北海道バイク旅(第6回) | Room Style Store

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2025/10/19 21:18


北海道の日本海側に面した国道232号はオロロンラインと呼ばれる絶景ルートの一部、多くのライダーとすれ違うのもそれだけ人気がある証拠だろう。北海道の内陸を縫うように走るのも良いが海岸沿いは違った魅力がある。ヘルメット越しに潮の香りを感じながら夏空と海を満喫した。

留萌から再び内陸へ進み富良野に到着、道内有数の観光地だが思ったよりも人は少ない。御多分に洩れず富良野でも外国人と地元民のトラブルが起きており市は外国人との共存を模索していると報道されていた。日本人ファーストという言葉が選挙で話題になるのも分かるような気がする。

さて今回は富良野から最終宿泊地の札幌までの様子を記録しようと思う。

※扉写真はホテルから見える富良野の景色

(1) 最上階の温泉
リゾートホテルならではの景色を楽しめる最上階の温泉。温熱効果や水圧作用、浮力作用による血行促進など温泉にはリラックス効果や非日常空間による転地効果があるとのこと。なるほど雄大な景色を眺めながら風呂に入るのは非日常、デトックス効果もありそうだ。

(2) 露天風呂
更なる非日常を味わえる露天風呂。山に囲まれた富良野の地形が良く分かる。富良野に移住した脚本家の倉本聰さんのところにある日外国人がやってきて「土地高く買うよ」と言い出すくだりが現代ビジネスに載っていた。外国人による日本の土地購入規制も北海道では切実なようだ。

(3) 壺風呂
景色を眺めるなら「壺風呂」が最高。壺に入ると一気にお湯が溢れ出してしまうのがなんとも贅沢。駅からタクシーで10分という近場の富良野スキー場がフェンス越しに見える。それほど遠くないのに星野リゾート運営のトマムまで富良野からバスが出ていないのは意外だ。

(4) 夕食①
夕食はイタリアン。バイキングが主流のホテルで手間のかかるコース料理は珍しい。アンティパストに続くパスタはホタテのジェノベーゼ。コースの中で一番美味しかったかもしれない。飲み物は富良野産のワインを選んでみた。白も赤もバランスが取れた味わいだとか。

(5) 夕食②
魚料理がソイと海老のポワレ夏野菜添えバルサミコソースで肉料理が十勝牛のロースト赤ワインソース。ワインも赤に替えて料理を味わう。昔と比べて胃袋が小さくなったのか最近はフルコースを食べるのも気力が要る。付け合わせのパンを控えることにした…。

(6) デザート
コースの締めは富良野メロンと苺のムースバニラアイス添えにエスプレッソ。すっかり満腹…腹ごなしにもう一度温泉に入った方が良さそうだ。特注のバースデーケーキを切り分け家族でお子さんの誕生日を祝うテーブルもあって和やかな雰囲気のディナーだった。

(7) 富良野の景色
翌朝の室内から富良野の町を望む。遠くに見えるのが富良野スキー場だ。ホテルは共立リゾート系列。ビジネスユースの「ドーミーイン」から「温泉旅館」まで様々なタイプが用意されている。どこでも「夜泣きそば」が提供されているが昨夜はお腹いっぱいでパスした。

(8) 朝食
朝食はバイキングだが軽めに富良野メロンと牛乳プリンにコーヒーをチョイス。スマホで今日のルートを確認する。富良野を出て途中三笠に立ち寄りその後は一路札幌へ。今回唯一連泊する札幌市街は一方通行が多い。目指すホテルに行くのもややこしい。

(9) ホテル出発
インバウンド客に対応可能な高層ホテルだが富良野の町にはなんだか不釣り合いに思える。そういえば初日に泊まった純和風「糠平温泉ホテル」の対極にあるような景観だ。それに街行く人を見ているとインバウンド需要もあってか外国人労働者の姿が目立つ。

(10) 三笠鉄道記念館
ここは三笠。北海道初の本格的な鉄道の起点であり開拓の礎となった場所だ。近くの幌内地区で石炭が発見されると1879年に炭鉱が開坑、町は発展したが戦後石炭から石油へ需要が変わると炭鉱も閉山、自動車の普及も重なり1987年の幌内線廃止により鉄道の町は終焉を迎えた。

(11) SL運転
室蘭のコークス工場で働いていたS-304が三笠駅跡に作られた鉄道記念館に譲渡され整備・点検されたのち現在は構内を運行している。貨車を改造した客車に人を乗せ1時間に一回走る様は鉄道の町三笠のイメージと重なる。今年は10月13日の祝日が最終運航日だったようだ。

(12) 札幌へ
バイクに乗っていると腹が空かないので昼食はパス、一気に札幌を目指す。三笠からは道央自動車道を使えば僅か55分で到着。ホテルの駐輪場にバイクを留めて荷物を預けてチェックインまで札幌市内を散策。写真はラベンダーの花が北海道らしい札幌の大通公園。

(13) 大通り公園
こちらも札幌の大通公園。冬は雪まつりの会場になる場所だが夏は写真のような花壇が至る所に整備されて公園内を歩く人の目を和ませてくれる。花壇には企業名が書かれた札があり、民間事業者との連携を通じて公園の利便性や魅力を向上させているらしい。

(14) ビールフェスティバル
こちらの民間事業者との連携の一例。札幌といえばビールが有名だが札幌だけでなくサントリーやアサヒ、キリンや外国産のビールが一堂に会してビールフェスタを開催中だった。せっかくなので英国のIPA、サッポロビールの空知、ハイネケンのAセットを味わった。

(15) スパ
こちらは今宵の宿、ホテル「リソルトリニティ」の温泉施設。ビルに囲まれた施設だけに窓には外から見えないようフィルムが貼られているのに加え露天風呂はないがそれなりに解放感はある。札幌では外食を楽しみたいので朝食のみのプランを選択した。

(16) すみれのラーメン
昼食を抜いたので早めの外食をと検索、近くに「すみれ」があるので早めに並ぶかと行ってみたら大誤算、既に長蛇の列が出来ていた。道路に出来ている列を見て「それほどでもないな」と思ったら2階まで階段にもぎっしり列が出来ていた。これは30分から1時間は待ちそうだ。

(17) みそ味
食券を買って席に付き出来上がりを待つスタイル。こちらはみそ味のワンタンメン。すみれのみそ味はこってり濃厚でコクのあるスープが特徴。コシのある中太縮れ麵とも相性が良い。20年以上前タクシーで訪れた中之島の純連以来ずっとファンだ。

(18) しょうゆ味
こちらはみそ味に劣らず人気のしょうゆ味。黒くて濃厚、焦がしたような香ばしさがある。スープに浮いたラードが表面を覆うことで熱を閉じ込めるとともに麺とスープが絡む役割を果たしている。ワンタンも味付け玉子もチャーシューもメンマも欠かせない名脇役だ。

(19) 行列
食べ終わってみると列は更に長くなっていて路地から通りにまで延びていた。外国人観光客にもラーメンは浸透しているようだが並んでいる人は日本人観光客ばかり。中には列を見て諦めて帰る人もいる。普段は行列に並ばない主義だが旅行とあって耐え忍んだ甲斐があった。

(20) 札幌市資料館
大通り公園からほど近い札幌市資料館。1926年に札幌控訴院として建てられ戦後は札幌高等裁判所に利用されていた。2020年に国の重要文化財に指定されている。石造りの建物としては最大級でルネサンス様式を基調とした左右対称な外観が特徴。前庭のバラ園と上手くマッチしている。

北海道のインバウンドはコロナ前の2019年に400万人を超えていたそうだ。コロナ後は半分近くに減少、昨年ようやく300万人台に回復している。一方消費額は宿泊客一人当たり25%も上昇、①宿泊代②買物代③飲食代と続く。札幌で泊まるとホテル代金の高騰に驚かされる。

一方道東の「網走・釧路」方面や内陸の「歌志内」に「日高・宗谷・根室」など振興局管内はインバウンド需要が少ない。また名寄や稚内など地方都市は人口減少と高齢化による歳出の増加が課題となっており、最近も夕張市に次いで北見市が財政再建団体になる恐れを指摘されていた。

53年前に北海道を周遊した時に感じられなかった各地の衰退を目の当たりにするにつけ、昔のように国が主体となって関わるべきではないか…と感じたが北海道開発庁は省庁再編に伴い全国に交付金対象が広がったため相対的に北海道への予算配分が減少しているという声が聞こえる。

Jun@Room Style Store