元も赤のスニーカーで。ずっとお蔵入りだったジャックパーセルをバイクライフのリスタートと共に復活させた。そういえばバイクの教習時は「くるぶしを覆う靴か靴下が必要だった」と思う。当時はハイカットのオールスターを履いていたが紐を締めたり緩めたりするのが面倒でローカットを専ら愛用している。
Shoes : Jack Purcell(USA)

(11) ローテクスニーカー
最近はバイク用のスニーカーも出てきた。型はコンバースのハイカット風。エンジンを傷つけないアウトサイドジップを仕込んで脱ぎ履きを楽にしつつ踝パッドでライダーの足を守るという優れもの。中々良さそうだが結局コンバースを選んでしまった。なんだかんだ言っても元祖は強い。手前と右奥が貴重なアメリカ製ストック、左奥のハイカットが新しく仲間入りした日本企画品。



【ダウン編】
(12) リバーシブルタイプ
さて衣替え2番手はダウンベスト。秋口に軽く羽織ってよし厳冬期に冬物の上に重ね着するもよし、使い勝手の良さは別格だ。①袖がない分ダウンジャケットのような外作業のし辛さがない。②袖先や肘の傷みや汚れを気にする必要がない。③着たり脱いだりするのが楽。如何に便利か分かってもらえると思う。写真はポロのリバーシブルベスト。9月の声と共に早速使い始めている。
Down vest : Polo Ralph Lauren
Rugby shirt : Polo Ralph Lauren


(13) 足元
足下はダーティバックス。ホワイトバックスと違って季節を問わず使えるのが嬉しい。ブリックソールに合わせてソックスは赤をチョイス。田舎とはいえ近場(と言っても散歩なら40~50分)には美味しいレストランや手作りパンの店、コーヒー豆を焙煎する店があって、休日は大抵こんな格好で歩くか自転車に乗って店巡りを楽しむことが多い。
Denim : Polo Ralph Lauren
Shoes : Crockett & Jones
Socks : Brooks Brothers

(14) ダーティーバックスの手入れ
トリッカーズのインスタグランム公式アカウントで公開していたスエードの汚れ落としは、少々乱暴だが写真のスコッチブライトで汚れを削り取っているものだった。近所のスーパーでは右下の「黄色いスポンジ+ナイロンたわしのコンビ品」が買えたので早速試してみたら見るみる汚れが落ちていく。結果は写真のように甲からつま先にかけてすっかり綺麗になったのに驚いた。


(15) リバーシブルベスト(その2)…表編
こちらはラルフのスポーツウェアブランドRLXからリバーシブルのダウンベスト。スナップボタンのように見えるものはリベットで前はジッパーのみで留めるタイプ。鮮やかな蛍光イエローは一見フランスの「黄色いベスト運動」を思わせるが写真映えは抜群。スポーツウェアに羽織るよりもっぱら街着として愛用している。素材自体はスポーツ用だけあって軽く薄い。
Dawn Vest : RLX
Shirt : Uniqlo
Denim : Polo Ralph lauren


(16) リバーシブル(裏)
ベストの裏側はロイヤルブルーに近い。こちら側も中々使い勝手の良さそうな色だ。スポーツウエアらしくジッパーは上下開きになっている。スキーやスノーボードのウエア同様、着たまましゃがんだり腰かけたりする際、下のジッパーを開けておくことで腹部のもたつきを逃がしてくれる便利な機能だ。


(17) 足元
秋冬物の衣替えついでに靴の入れ替えも行うこの季節…春夏用にワニ革靴や淡色系の靴は奥に仕舞ってブーツやスェードなど秋冬用の靴を前面に出すのが恒例だが写真のウェストン(クロコダイル)だけは例外。いつでも手の届くところに置いている。そういえばパリでウェストンの店員と話した際も「レプタイルの靴は一年中履ける」と言ってたっけ…。

(18) ウールベスト
秋も深まるとナイロンベストに代わってウールベストが重宝する。特にジャケットの上からダウンベストを羽織る着こなしはイタリアで「ジャッカ エ ジレ」と呼ばれ、コートより軽快な印象が受けているようだ。ウールジャケットならウールベストを合わせるなど素材感を合わせるのがコツだとか…写真は全て柄物だが素材感に加え色目も合わせると違和感なく着こなせる。
Jacket : Purple Label
Vest : Polo Ralph Lauren


(19) 足元
柄物オンパレードにすべく敢えてエンブロイダリーパンツをイン。ブーツは2009年製造のオールデンのタンカーブーツ。今は閉店した新宿のバーニーズで購入。12年経って外鳩目は色が剥げてきたもののアッパーの皺もコードバンの色目も良い感じに育ってきている。ソールは履き心地の良さで無敵を誇るクレープソールだが年月の経過とともに最近「べとつき感」が気になり始めた。
Shirt, Tie & Pants : Polo Ralph Lauren
Boots : Alden
Watch : Vintage Breitling
Hat : United Arrows

(20) ツイードベスト
こちらは同じウールベストでもツィード調のヘリンボーン柄。スーツの上に同じヘリンボーン柄のコートを羽織るより多少は寒いがダウンベストの方が断然快適だ。しかもコートの下じゃお気に入りのジャケパンスタイルでも全部隠れてしまうけれどダウンベストなら王道のブレザールックを楽しめる。ここでは素材感はウールで揃えつつ色目はジャケットではなくパンツに寄せている。
Blazer & Pants : Brooks Brothers
Shirt, Tie & Vest : Polo Ralph Lauren
Cap : Huntsman bespoke


(21) 足元
足下はオールデンの傑作ロングウィングブルッチャー。オールデンNYで6年前に購入したもの。アイビールックには欠かせないモデルだ。現在はコロナ過の影響でアメリカにもなかなか行けないが、今後海外旅行が再開されたらまずはアメリカに行ってNYのお隣コネチカット州のシューマートでも訪問、オールデンのセカンド品をじっくりと品定めしてみたい。

革製品の大敵カビの発生について調べたら気温20℃以上湿度70%になるとカビは発生し始めるそうだ。湿気の少ない保管場所なら1階より2階、2階より屋根裏とのことでレザージャケットなどは屋根裏にラックを設けて吊るすことにした。また靴はタンニン鞣しの場合、タンニンがカビの栄養になるし手入れ用のクリームも栄養分になるとのこと。こちらもシューツリーを外して屋根裏で保管することにした。

一方ダウン製品が湿気っていると感じたら洗濯機で洗って十分乾燥させれば平気なようだ。洗濯時は中性の液体洗剤をチョイスし乾燥機能の付いている洗濯機なら乾燥まで行う。その際乾燥機に入れて低温乾燥を10分ほど数回繰り返し、最後に数日間陰干しするとベストな状態に戻るとのこと。昔ダウンベストをクリーニングに出してがっかりして以来ドライに出すのを躊躇していた身には朗報だ。

東京ではまだ残暑が続くようだがここで秋冬用のスエード靴を修理に出した。近いうちに衣替え第2回をアップしてみようと思う。

By Jun@RoomStyleStore