2025/05/31 14:05

昔は都心の買い物は勿論、国内旅行や長期の海外旅行にだって革靴を履いて出かけたものだ。誂え行脚でナポリのシャツ屋からロンドンのテーラーまで回るようになると特に身嗜みに気を使い、良い革靴で訪問するのが常になっていた。とはいえ物事に潮目はつきもの、誂え熱がひと段落すると革靴の出番は減り、スニーカーが日常になっていた。
AIに「なぜ革靴の代わりにスニーカーを履く人が増えてきているのか?」聞いたところ「快適さや汎用性、実用性に優れており、特に最近のアクティブなライフスタイルやカジュアルな服装にフィットするため」と回答。さらに「より軽くより柔軟な感触を提供するよう設計されており、日常着として好まれる傾向にある」と付け足してくれた。
そこで今回は断捨離後、新たに揃えたスニーカーを紹介しつつ今の気分を分析してみようと思う。
※扉写真は出番を待つスニーカー
【ナイキコルテッツ】
(1) まとめ買い

今年のGWは珍しく信州へは行かず都内で過ごした。散財せずに済んだとか思いきやナイキのスニーカーをまとめ買いという結末。どこかへ行こうが行くまいがこの時期はお金を使うらしい。AIは消費者がスニーカーを好む理由の一つに「素材の進化=ハイテク化」を挙げているが自分はレトロタイプをチョイス。
(2) 靴下と色合わせ①

今までコルテッツといえば「ナイロンが一番」と思ってきたが今回は初のスエード。それも好みのグリーン系だ。レザーシューズだと黒や茶が多く、せいぜいバーガンディやネイビーどまりだったがスニーカーとなると話は別。新色スニーカーに合わせてアメリカントレンチのレトロストライプ緑&青をイン。
(3) パシフィックモス

ピスタチオかと思ったら外箱にはパシフィックモスと書かれている。モスのスペルはMOSS…日本でもお馴染みの「苔」だそうな。確かに京都の苔寺を思い出す。1972年に発売されたコルテッツは1990年代にブームとなり最近再び人気らしい。公式オンラインショップでも多色展開されている。
(4) ソックスと色合わせ②

2足目は赤茶のスエード。少々赤みがかっているが結構好きな色目だ。アメリカントレンチのソックスから合いそうなクリムゾンとレッドのレトロストライプに交換。スエード素材はナイロンコルテッツより重いがそれでも革靴よりは断然軽快。コッペパン状のつま先はかなり余裕がある。
(5) ダークラセット

箱のシールを読むと色はダークラセット、よく似た色で一段明るいものはテラコッタと呼ばれる…とは女性雑誌からの情報。AIによればラセットブラウンは2025年秋冬のトレンドカラーの一つだそうな。因みに今年の秋冬は他に青みがかった緑や珈琲のような色合いの濃い茶、濃いグレーなどが挙げられていた。
(6) ソックスと色合わせ③

3足目は元祖ナイロンアッパーのコルテッツが登場。以前購入したものと全く同じ配色のリバイバルカラーだ。もう随分前に断捨離したが同じカラーリングで再販されると懐かしさのあまりつい手を出してしまう。ナイキ公式ショップではGWスペシャルオファーで完売したようだが他店で購入。
(7) バルティックブルー

箱のシールを読むと色はバルティックブルー。コバルトブルーより少し暗めの色なはずだがナイキはかなり明るい。品番のコルテッツに続くTXTとはテキスタイルの略語、ファッションシーンに合わせたカラーリングが特徴とのこと。他にもグリーンにイエローなんて気になる配色もあった(売り切れ)ようだ。
(9) ソックス

コルテッツに合わせたアメリカントレンチのソックス。上野のヤヨイで購入したものだが当時より円安のせいか追加が入った形跡は無し。AIによるとこの手のストライプソックスはレトロテイストに加えて機能性やデザイン性も高く、ランニングはもとよりファッションアイテムとしても根強い人気があるそうだ。
【コンバース】
(10) 日米対決

(11) VTG 57 OX

タイムラインという名のコンバースジャパン限定企画ものからビンテージ57モデルが発売。キャンバス地は日本製の「富士金梅」を使用、当て布やヒールラベルなど1950年代のディテールを再現している。もう少し生成り色かと思ったら綺麗なホワイト、どうやら日本の国旗をイメージしたらしい。
(12) 日本展開

最初に目が行く箱の外観。アーカイブを参考にしたのか如何にも昔風。一方で既に完売の80年代復刻モデルに付属していた伸縮性のある替靴紐がないのは残念。個人的には日本企画のレギュラーコンバースは耐久性が低いのが課題だと思う。そのせいか値が張っても最近は限定品を買うことにしている。
【参考資料1】

上は当て布のないタイプ。ただし履き心地を改良したリアクトのオールスターだ。下は当て布が標準装備のアメリカ企画CT70。日本企画は赤丸をした部分のサイドウォールがすぐに裂ける。しかもサイズを変えても毎回同じ場所が傷んでくる。日本企画オールスターのウィークポイントと言えよう。
(12) CT70 HIGH

さてこちらはアメリカはナイキ傘下のコンバースが展開するレギュラーラインのCT70。日本と違ってレギュラーラインでも当て布が付いているので耐久性は日本ものより期待できる。写真で見ると目立たないがつま先のキャップ部分はアメリカ展開ものの方が小ぶり。見た目はかなりシャープな印象だ。
(13) パーソナルオーダー

アメリカ企画のハイカットは写真でも分かるとおり内踝の円形パッチが変更されていてる。デザインはイマイチとの評判だ。ただし履き心地はナイキ傘下らしいハイテクインソールの装着ですこぶる評判良し。なんとアメリカ本国ではオンラインでデニム地のCT70もオーダーできるらしい。
【WAKOUWA】
(14) アナトミカ

続いての紹介もレトロなキャンバスオックスフォード。元祖スペリートップサイダーをと思ったがバナナシェイプで快適な履き心地のアナトミカを追加してみた。ただしトップサイダーのリーズナブルな8800円に対してワクワは2倍の20900円。それでも色目に惹かれてつい手を出してしまう。
(15) シトラスカラー

夏らしい柑橘系の未使用ワクワ。今年はいよいよ履き下ろしか。オーソペディックなシェイプにドイツ製ラテックスソールの採用で履き心地はハイテクスニーカーに引けを取らない。モディファイドオールデンを別注し続けるアナトミカのオーナー、ピエールフルニエのフィッティング感が反映されたスニーカーだ。
(16) 台湾製

ポロラルフローレンのキャンバススニーカーを請け負っていた台湾のファクトリーによるものだろうか。箱のラベルから2021年モデルだと分かる。ワクワの初期は日本製だったらしい。ネット上ではスニーカー版オールデンと称している。パリ店でピエール氏は「足の指が開くこと」が理想だと語っていた。
(17) フェイデッドブルー

今回新たに加わったのがフェイデッドブルーのキャンバスオックスフォード。夏を意識して白のチノパンに淡いブルーのアーガイルソックスを合わせてみた。涼しげに見えるが日本の夏にはローファーソックスと短パンの方が良いかもしれない。先に購入したオレンジバージョンとはソールの仕様が違っている。
【参考資料2】

左は2021年台湾製オレンジ。右が2024年インドネシア製ブルーワ。ファクトリーを変えたようだがソールの仕上がりは台湾時代の方が丁寧な印象を受ける。実はサイズも今回の方がハーフサイズ小さい。革靴と違い履くうちに馴染むということのないスニーカーはサイズ選びがいつも微妙だ。
(18) オーナーのお気に入り

ワクワの開発にあたってはアナトミカのオーナーピエールフルニエ氏がスペリーキャンバスオックスフォードを気に入っていたことがきっかけだとか。確かに内羽根のスニーカーなんて他にはない。レザーシューズでいえば最もフォーマルなプレーントウオックスフォードの黒ということになる。
【NEW BALANCE】
(19) 古参スニーカー

さて最後は手元に残る2足のニューバランスを紹介。左のM576はイギリス製、右のM996はアメリカ製。ニューバランスではクラシックな部類らしく最近はより進化したモデルが次々と出てきている。来年夏のボストン旅行では地元のニューバランスファクトリーストアをぜひ訪れてみたい。
(20) USAもの

パッと見は加水分解はなし。購入時と同じ淡いペパーミントグリーンの色を保つのは結構気を使う。本来はガンガン履くのがスニーカーなのに…とも思うがせっかくならお洒落に履きたいと思うのも本音。インディゴデニムのヘムが掠れるだけで色移りしてしまうので合わせるパンツも淡色限定だ。
(21) UKもの

こちらはレザーの英国製のM576。夏にはやや重い色目だが淡いパンツとならなんとか行けそうだ。敢えていうなら手持ちの革靴と色が似過ぎている。それが仇となったのだろう履く機会も結局少ないまま。もしスニーカーを買うなら思い切って革靴にはない色目や普段履かない色を選んだ方が良いかしれない。
(22) 宿命

U字型のヒールスタビライザーは加水分解でひび割れが発生。ところが公式リペアによると英国製M576は純正パーツがない為修理を受け付けないそうだ。スニーカー補修ショップではスタビライザーをレザーに変えて補修しているらしい。この後リペアを施す予定だが結果はまたの機会に当ブログで紹介したい。
以前スニーカーの起源は英国にありと書いたがAIによればスニーカーは「アメリカから始まり大衆トレンドとして人気を博し、その後世界的、特にヨーロッパに広がった」とのこと。「1917年に発売されたコンバースチャックテイラーはスニーカーの人気を高める重要な一歩だった」と具体名を挙げている。
更に「スニーカーを世に広めたのは誰?」とAIに問うとナイキが挙がった。特に「1985年に発売されたナイキのエアジョーダン1は大衆文化におけるスニーカーの地位を固める重要なピース」とのこと。今回コンバースやナイキを選んだのはそうしたスニーカーの歴史をリスペクトしてのことかもしれない。
By Jun@ Room Style Store