Vintage Roomの開設準備 | Room Style Store

Blog

2024/08/05 05:27


このところ時間を見つけては秋に向けて開設準備を進めているVintage Room用の商品撮影に時間を割いていた。アメリカ製のドレスクロージングやデニム、クラシコイタリア初期の作品や英国製のスーツにレザーグッズなどなど。あまり中古市場で見かけないものを中心に商品構成を…と考えているところだ。

気になる値付けだが例えばVintage Roomの目玉の一つであるヘビーツイードのポロコートはカタログによれば1981年に発売されたものらしい。ビンテージラルフを扱う@vintageprl(インスタグラム)では5回販売されたが全てソールドアウト。その希少性とともにアメリカ国内の取引価格は毎回上昇している。

そこで今回は@vintageprlとやりとりしつつ判明したことを含めて商品を紹介してみようと思う。

※扉写真は1994年F/Wコレクションのツイードスーツ

【ポロラルフローレン】
(1) ツイードポロコート
冒頭で述べたVintage Roomの目玉商品の一つがこちらのツイードポロコート。発売以来何度か再販された可能性は残るものの市場に出回る玉数は圧倒的に少ない。90年代に重衣料の多くがイタリア製にシフトしていることもあってメイドインUSAのポロラルフローレン自体個体数が減ってきている。

【参考資料①】
@vintageprlのポストから。81年秋冬物のカタログに初登場したこのコート、素材はドネガルヘリンボーンらしい。ユーザーはポロコレクターとして有名なマッキントッシュ氏。1980年代以来の顧客とのこと。因みに初めてのポロは12歳の時にプレゼントされた柄物のBDシャツだったとか。

(2) ドネガルヘリンボーン
現行のコート用ドネガルヘリンボーンツイードは22/23oz(650~670g/m)くらいある。以前も書いたがダブル幅で作ると6㍍必要として0.65×6=3.9㎏もの重さになる。にもかかわらず@vintageprlでは毎回すぐに売り切れになる。多分熱烈なラルフファンが入荷を待っているのだろう。

【ブルックスブラザーズ】
(3) スペシャルオーダー
さて一旦ラルフから離れて旧ブルックスブラザーズのスペシャルオーダー品を紹介。MAKERSのタグが付く上級ラインはマーチングリーンフィールドが縫製を担当。オーダー年は1985年と今から40年前のものだ。サックスタイルが主流のブルックスブラザーズとかけ離れたデザインはほぼMTMに近い。

(4) ナチュラルショルダー
ワイドなラペルやチェンジポケットにサイドベンツ、胴絞りの強いラインと2つボタンの身頃は英国調だが肩先はアメトラなナチュラルショルダーというところにブルックスブラザーズの矜持を感じる。サックスーツ命のブルックス愛好家なら「こんなものがあったのか」とさぞ驚くに違いない。

【ポロラルフローレン】
(5) ツイードスーツ
再びポロラルフローレンのビンテージに戻ってお次は94年F/Wからツイードのスーツ。@vintageprlオーナーのマッキントッシュ氏に写真を送ったところ「こんなの見たことないよ…中古なら前のオーナーがボタンを付け足した可能性もあるけど…新品で買ったの?」と驚いていた。

(6) 5ボタンフロント
さらにマッキントッシュ氏とは「4つボタンならみたこともあるけれど…」或いは「ヘリンボーンのジャケットは定番だけどスーツとなると珍しいね〜」などあれこれやりとりした。実はポロショップに並ぶ商品は数量限定のものが結構多い。一度買い逃すと中々手に入らないものばかりだ。

【ポロラルフローレン】
(7) ブルーミングテールズ別注
続けてポロラルフローレンのビンテージものから今度はジャケットの紹介。生地はまたもやヘリンボーン…Mr.ローレンの杉綾織への愛は本物だ。段返りの3つボタンに3パッチポケットやナチュラルショルダーはアメトラ風、胴絞りや袖先の4つボタンはブリトラ風とラルフお得意の折衷スタイル。

(8) 別注もの
ラルフローレンのジャケットは既成ながら切羽を残しているものが多い。ちょっとしたリフォームで本開きも可能だ。肝心のヘリンボーンツイードだが遠目には茶系に見えて実はオリーブやラストなど複雑にミックスされている。ブルーミングテールズのタグが付く別注品だ。

【参考資料②】
〜@acutestyleより〜
こちらはスタイリッシュな@acutestyleさんのインスタグラムアカウントから。多分(7)で紹介したのと同じジャケットを着ている。登場するウェアの多くがポロラルフローレンなのでひょっとしてポロショップの店員かもしれない。ウェルドレッサーとして大いに参考になる。

【サルトリアアットリーニ】
(9) スーパー120s
アメリカのビンテージものから一転、日本のメンズ服飾界を席巻した90年代のクラシコイタリアに目を転じてみる。こちらはキトンを上回るハンド率のサルトリアアットリーニ。経営が傾きサルトリオを手放したりチェザーレアットリーに改名したりするより前の野心溢れていた頃のものだ。

(10) ナポリ風
ラペル周辺や身頃のダーツ、袖付や肩線、背中心にボタンホールなど手仕事が際立つ。一方生地はイタリアものには珍しい超コンサバなダークグレーのSuper120sを採用。伊勢丹絡みのバーニーズ時代はセレクションが秀逸だ。残念ながら本国のバーニーズNYは破産して日本の新宿店も随分前に閉店した。

【アントニオ•ラ•ピニョッラ】
(11) 手縫いスーツ
同じくバーニーズジャパンがセレクトしたナポリのサルト、アントニオ•ラ•ピニョッラの逸品。シャークスキンのスーツはファクトリーを持たない仕立て屋が本気で作った手縫いの既製服になる。クオリティでいえばチェスターバリーなど最高ランクのナンバー6を上回るナンバー7レベルだ。

(12) ダブルステッチのラペル
ラペルのダブルステッチはナポリ仕立てならでは。後身頃は本来背中心でパーツを繋ぐ2ピース構造を一枚の布で中心線を摘み縫いしながら立体的に仕上げている。手持ちの既製服の中では一味も二味も違う仕様が興味深い。写真のラペル第一ボタンホールも馴染みのテーラー同様、表裏両側から縫っている。

【ブルックスブラザーズ】
(13) ゴールデンフリース
こちらは1997年のブルックスブラザーズから。ロロピアーナの生地を纏ったゴールデンフリースタグのブレザーはダーツありの2ツボタン。最近は英国製生地が話題だが当時はイタリア生地がブーム。ブルックスはもちろんJ.プレス上級のプレジデンシャルモデルでもロロピアーナを採用していた。

(14) マーチングリンフィールド
(3) のスペシャルオーダーものと同じくマーチングリーンフィールドによる縫製。上襟の裏側に走るステッチからそれとなく判別できる。ボタンはJ.プレスなどアメトラなブレザーに欠かせないウォーターバリー社製を採用。自社工場だったサウスウィックとは作りが別物だった。

【ポロラルフローレン】
(15) ポロコート
こちらはビンテージものではないが@vintageprlでも毎回ソールドアウトな復刻アメリカ製ポロコート。コロナ前の2019年F/Wコレクションで再登場した。生地は名門ジョシュアエリスの100%キャメルヘア、打ち込みが厚く柔らかな手触りはサビルロウのテイラーが顧客に勧めるクラスだ。

(16) アイコニックなデザイン
ピークが肩線を超えるほどそそり立つドラマチックな段返りのラペルがポロのポロコートを特別な存在に押し上げている。発売以来イタリア製やスロバキア製など紆余曲折があったが、久々のアメリカ製ということで古着市場でも一際価値が高い。縫製はヒッキーフリーマン(ロチェスタークロージング)が担当している。

【パープルレーベル】
(17) ストライプスーツ
ラルフローレンのパープルレーベルがローンチされた当時、衝撃的だったのがサビルロウ顔負けのテイラードもの。従来のアングロアメリカンから一段と英国寄りに振ったスーツはブロードショルダーやチェンジポケットの身頃、小丸と呼ばれるスクエアに近いフロントカットが新鮮だった。

(18) チェスターバリー
縫製はチェスターバリー。イタリアのセントアンドリュースと共にナンバー6の最高ランクに位置する名門だ。生地も恐らくは英国製、カシミアを2%加えて柔らかな質感を出してる。身頃や袖にカゼインボタンを採用するなど細部に至るまでサビルロウを意識した仕上がりが特徴。

【ブルックスブラザーズ】
(19) ピール&コー
お次はビンテージ靴から。1990年代のセミブローグはピール&コーとブルックスブラザーズのダブルネーム。名前は一切出ていないが製造はエドワードグリーンが担当のトリプルネームものだ。初めてブルックスブラザーズの本店を訪れた時も靴コーナーの奥で一際輝いていたことを覚えている。

(20) エドワードグリーン製
90年代中頃、ブルックスブラザーズはピールの製造委託をエルメスに買収されたエドワードグリーンからクロケットジョーンズにシフトしたが2010年代には再びエドワードグリーンを取り扱うなど贔屓にしていたようだ。残念ながらコロナで経営破綻後に再建された本国サイトに英国靴は見当たらない。

【リーバイス502XX】
(21) 502ビッグE デッド
ここからはカジュアルの本命デニムを紹介。写真の66前期ビッグEリーバイス502は日本向けに洗いをかけたものを堀越商会がアメリカから正規輸入した逸品。フラッシャーのシールにはプリシュランクの文字と日本語で「あなたにフィットするサイズをお選びください」とある。

(22) 正規輸入品
製造年は内タグがないので正確でないが1971年に本国で502の生産が終了、赤タブの表記もビッグEからスモールeに変更されている。そう考えると1971年頃のものだろうか。発売から50年以上が経過、フラッシャーやギャランティに付属のシールまで完璧に揃ったデッド品は歴史的な価値がある。

(23) 502スモールeデッド
こちらは同じ502ながらスモールeの赤タプ。73年からは内タグになるが見られないことから1972年製と思われる。米国製のシールが剥がれているがフラッシャーとギャランティは完璧、50年以上前の製品をこうして当時のままの状態で見ることができるのも所有する喜びの一つといえる。

(24) ワンウォッシュ
66前期のリーバイスは天然インディゴによる染めが行われているため色落ちがよく501のエキスパートからは「綺麗な縦落ち」になると言われている。一方同じ66モデルでも硫化染料を使い始めた1978〜1981の後期モデルは色落ちが「均一でのっぺりとした雰囲気」なのだそうだ。

【リーバイス501】
(25) 80年代赤耳
こちらは1983年の501。66後期を引き継いだ「赤耳」と呼ばれるセルビッジデニム最終モデルになる。1982年設立のリーバイスジャパンの初期輸入品としてフラッシャーやギャランティに日本サイドで付けた小ぶりなリーフレットやサイズタグなど全て揃った貴重な資料といえる。

(26) ゴールデンサイズ
サイズはW34-L36(左)とW31-L36(右)の2本。ウエストは32〜34、レングスは30〜32インチがゴールデンサイズらしい。ウエストは結構いい線だが股下が長いか。とはいえ洗濯後は3インチほど縮むことを考えるとそのまま履くのもありだろう。因みに昔はジーンズは裾を直して履くものと言われていた。

今回紹介したものの他にもブルックスツイードのジャケットやポロラルフローレンのチョークストライプスーツなどが出番を待っている。ビンテージラルフローレンの人気が高いアメリカからの問い合わせもちらほら…ポロコートやツイードジャケットなど古典ものは根強い人気がある。

今後は海外からのショッピングにも対応すべくAIの力を借りて英語の商品説明を加えようか、あるいは価格はドルで表示した方が良いだろうか…などあれこれ思案中だが、なんとここで円安傾向が反転し始めているようだ。年末には1㌦=130円が視野に入ってくるとの見立ても出てきた。

掲載は有料サイトになるだろうがブログを通じて定期的にアナウンスしていきたいと考えている。

By Jun@Room Style Store