日米スニーカー対決(日本) | Room Style Store

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2024/07/14 07:11


前回の日米スニーカー対決(米国編)ではスロ―ファッションの考えの下流行に左右されないタイムレスなデザインや上質な作り、リペアを施しながら長きに渡って履き続けられるスニーカーを作るOpie Wayの製品を紹介したが、今回はその続編としてメイドインジャパンのスニーカーにスポットを当ててみたい。

日本のスニーカーといえば海外でも人気の高いオニツカタイガーが思い浮かぶ。値は張るが日本製のオニツカもある。Opie Way同様ソールの張替が効くタイプを手掛ける国産ブランドもある。ただ今回は先攻の米国サイドがコットンのクラシックなコンバースタイプだっただけによく似たデザインで比較したい。

そこで白羽の矢が当たったのがコンバースジャパンが手掛ける日本製オールスターというわけだ。早速詳しく見てみたい。

※扉写真はレトロな銀色の復刻靴箱

(1) ムーンスター
取り寄せたのはオールスターJ80s。写真のローカットは直営店限定品とのこと。この日本企画コンバースは伊藤忠商事と月星化成(現ムーンスター)の共同出資であるコンバースフットウェアの展開品。ムーンスターはコンバースの肝、ヴァルカナイズド製法を自社ラインにもつ数少ない会社だ。

(2) ネイビー
ビームス別注のチャコールとネイビーにグリーンの3色が選べるがビームスVerは早々と完売、先攻のOpie Wayに対抗すべくネイビーをチョイスした。通常のコンバースと違い80年代のアーカイブから復刻したディテールで数量限定となれば「コレクションの中でも特別」と公式サイトで謳うだけのことはある。

(3) 注意書き
付属の注意書きは雨や足蒸れで靴下に色移りすることへの注意喚起か。生成りのアッパーなら色落ちの心配も無いだろうな…と思ったらなんとホワイトが新色で発売されていた。ただしハイカットのみらしい、やれやれ。因みにコンバースの人気色はベージュ系で次がブラック系、ネイビーはその後とのこと。

(4) 替え紐
コットンのシューレースの他にストレッチ機能のあるポリエステルのシューレースも付属している。写真はポリエステルのシューレースをスニーカー結びと称される(公式サイトより)オーバーラップで結んだ写真。歩く度に靴紐が適度に伸びることで甲の浮きを過度に妨げず快適な履き心地になるらしい。

(5) CT70との比較
コンバース通なら親会社ナイキが展開する本家コンバースCT70も気になるはず。だが日本では販売権をもつ伊藤忠商事により偽物扱いとなるため入手困難、裁判も起きている。排他ではなくCT70の輸入代理店として双方を扱えば良いのにと思う。よもや日本展開ものが売れなくなる訳でもあるまい。

(8) 紐を外した状態
本家との比較。左がJ80s(日本製9.5)で右がCT70(ベトナム製8.0)。アイレット数の違いは8.5を境に7つに増えるため。どちらもよく似た顔つきで復刻コンバースには欠かせないつま先両側の当て布も標準装備。本物の80年代アメリカ製オールスターは高値だが復刻版ならどちらも1万円台で買えるのが嬉しい。

(9) つま先
J80s(左)もCT70(右)もOpie Wayのようなリソールは不可能。だがサスティナブルな時代の要請に合わせて日本展開ものについてはヒールロゴの張替やソールの減り部分補修、エッジ部分のアッパーの剥離補修などリペアメニューが充実している。ただしCT70は当然ながら受けられないが…。

(10) 日本製コンバースの弱点
こちらは通常の日本製オールスターOX。当て布がないこともあって力の掛かる足先内側のエッジがアッパーから剥がれ亀裂も生じている。履き方にもよろうが日本製のコンバースなら耐久性も高いと勘違いしがちだ。サイズ9.5でも9.0でも同じ場所に同じ亀裂が生ずるのでここは日本製コンバースの弱点だろう。

(11) CT70の一手間
一方こちらは(10)の日本製オールスターより早く履き始めたナイキ傘下のCT70。白矢印が示すエッジにはアッパーの切り返しが入る。これによりエッジとの密着性が高まり剥がれは皆無、当て布の効果もあって亀裂も生じない。日本人に合う日本製のオールスターと言われるがCT70の品質は一枚上手か…。

(12) 当て布(外側)
レトロ顔なJ80sの当て布は2022年に発売された「チャックテイラーキャンバスOX」でも装着済み。手慣れたものだろう。因みに写真は左がJ80sで右がCT70。力の掛かる足の外側のせいか日本製は大きめの当て布になっている。タン端のかがり縫いはV字のJ80sとハシゴ状のCT70とそれぞれ異なる。

(13) 当て布(内側)
足内側の当て布はJ80sもCT70も縫い代を多めにとらず端に近いところを縫っている。仕上がりはJ80sのほうが断然綺麗だ。CT70ではまだ履いていないのに初めから裏地が剥がれかけている。(11)でCT70の作りを褒めたばかりだが細かな部分にをみると丁寧な作りの日本製というイメージが浮かぶ。

(14) つま先の補強テープ
サイドステッチ外と内で比較した写真。80年代のアメリカ製コンバースは個体差が大きかったらしくJ80sは大き目、CT70はやや小ぶりなステッチを再現している。つま先補強のゴムテープはJ80sが90年代のアメリカ製とよく似た上端に被さるタイプで段差が付くのに対してCT70は面一(ツライチ)で仕上げている。

(15) ヒールラベル
ヒールラベルはCT70が黒字に白星3つが横に並ぶ"三ツ星"と呼ばれるタイプ。J80sではラベルが白に替わりデザインも刷新、"一つ星"になっている。どちらも年代考証に基づいたもの。踵の補強はCT70が90年代にもみられる共布仕様なのに対してJ80sはビンテージコンバースにみられる同色テープ素材を使っている。

(15) 日米揃い踏み
いよいよ日米ローカットスニーカーの顔合わせ。ナイキもニューバランスも良いがやはりレトロの顔立ちのスニーカーは別格。Opie Wayはコンフォートな時代に相応しい内振りラストやアーチサポートが一目で分かる。一方国産のコンバースJ80sはシュッと伸びたスマートなシルエットがアイコンだ。

(16) 日米対決(外観)
ホワイトオークのレガシーを引き継いだインディゴデニムのOpie Wayと100年以上変わらぬコットンキャンバスのオールスターをサイドバイサイドで…。ハーフサイズ大きいオールスターの履き口が殊の外小さいのに目が行く。素足に履くとタンが足首に擦れてこれがけっこう痛くなったりする。

(17) 先攻Opie-Way(ベアフット)
まずはOpie Wayをベアフットで試す。実際はスニーカーソックスを履いているが靴紐をしっかり結ぶとタンが結構足首に当たる。素足と合わせるなら緩めに結んだ方が良さそうだ。人の足型をデータ化しフィット感を高めた最新の木型だけにアッパーに余分な皺は見当たらず足に合っているようだ。

(18) Opie-Way(レトロソックス)
こちらはレトロソックス(アメリカントレンチ)と合わせたところ。厚手のソックスだけによりフィット感が高まる。裏地が貼られてはいるがミディアムオンスのデニムはコンバースのキャンバス地より当たりはソフト、それでいて"やわ"な印象はない。因みに履いているのはホワイトオークのセルビッジデニムだ。

(19) 後攻J80(ベアフット)
後攻のJ80sをスニーカーソックスで履いた図。ハーフサイズ大きめとはいえアッパーが波打っているのが分かる。「靴が大きいですね」と言われそうだがハーフサイズ下げると足先が窮屈に感じてしまうのだから仕方ない。幅の狭いコンバースはサイズ選びが意外と難しい…という声も多いようだ。

(20) J80(レトロソックス)
こちらは厚手のソックスを履いたところ。足首上まで延びるタンもソックスを履いていれば当たりを気にせず履ける。もう少し靴紐をしっかり結べば見た目もぐんとアップするだろう。因みに履いているのは日本製のコンバースに合わせて国産のセルビッジデニムを用いたワークパンツ。

コンバースに代表されるレトロタイプのスニーカーは今も昔も根強い人気を誇る。その理由として①トレンドに左右されない定番であること②ハイカットとローカットに加え色柄が豊富なこと③デニムからチノ、スラックスまで合うデザインの3点が挙げられている。コンバースの色バリは確かに魅力的、Opie Wayも様々な素材を使い新色を登場させている。

肝心のスニーカー日米対決編だが米国発Opie Wayは素材と製法にフィット部門で3点満点をマーク、デザインと価格が各々2点の合計13点だった。一方日本発コンバースJ80sは素材と製法にフィットがそれぞれ2点でデザインと価格が共に3点満点。合計は12点だった。結果は米国Opie Wayの勝ちだがオールソールが不可能なコンバースとしては大健闘だろう。

もし日本発J80sがアーカイブ譲りのレトロ顔にハイテクインソールを装着するなどフィット感を高めたりカーハートとコラボしたダック地モデルなど発売すれば勝負は互角になったかもしれない。長らく続いたスニーカーブームも昨年終焉を迎えた…と言われるがクラシックスニーカーはブームと関係なし、常に健在だ。

By Jun@Room Style Store