2025/06/15 01:39

久々にラルフローレン原宿で買い物をした。最近は専ら春夏と秋冬の年2回だが欠かしたことはない。表参道の喧騒を逃れて店内を奥へ進むと世界がガラリと変わる。そこがお目当てのRRL売り場だ。見事な着こなしのスタッフと店内を回って買い物するのはいつ来ても楽しいもの、ネットショッピングでは決して味わえない。
その公式サイトだがリニューアル後はどうも使い辛い。以前は「米国製」と入力すると何点かヒットしたのに今回は「該当する商品が見当たりません」と出てしまう。そこで「アメリカ製」とワードを替えたら出てきたのは米国旗のタオル…ならば最終手段”Made in USA”と入力するとマドラス:Madrasがヒットというオチだった。
ともあれスタッフにあれこれ聞きながらアメリカ製RRLを含め手に入れた春夏ものを紹介しようと思う。
※扉写真は手に入れた今季春夏もの
【マグカップ】
(1) プレセール商品

ここ何シーズンか定価販売だったマグカップも今シーズンは皿と共にセールになっている。ふと定価を見ると以前と変わらず据え置きのまま…中国製ならば今回の米中相互関税の影響で値段が上がっていてもおかしくないだろうに…ひょっとしてアメリカを経由せず日本へ直接入ってきてるのか。
(2) イラスト

毎回楽しみなのがカップに描かれたイラスト。滑車付きのウエスタンブーツやテンガロンハットにバンダナ…何より芸が細かいのがデニムのバックポケットステッチがRRLになっているところ。1993年の創業から既に30年が過ぎているのにブランドイメージは今も変わらず揺るぎない。
(3) ストーンウェア

以前も書いたが写真のように表面がひび割れて見える焼き物はストーンウェアと呼ばれる。AIによると陶器と磁器の中間的な性質をもつ陶磁器の一種、日本では炉器(せっき)として古墳時代に朝鮮半島より導入されたとされる。日本では備前、信楽、瀬戸といった六古窯で盛んに作られているようだ。
(4) ウィングドロゴ

こちらはもう一点のマグカップ。今季もののようで公式オンラインショップにも掲載されている。モーターサイクルロゴとよく似ているが商品名はウィングドロゴマグだそうな。公式サイトでは「電子レンジでの使用禁止」とあるが冷めたコーヒーを温め直すのにレンジを使えないのが少々残念だ。
(5) マグカップ比べ

ここでマグカップ比べ。昔からラルフローレンのテーブルウェアが好きだったこともありマグカップも少しずつコレクションしてきた。中央がRRLで左はポロクレストに右がハンプトンフローラル…どちらも英国製のウェッジウッド別注だ。素朴なRRLと比べ80〜90年代のラルフらしい英国の影響が感じられる。
【キャップ】
(6) トラッカーキャップ

お次は春夏もののコットンツイルトラッカーキャップ。ポロラルフローレンのキャップと比べてバイザーが長いのがRRLの特徴、色目はブルーグリーンとでもいえば良いだろうか、ありそうで中々ない色だ。他にホワイトもセールになっていたが額の汗が染みになりやすいので濃い目をチョイス。
(7) 店内での色目

実は店内での色目は上の写真のように爽やかなライトブルーに見えたのに実際は(6)の写真のようにずいぶん違っていた。ネクタイを買う時にあるあるな錯覚だ。昔は店員さんが一緒に昼間なら外へ出て色を確かめたり、夜ならば白色灯の下で色目を確認したりしてくれたことをふと思い出した。
(9) 春夏仕様

後ろ2/3がメッシュ仕様のキャップ。オールコットンツイルのキャップと比べて清涼感が違う。「通気性の高さ」も「頭の蒸れにくさ」も文句なし、湿度の高い日本でもこれなら合格だ。因みに先述したバイザーの長さだが顔の輪郭に合わせると良いとのこと。縦長の顔には長めのバイザーが良いらしい。
(10) ロゴ

毎年定番のロゴ付キャップ。ネットでは「ロゴは付いていないか、あっても小さい」キャップを勧める。ところがAIに聞いてみると「大きめなロゴにも利点がある」そうで「インパクトがある」ことや「存在感をアピールできる」ことを具体的に挙げていた。RRLファンとしてはもっと凝っていても良いくらいだ。
【アメリカ製デニム】
(11) フロント

店員さんが探してくれたアメリカ製のデニム。今季ものでセールになっているのはこれだけらしい。RRLお得意のユーズド加工にリペア加工を加えた究極のビンテージレプリカ、しかもワークウェア風リラックスフィット、これは買わない手はない。赤耳ではないが日本製のセルビッジデニムを使用しているとのこと。
(12) バック

腰回りにリペア加工を施したバックスタイル。英国スタイルに憧れていた頃はフォワードの2プリーツこそパンツの王道、チノパンでさえプリーツ入りを探していた。美脚パンツのヤコブコーエンやインコテックスに凝ったこともある。最近は歳を取ったせいだろうかこんなゆったりとしたワークパンツが気分だ。
(13) リペア加工①

なんと裏表合わせて13か所もリペア加工の入る作り。手間暇のかかるリペア加工だけに当然ながら価格もデニムの中で一番値の張る86900円‼︎。ブルックスブラザーズあたりのネイビーブレザーとオックスフォードBDシャツにキャップを被りリペアデニムとコンバースを履くのが今の気分だ。
(14) リペア加工②

シグネチャーボタンと呼ばれる刻印付のボタンフライやコッパーリベットなど手抜きなしがRRLの真骨頂。無造作に見えるリペア加工も個体差が出ないよう当て布の大きさから縫う範囲、ミシン縫いを折り返す位置まで細かく規定されているに違いない。こればっかりは手作業でなくてはできない仕様だ。
(15) バックポケット

バックポケットのステッチはRRL十八番となった投げ縄ループ、この意匠もすっかり定着したようだ。不思議なことにZOZOのRRLショップで「米国製」と入力すると素材がアメリカ製だったりと正確性には欠けるもののちゃんと何型かヒットした。検索条件の設定の違いなのかもしれない。
(16) セルビッジ

効率化のもとに消え去ったかに思えたセルビッジデニムだがよもや遠く離れた極東の地日本でシャトル織り機に天然藍染めのジャパンデニムとして復権しようとは発祥の地アメリカでも予想だにしなかっただろう。AIによればロープ染により時間の経過で美しく色落ちするのが大きな魅力の一つだとか。
【ワークパンツ】
(17) エンジニアフィット

ライトオンスのサンフォライズデニムで仕上げたパンツはミディアムライズのストレートフィット。如何にもワークウェア風だが履いてみると程よいストレートレッグで洒落たシルエットに仕上がっている。RRLのショップスタッフが自ら履いてアピールしてくれたのが購入の決め手となった。
(18) バックスタイル

左脚だけのツールポケットやスクエアなバックポケットに大ぶりなシンチバック、ウエスト部分にはサスペンダーボタンも付いている。如何にもワークパンツの顔立ちだ。ここは英国調の洒落たシルクバンドブレイシーズではなく無骨なフェルトバンドやレザーバンドのサスペンダーを合わせたいもの。
(19) フラッシャー

バックポケットに付くフラッシャーにも手抜きのないRRL。デザインチームはビンテージリーバイスはもとより数多のワークウェアをアーカイブとしてコレクションしているらしい。敢えてシンチバックの上から縫い付けられたバックポケットも「他とは一線を画すディテールへのこだわり」とAIは分析している。
(20) 90日縛り

前あきはRRLど定番のボタンフライ仕様。例によって最初の90日は洗濯しないことも推奨されている。その理由は①最初に自然な色落ちを最大限引き出す為②最初に糊が付いている状態でアタリを引き出す為だそうな。一方90日が過ぎたら定期的な水洗いで清潔さを保つ必要もあるとのこと。
(21) 春夏デニム

新たに加わったデニムパンツ。昔は世界200本限定のリミテッドエディションデニムもシーズン毎にリリースされていたのにどうも最近は縮小傾向にあるようだ。トランプ政権はアメリカの製造業の再興を目指しているがいっそのことリーバイスのアメリカ工場を実現させてくれないだろうか…。
ところでAIに「何故RRLは値段が高いのか?」と聞くと次の回答を得た。①高品質な素材の使用②プレミアムな製造工程③クラシックかつビンテージへのこだわり④品質とスタイルに対する高い評価④少量生産による希少性⑤手仕事にフォーカスしたものづくり…これらが価格に反映されているとのこと。
更にAIは「RRLは希少な素材や生産数の少なさから時間の経過とともに価値が高まる傾向がある。中でも限定品や特別なコレクションはその傾向が強い」そうだ。1993〜98年までのRRL第一期はサイズ感の問題等で一度撤退したが2001年の復帰後は絶えることなく続き来年四半世紀を迎える。
By Jun@Room Style Store