2023/08/12 08:04

アパート暮らしの日課となった早朝の焼きたてパンの買い出し。3日目はイートインコーナーを利用した。出来立てのパンとコーヒーをお供にその日の予定を立てる。スマホを取り出してカフェのWiFiに接続すればあとはアパートにいる時と同じ、無料で目的地への道順に距離や見どころを調べておく。
アパートに戻り支度したら海外パケット定額サービスに接続して出発。流石にWiFiだけではナビ機能にも限界がある。選んだのは最低限の24時間コース…安価な分通信速度の制限がかかりやすいのでWiFiと合わせ技を使う。昔のように地球の歩き方を片手に道を探したことを思えば何と便利な世の中か。
そこで今回はスマホを頼りにパリ暮らしを紹介しようと思う。
※扉写真は朝のお気に入りソション•オ•ポム
(1) サクレクール寺院へ

この日は歩いてサクレ•クール寺院へ。人通りの少ない早朝を選んでスマホ片手に出発。道案内に従って緩やかな登りの続く通りを歩くと名物の急階段が見えてくる。すかさず写真撮影。マップを見ると右手にフニクレール(登山電車)が通っているらしい。階段を登ると右手に急勾配の線路が見えてきた。
(2) モンマルトルの丘

丘から望むパリ。早朝から観光客も結構いる…皆考えることは同じだ。見渡す限りの家並みに「こりゃ大都会だな」と思ったらどこぞのツアーのガイドが「端から端まで歩くことも可能、山手線の円内とほぼ同じなのでパリは意外とコンパクトなんです」と仰る。「ヘェ〜」と聞き入ってしまった。
(3) サクレクール寺院

振り返るとサクレ•クール寺院がそびえ立つ。スマホで調べると「ロマネスク様式やヴィザンチン様式」あるいは「丸い外観」と出てくる。確かにゴシック様式のノートルダム大聖堂とは外観から全く違う。階段下の道路はポカリスエットの高校生風ダンサーが踊った場所、この日は日本の芸能人に遭遇した。
(4) ドーム天井

荷物のセキュリティチェックを受けて内部に入る。無料で入れるが上のドームからパリを一望するなら別途入場料が必要だ。因みに今回借りたアパートはモンマルトルだけでなくマレ地区にオペラ座界隈からマドレーヌ寺院まで全て徒歩圏内という絶好のロケーション。おかげで地下鉄に乗る回数が少なくてすむ。
(5) モザイク画

サクレ•クール寺院の見どころモザイク画。スマホによれば「白衣を纏ったキリストの胸に黄金の心臓が輝き、周囲には聖母マリアや聖ミカエル、ジャンヌダルクの姿も描かれている」とある。ふと40年前に行った北イタリアはラヴェンナのモザイク画を思い出した。次はイタリアでアパート暮らしも悪くない…。
(6) 中央祭壇

小さなマリア像が掲げられた祭壇。外の階段と違って中は観光客もまばら。ノートルダム大聖堂のような荘厳な内部と比べるとこじんまりとしている。丸みのある外観自体がサクレ•クール寺院の見どころか…スマホで周囲を検索するとかの有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」も近くにあるようだ。
(7) 丘を下る

再びスマホの道案内でアパートへ…。行きは苦労した上り階段も見下ろすとまた違った趣がある。近場のカルフールをスマホで検索して水を購入。石灰分の多いパリの水道水は下痢しやすいらしいが昔は「水にお金払うなんて…」と平気で飲んでいた。今は脱水症予防に水分を絶えず携帯している。
(8) エッフェル塔へ

(9) ル•ジュール•ヴェルヌ

レストランへの入り口。今回は異例のドレスコードが予約の数日前にスマホに届いた。男性は「ジャケット着用が望ましい」とある。「短パンにTシャツ姿では席への案内を拒否することもある」と書かれていた。レストランでは客も背景のうち、服装に気を配ってほしいという店の考えは十分理解できる。
(10) アミューズ(1)

平日の定番ランチコースは160€。日本円で24,000円を超える。ワンコインランチとは対極だがムード満点のダイニングやホールスタッフの多さ、スターシェフの存在が料金に含まれていると考えるべきか。出てきたアミューズはガスパッチョ、アンダルシア発祥の冷製スープはトマトの酸味が食欲をそそる。
(11) アミューズ(2)

もう一つのアミューズも同じくトマトを使った一品。どこかで見たような盛り付け、おそらく蒸籠に入れた点心をイメージしたのだろう。薄い土台に焼き色の付いたプチトマト、上の香草がアクセントになっている。ピックウィズフィンガーと言ってた(と思う)ので遠慮なく手で摘んで味わった。
【参考資料①】
〜メニュー〜

写真は平日限定メニュー。当日はメインがVeal(子牛肉)に変わっていたがあとはほぼ同じ内容。公式ホームページから予約するとその時点で支払い。期日前のキャンセルは決済カードに返金されるシステムだ。ノーショーによるトラブルで苦労する飲食店向けに同じシステムを導入してはどうか…。
(12) 前菜

こちらが前菜のラビオリ。メニューによればマッシュルームとほうれん草にコンテチーズを挟んでラビオリに仕立てたとある。ラビオリを切ると中のチーズがフォークに絡みつく。スマホで検索…コンテチーズは「スイスとの国境に近いコンテ地方で作られるハードタイプでファンも多い」とのこと。
(13) 主菜

こちらが主菜の仔牛肉。説明が早すぎて分からなかったがトッピングはズッキーニとクルトンにオニオンだったか…パリッとした表面とジューシーな肉にクルトンのサクサク感が口の中に広がる。ソースがなくてはフランス料理ではない…と言われるがこちらは旨みたっぷりのソースが2種類も用意されていた。
(14) 付け合わせ

付け合わせのポテト。オリーブオイルを数滴垂らしてある。丁寧に裏漉ししたポテトにバターや生クリームを加えてなめらかで口溶けよく仕上げたもの。「家庭でもできる」と書いてあるが中々こうはいかない。因みに飲み物はシャンパンをボトルで注文、ワイン選びに悩まず料理と会話を楽しめる。
(15) デザート(1)

メニューではストロベリーだったがこの日はアプリコットに変更。こちらはトップがアプリコットのカラメルゼで横にアプリコットソースを添えたアイス。ガスパッチョといいアイスクリームといい夏のメニューらしく涼を感じさせる。とはいえ到着してからのパリは連日22℃前後の陽気、肌寒いと感じることさえある。
(16) デザート(2)

こちらは天使の髪と呼ばれるカダイフ(小麦粉と水)を土台に使った菓子。スマホによるとカダイフはデザートによく使うらしい。中央にムースを乗せて周りを甘露煮で飾り付け、最後にココナツパウダーをまぶせている。しっとりとサクサクという異なるテクスチャを上手く組み合わせていた。
(17) タワーからの展望(1)

食後の楽しみがル•ジュール•ヴェルヌ専用ドアからデッキに出て見下ろすパリの街並み。スマホの地図アプリによれば手前の橋はビラケム橋。上が地下鉄6号線で下が車と歩行者の二層構造とある。ラストタンゴインパリやのだめカンタービレ最終楽章でロケに使われたとか。料理の後のこの絶景もコースの大事なひと品か…。
(18) タワーからの展望(2)

こちらはトロカデロ方面。中央がトロカデロ庭園で奥に人が大勢集まっているところがトロカデロ広場だ。広場から今いるエッフェル塔をバックに記念撮影するのが定番スポット。やはりポカリスエットのダンスCMで使われている。それにしてもパリの建物は大きいし公園は広々としているし…スケールが違いますな。
【参考資料①】
〜カルフール〜

ランチを堪能したので夕食はアパートで自炊しようとカルフールに立ち寄る。入り口の7h à 23hはセブンイレブンの意味。日本のコンビニと違って野菜やフルーツ、肉類など生鮮食品を扱うスーパーのような存在だ。売り場は日本のそれより狭いながらも品揃えは充実。慣れてきたらセルフレジ活用で便利度も更に上がる。
(19) 料理にチャレンジ(1)

肉の売り場て見つけたとり肉。あっさりとしむね肉(フィレ)が多くどれも皮なし。皮のついたとり肉を探すと写真のように骨付きになってしまう。しかもひとパックが最低でも2本セット…肝心の調理方法は至って簡単、フォークで穴を開けたら現地で買った塩と胡椒で下味を付ける。あとはフライパンで焼くだけのシンプルな調理方法。
【参考資料②】
〜米を煮る〜

こちらは一緒に添えるフランス唯一の産地カマルグの米。これを炊くというより煮込む。袋に書かれた調理方法はフランス語なのでスマホでスキャン、翻訳アプリによれば小さじ1の塩を加えよ…とある。パスタをゆでる時と同じかと思ったらなんと日本のクックパッドでカマルグ米の美味しい炊き方が出ていた。
(20) 料理にチャレンジ(2)

IHクッカーで鶏もも肉のステーキに挑戦。どんなサイズにも合う蓋で蒸し焼きしつつじっくり焼いていく。とり肉や生卵はサルモネラ菌が付きやすいので要注意、朝の目玉焼きも念のためハード(ターンオーバー)で焼いている。因みにパリでも日本製の醤油がある。わざわざ買ってみたが試さないままアパートに置いてきた。
【参考資料③】
〜チーズ売り場〜

さすがはチーズ大国フランス。見慣れたフランスのチーズからまだ見ぬパッケージまでずらりと並んでいる。日本と同じようにレタスなど何種類もの生野菜が入ったパックがあるのも助かる。皿に生野菜を盛ったらカマンベールチーズを刻んでトッピング、仕上げにカルフール特製シーザードレッシングをかければサラダの完成。
(21) とりもも肉のソテー

慣れないと火加減のコントールが難しいIHクッカー。少々焦げたがとりもも肉のステーキが完成、味は悪くない。とり肉自体の味が日本より濃いと感じる。環境やエサ、育て方が違うのかもしれない。日本でも近所にフランス産の小麦を使って焼くパン屋がある。評判が高いのも小麦粉が違うからだとか。
今回のパリ滞在は8日間。同じアパートで過ごすと段々快適になるのが実感できる。スマホを駆使すると買い物の段取りが上達、方向感覚も身に付く。片道40分程度なら歩いて出向くので健康管理にも良い。とはいえいつも自炊じゃつまらないので外食とテイクアウトを上手く織り交ぜ飽きの来ない暮らしを実践した。
気になる滞在費だが4つ星以上のホテルと比べたら一人当たりの宿泊代はアパート暮らしの方が安いし広いし自炊もできる。唯一注意すべきはバスタブなし、シャワーだけのアパートが多い点。旅行前に足を怪我したこともあって熱めの湯を張ったバスタブに入ってゆっくり足を揉みほぐしたい衝動に何度も駆られた。
次に長逗留するならバスタブ付きにしよう…そんなことを考えながらアパート暮らしを堪能中。
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