2024/02/25 08:59
キャントンと聞いて「日本初のジーンズ…」と答えられる人は自分と同じVAN世代だと思う。国産ブランドで育った自分にとって舶来ものに出会うのはずっと後のことだった。本場アメリカではリーバイス、リー、ラングラーがジーンズ御三家といわれるが近所のジーンズショップに並んでいたのはビッグジョンやボブソンにエドウィン…これぞ日本の御三家というラインナップだった。
ジーンズ御三家に手が届くようになったのは大学に入ってバイトをし始めてから…最初がリーで次にリーバイス。どれも捨ててしまったが残っていれば結構な上物になったかもしれない。残るラングラーはVANが商社や生地メーカーと組んで展開したライセンスもの、独特の造語や写真などイメージ戦略は流石だったが実態はアメリカの名を借りた国産ジーンズブランドだったようだ。
結局本場もののラングラーとは縁がないままポロショップに並び始めた「ポロダンガリーズ」が代わりに収まった。そこで今回はマイ御三家のリーバイス、リー、ポロダンガリーズから少々ひねりを入れてGジャンを紹介してみようと思う。
※写真はマイ御三家のGジャン
【LEVI’S】
(1) LVC507XXタイプⅡ(1953モデル)

(2) コーンデニム

(3) 内タグ

タグに印刷されたMDE IN U.S.A.の文字。工場番号は4420とある。米国のロサンジェルスにある縫製工場(他社)という情報もある。不思議なのはIMPORTED COMPONENTSの但し書き。生地が米国製コーンデニムだとすると輸入したコンポーネンツはボタンやリベット、革パッチやスレッド(糸)を指すのだろうか…。
(4) 組み合わせ

(5) インディゴブルーとレッド

インディゴはどんな色とも合う万能選手だが赤を差し色にすると引き立つそうな。そういえばバンダナで一番の売れ筋も赤だしリーバイスの赤タブとも重なる。ということで赤みの強いRRLネイティブ柄シャツジャケットを引っ張り出してみた。裾がスクェアカットの外出しタイプで薄手ながらもウール素材の優れもの。
(6) 信州にて(その1)

507XXはライニングなしの一重仕立て。流石に雪の中じゃ寒いが間にウールシャツを挟むだけで保温効果は抜群、首元もバンダナのお陰で暖かい。となると素手が寒々しく見えてしまう。タッチスクリーン用のレザーグローブでもあれば良いが田舎小屋は軍手が標準装備…タッチパネルの操作に軍手は厳しい。
(7) 着こなし①

セミドレスの足元。ワークブーツのように履いているがドレスと名が付くくらいだから屋外作業に履くのはちと贅沢か…。周囲には雪の重みで折れた小枝が地面に散乱している。これが春を過ぎて夏になると程よく枯れてストーブの焚き付けに重宝する。わざわざ枝を落とす必要もなく自然の恵みに感謝…。
【リー 101LJ】
(8) ストームライダー

お次はジーンズ御三家の中で一番馴染みのあるリーから。ストームライダーの名が付いた101LJは1931年発売の元祖Gジャン101Jにブランケット裏地を配し襟をコーデュロイに替えたもの。ラルフローレン氏がポロの広告で他社製品にも関わらず堂々と着ていたのがリーの101Jだと知る人はかなりのラルフ通だ。
(9) メイドインUSA

80年代の製品ながらまだ色濃いストームライダー。大学時代は同じリーでもジーンズばかり買っていたが件のラルフローレンが着ているポロの広告を見て古着で購入したもの。リーバイスのGジャンが直線的なデザインなのに対してリーはポケットやフラップなど曲線を生かしたデザインが好みだ。
(10) RRLとの相性

リーとそっくりな製品を何度も発売しているRRL。ならば本物のリーとも相性良しのはず。ということで再びRRLからワーク系のパンツとシャツをピックアップ。タグに描かれた「雪の舞う牧場と馬に跨ったカウボーイ」とはイメージが異なるがウェスタンに限らずなんでも合う懐の深さがストームライダーの魅力。
(11) ネルシャツとリバーシブルパンツ

ネルシャツはインド製。公表はしていないがRRLのシャツを作っていたアーカンソー設立のCAMCO(カムコ)と同じファクトリーではないかと思われる。一方のワークパンツはミリタリー調のタグが付くツイルパンツ。ウェストとヘムにドローコードが付くうえになんとカモ柄とのリバーシブルという優れものだ。
(12) 着こなし②

リバーシブル仕立てのせいか前開き部分のスナップボタンがリベットのように派手に並んでいる。Gジャンのタックボタンと縦一列に並ぶと壮観だ。ワークシャツの色目がパンツとGジャンを上手く繋いでいる。首元はまたしても赤のバンダナ。何度か他の色も試してみたが今のところ赤に勝るものなし…。
(13) ボタンホールの修理

40Rのサイズながらライニングが付いているため結構タイトな作りのストームライダー。ボタンホールがかなり傷んでいるのでリペアショップで直すか検討中。1個3000円で4か所、頼むと12000円以上のコストがかかる。ならばもう少し予算を増やしてDIYよろしくマイミシンを買うことも出来るだけに悩ましい。
(14) 貫録の付いたセミドレス

すっかり履きジワの付いたセミドレス。つま先や踵のラバーも順調に減ってきている。何の変哲もない外観だがこれを履くと他のブーツに戻れない。そういえば渋谷のトレーディングポスト店員さんは「セミドレスですか」と直ぐに看破した。オーラを放つセミドレスも中々だが見破る店員さんも大したものだと思う。
【ポロダンガリーズ】
(15) トラッカージャケット

最後はラングラーに代わって御三家の座に収まったポロダンガリーズのGジャン。トラッカージャケットと呼ばれるタイプだがMサイズなのに着丈も身幅もゆったりとしている。ラルフローレンが仕掛けたビッグシルエットと同じ年代のものだ。念入りなユーズド加工のお陰でうなじへのあたりも柔らかい。
(16) レザーパッチ

革パッチにMADE IN U.S.A.があると萌えてしまう。90年代初めはアメリカ製が豊富だったラルフも2000年を前に激減。2003年リーバイスが最後のバレンシア工場を閉鎖した際「ライバルのラルフローレンやギャップは国外生産に転換済み、リーバイスは後れを取った。」と評されたそうだ。
(17) 組み合わせ

ポロダンガリーズの後継ポロカントリー(復刻)と90年代ビッグチノとの組み合わせ。足元も同年代のアメリカ製ブルッチャーモカシンを引っ張り出してみた。リーバイスやリーと違ってポロのイメージはNYトラッド流の洒落た週末着。Gジャンの上にポロコートを羽織る着こなしも最高に格好良かった。
【参考資料】
〜ポロ公式サイトより〜

公式サイトから拝借した今季もののGジャンとポロチノの組み合わせ。昔と同じユーズド加工の効いたGジャンは着丈が短くスリムな今風の作り。合わせたチノパンもこれまた当時と同じポケット上のミニタグが涙もの。どちらもアメリカ製ではないのが悲しい。バイデン氏の言う「アメリカに製造業を取り戻す」試みは上手くいくのか…。
(18) アメリカ製で再現

一方こちらは公式サイトの写真を参考によく似たポーズを再現。今時の着丈短めと違いゆったりとしたGジャンは身頃が余ってしまう。一方下に履いたチノパンは片玉縁のヒップポケットや右上に付くポロチノのミニタグなどこれぞ元祖という雰囲気。なにより一番の違いはアメリカ製で再現しているところ。
(19) 前ポケット

しゃがむと背中が見えるほど着丈の短いリーバイスやピタピタのリーと違いゆったりとしたポロダンガリーズ。両身頃にハンドウォーマーが付く分着丈が長くなるためだろうか。2プリーツのゆったりとした腰回りと極太ワタリのビッグチノとは相性良し。オールドポロファンには懐かしのブラックウォッチトートを添えてみた。
(20) 黄色いバンダナ

フランネルのワークシャツに黄色の格子を発見、取り敢えず黄色のバンダナを付けてみる。帽子やアクセサリーと同じで気にせず付けているとだんだん様になるらしい。袖口から見える時計はサブマリーナ。機械式時計の価格上昇には驚くがスマホと連動したスマートウォッチから離れると不便で仕方ない。
(21) ラグソックスとモカシン

ラグソックスとモカシンの組み合わせ。ラルフローレンの世界観、中でもメイン州産モカシンとラグソックスの組み合わせが好きで一時期はキャンプモカシンやボートモカシン、インディアンモカシンなどそれらしい名前が付くものを買っては履いていた。写真は捨てずに残しているうちの1足。
今回MADE IN U.S.A.で揃えたマイ御三家のリーバイス、リー、ポロダンガリーズ。残念ながら今はどれもアメリカ国外で作られている。もちろん日本製のLVCも良いしエドウィン傘下になった日本産のリーアーカイブシリーズも魅力的、メキシコ製のポロ(ダンガリーズ)も昔と変わらぬクオリティだ。
ラルフローレンの奥様リッキーさんは来日すると日本サイズのラルフローレンを買って帰る…という話を聞いたことがある。バーバリーのトレンチコートも本国製よりサンヨー製の方が確かな縫製だったそうだ。MADE IN U.S.A.への拘りはほどほどに日本製をもっと試してみるのも良いかもしれない。
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