2024/04/29 08:42

17日夜に愛媛県南部を襲った震度6の地震によって道路の落石や建物の一部破壊、断水などの被害が起きたほか9人の方が怪我をされたという。つい先日出かけた旅先での震災に心を痛めたが甚大な被害には至らなかったようだ。とはいえ被災された方には心よりお見舞い申し上げたい。
地震から一夜明けた18日は松山自動車道が通行止、半家(はげ)駅で列車を見送った予土線も全面運休となっていた。山間を縫うように走る予土線は大丈夫か気になったが19日に再開したと聞き一安心。とはいえマグニチュードがあと0.2大きかったら巨大地震警報が発令されていたという。
前置きが長くなったが今回は四国遊山の最終日、松山を訪問した時の様子を紹介したい。
※扉写真は道後館の朝食
(1) 朝食

日頃コーヒーとデニッシュの朝食もせっかくだからと前日に和食を予約。朝風呂を浴びて気分よく朝食会場に入ると食卓に並ぶ料理の数々…どれから箸をつけて良いか迷う。器も盛り付けも品数も自宅とは大違い、しかも白米の横には粥まで用意されている。至れり尽せりのひと時だった。
(2) 地産地消

火のついた鉄板は名物の瀬戸揚げを軽く炙るためのもの、愛媛らしく伊予柑の搾りたても用意されている。お品書きの説明を丁寧に読みながら一品一品味わうとゆったり時が過ぎていく。旅行の醍醐味は非日常を体験できること…朝食に1時間もかけるなんて滅多にできるものじゃない。
(3) 坊っちゃん列車

ホテルをチェックアウトしたらシャッターの閉まった繁華街を抜けて道後温泉駅へ。駅前には名物「坊っちゃん列車」が待機していた。軽便鉄道時代の蒸気機関車のレプリカはディーセルエンジンによる駆動、水蒸気を煙の代わりに出してシュッポシュッポというドラフト音はスピーカーで再現しているとのこと。
(4) 説明板

伊予鉄道の創立は明治20年(1887年)。翌年には日本初の軽便鉄道として運行を開始したと書かれている。今年で開業137年を迎える日本で2番目に古い私鉄だそうだ。明治時代に開業された多くの私鉄が国営化(旧国鉄)される中、私鉄として存続し続けるには幾多の企業努力があったことだろう。
(5) 道後温泉駅

旧駅舎を再現したレトロモダンな建物がインスタ映えする道後温泉駅。スターバックスが入るなど旅行客の憩いの場として人気スポットだという。記念撮影を行うインバウンド客もちらほら見かけた。昨日松山(JR)駅から道後温泉まで乗った路面電車を今日は松山駅方面に向かって再び乗車する。
(6) 松山城へ

伊予電の「県庁前」で下車。今日の目的地は高知城と並ぶ四国の名城「松山城」訪問だ。愛媛県にはこの松山城だけでなく宇和島城も現存12天守に該当するなど城好きには魅惑の県だ。今回は宇和島を通過してしまったが次回はぜひバイクで訪れたい。県庁裏登山道を登ること約30分、辿り着いた天守参観用入り口。
(7) 三の門

天守に到達するには門を何度もくぐらなければならない。写真は三の門、知らぬ間に一の門と二の門をくぐっていたようだ。敵の侵入を防ぐために設置された門は全て内開き、その理由は敵に障害物を置かれて門が開かなくなるのを防ぐだけでなく開門してすぐ攻撃に移れるようにするためだとか。
(8) 筋鉄門

三の門をくぐって直角に曲がり進んでいくと現れる筋金門。鉄板(筋金)を鋲で打ち付け補強した中角は如何にも頑丈そうだ。国宝や重要文化財など貴重な文化財の多い松山城だが思いの外空いていた。多分3月末の訪問ということで新年度を前に観光客が少ない時期だったのだろう。
(9) 天守内部の展示物①

いよいよ天守に入り履き物を預けて展示物を眺めつつ最上階へと向かう。こちらは三代藩主松平定長着用の鎧。WiKiによれば定長は1692年松山藩15万石を継承し三津浜に魚市場を開くなど民生に尽くしたある。松山藩江戸屋敷で35歳という若さで亡くなり、お国(松山)入りはわずか3回だったという。
(10) 天守内部の展示物②

こちらは4代藩主松平定直の鎧。3代藩主定長の死去に伴い今治藩から養嗣として迎え入れた嫡男が松平定直として藩主に就任、享年61歳で亡くなると遺骨は松平家の菩提寺でもある松山市内の大林寺に葬られたとある。松山城の天守からいつでも阿弥陀様を拝めるよう本堂は東向きに建てられたそうだ。
(11) 街を臨む①

絶景といわれる天守から見下ろした松山市。標高132メートルの勝山の上に立つ松山城は絶景スポットとしてミシュランの1つ星を獲得している。日本人としては外国のガイド本に頼らずとも自力で日本の魅力を再発見したいものだ。因みに昼間も素晴らしいが夜景は更に感動するらしい…。
(12) 城内を見下ろす

本丸広場を見下ろした様子。のんびりと旅を楽しむ人々の様子を見るだけでも楽しい。イタリアではベネチア以外にもローマのトレビの泉やスペイン階段、パンテオン宮殿などが入場制限し始めたそうだ。日本でも各地で問題となっているオーバーツーリズム、観光資源の豊富な四国がそうならないことを願うのみだ。
(13) 海を望む②

こちらは天守から瀬戸内海を見た様子。次に来るならここ松山市と広島県呉市を最短70分で結ぶ高速船スーパージェットに乗るのも良いししまなみ海道を車で渡るのも悪くない。いやフェリーで3時間弱かけてバイクと一緒に渡るのだって大いにありだ。景色を見ながら知らぬ間にそんなことを考えていた。
(14) 伊予鉄すれ違い

松山城を後に市役所前駅に到着。先ほど降りた県庁前の一つ先にある駅だ。JR松山駅行の電車を待つ間に前方の右カーブで路面電車のすれ違いを撮影。カバー付きの台車はボディと同じラッピングが施されていて見栄えが良い。因みに3月からSuicaが使えるようになったそうでとても便利だった。
(15) 伊予鉄道モハ51号車

松山城をバックに道後温泉駅からやってきた車両は先ほどのモダン顔と違ってレトロな外観。車体番号は51、なんと伊予電最古参の車両とのこと。数年前に愛媛県のイメージキャラクター「みきゃん」色に塗られたままの姿だ。運転席を見なかったが古い車両なので速度計がないらしい。
(16) 運転席の位置

写真でも分かるが運転士が中央に座っている。鉄道車両の運転席は信号が線路の左側に立っている関係から殆ど左側にある。ところが路面電車の場合、最前部に乗客の乗り降りする扉があるため運転席が邪魔にならないよう中央に配置しているらしい。知らなかったことが分かるのも旅の面白さの一つだ。
(17) レトロな車内

いかにも愛媛な吊り革上のミカン。板張りの床や壁、木の窓枠や天井などまるで走るアンティーク家具のようだ。車内にはワックスの香りが漂う。駅を出る度に吊り掛けモーターの唸り声が床下から聞こえてきたり降車ボタンを押すとチンチン電車のイメージどおりベルがチンと鳴ったりするのが堪らなく良い。
(18) 予土線「鬼列車」

JR松山駅で予讃線の列車を待つ間派手な車両がやってきた。沿線の鬼北町とJR四国が予土線の利用促進を目的に観光列車として運行している鬼列車だそうた。予土線では他にトロッコ列車やホビートレイン、前回紹介したカッパうようよ号などユニークな列車が揃っている。
(19) 予讃線特急「いしづち」

高松行特急いしづちの入線。流線型の先頭車両が目をひくJR四国の8000系。日頃見慣れたJR東日本の車両とはデザインもインテリアも違っている。お国柄と言えば良いのだろうか、地域によって車両も駅の作りも駅前の雰囲気も違う。残念だったのがJR松山駅では駅弁を売っていなかったこと。
(20) 振り出しに戻る

予定どおり高松着。2泊3日で振り出し駅に戻ったことになる。再会したイカつい顔の快速マリンライナーも見納めだ。駅のカフェで一休みして空港行きのバスを待つこと暫し…夕方のフライトだけあって空港へ向かう人も多い。バス会社も3台のバスを配車したので待つことなく定時に空港に到着。
高松空港から帰りのフライトは実にスムーズ、夕闇迫る湾岸を空から眺めつつ無事羽田空港に着陸した。僅か2泊3日だったが四国の魅力にすっかり塡った感がある。実はついさっきまでお邪魔していた松山市は成長可能性の高い都市全国第四位だと知った。街に活気を感じたのも間違いではなさそうだ。
行ってみたい観光地ランキングでは21位の香川県が四国勢トップだが地元ならではの美味しい食べ物がある観光地では香川県が5位で高知が8位と大健闘。恐らく讃岐うどんと鰹のたたきか…どちらも納得の美味しさだった。今回訪れる機会のなかった徳島県は次回バイクで上陸するまでしばしお預けだ。
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