北海道バイク旅(第7回) | Room Style Store

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2025/11/01 17:21


北海道バイク旅もいよいよ最終回。札幌に着いた翌日は初のオフ。バイクには一切乗らず友人とランチを楽しんであとはお土産を選ぶくらいだろうか。それに明日も札幌を発ってフェリー乗り場に向かうまでじっくり時間はある。札幌から近い小樽へ行くのも悪くない。

それにしても流石は札幌…人が多い。第二の都市旭川でさえ人が少ないな…と思ったのに札幌は別格だ。人口ランキングでは全国5位、都市特性評価でも13位と北海道における札幌の立ち位置が良く分かる。とはいえ札幌も実は道外への転出が増えているのだそうな。

やはり雪の多い地域は人口減少がより進んでいるらしい。ともあれ今回は北海道バイク旅の最後、札幌や小樽の街並みや帰路の様子をまとめてみようと思う。

※扉写真は小樽の運河

(1) ホテルの朝食
北海道の宿もこれで6泊が過ぎたことになる。その間毎朝充実した朝食を繰り返す一方で一日の多くをバイクに跨るだけの運動不足が続いている。せっかくの朝食もクロワッサンとヨーグルトのみ。これなら素泊まりで朝は近くのヴィドフランスでも良かったか…。

(2) 友人と会食
朝食を控えめにした理由のもうひとつがランチ。札幌在住の友人とフレンチを楽しむことになっていたからだ。ミシュラン札幌版で三ツ星を獲得しているモリエールが有名らしいが定休日だったので近場のルジャンティオムを予約。旬の食材を生かした創作フレンチが特徴とのこと。

(2) メニュー
ランチコースは三通り、メニューAとBにシェフのおまかせがある。事前にメニューBをネット予約。内容はアミューズに前菜が2種類、魚料理と肉料理、デザートにコーヒーと小菓子とかなり充実している。因みに隣のディナーを見ると全て一万円以上だった。

(3) コースその①
前菜の一皿めがカリフラワーのムースジュレ仕立て。アミューズのカツサンドがなんとも嬉しい不意打ち。人間の食欲は何がきっかけでスイッチが入るか分からない。懐かしい味に一気に食欲が戻って来た。料理の説明を聞き逃したが美瑛のポークだった気がする。

(4) コースその②
前菜の二皿目エビのパイ包みカプチーノソースと自家製パン。最近自家製パンを出すフレンチのお店が多いと感じていたが①料理とのマッチングや②鮮度と品質③店のイメージとこだわり④顧客満足度と独自性の創出が理由として挙げられていた。パンも料理の一つという捉え方のようだ。

(5) コースその③
本日のお魚料理はホタテのポワレで肉料理がチキンのマスタードソース。お店の人の話ではメインに牛肉を使うとランチとしては敷居が高くなるとのことだがチキン好きとしては嬉しい。自家製パンをちぎってソースに絡めて食べるとソースの旨みが口の中に広がる。

(6) デザート盛り合わせ
本日のデザート盛り合わせ。九種類の中から三種類選べるとのことだが無理を言って全種類取り分けてもらった。これが実に美味しい。北海道バイク旅のハイライトかもしれない。フレンチにおけるデセールはコース料理を締めくくる重要な役割というのがよくわかる。

(7) シャンパン
頼んだ飲み物はシャルルエドシック。一昨年訪れたランスを代表する銘柄の一つだ。①食欲増進と口の中のリフレッシュ②様々な料理ととの優れた相性③場を華やかにする演出効果がシャンパンにはある。バイク旅ゆえカジュアルな服装での入店を予め伝えておいて良かった…。

(8) プティフール
食後の締めがコーヒーと小菓子。ジェリーとバウムクーヘンにクッキーをいただく。コーヒーも普段飲んでいるアメリカンな薄味とは違う。エスプレッソほどではないが深いコクと苦み、ロースト香も強い。これぞ本格的な深煎りフレンチローストか…。

(9) アナトミカ
食後の腹ごなしということでアナトミカ札幌を訪問。別注オールデンはなかったが個性的なウェアを色々拝見させていただいた。人体の構造と動きに沿ったデザイン、黄金比に基づいたシルエットの創造、品質への拘りがアナトミカの魅力と聞いて納得した。

(10) 小樽へ
翌日早めにチェックアウト、札幌駅から小樽行き普通列車に乗りこんで小樽へ向かった。銭函駅(ぜにばこ)で結構な人が降りていく。海水浴場として有名なのだそうな。昔ニシン漁が盛んだった頃は「銭箱」が積み上がるほど栄えたことから駅名の元になったとも言われる。

(11) ルタオ
小樽といえばオタルを逆さまにして社名を付けたルタオが有名。2005年に創業、ドゥーブルフロマージュと呼ばれるケーキで有名になったそうだ。冷凍技術の進化により全国の物産展やテレビでの紹介を通じて今やその人気は全国区となっている。

(12) 運河
北海道を旅行する日本人観光客にもインバウンドにも人気なのがここ小樽運河。古いレンガ造りの倉庫が建ち並ぶ運河沿いは確かに写真映えがする。運河から写真を撮影しようと遊覧船(ボート)に乗る客が列をなしているのが写真からも分かると思う。

(13) 帆船
小樽港へ行ってみると行きのフェリーで出会った練習船「海王丸」が停泊していた。4本マストの船は二つに分かれるそうでこの海王丸や姉妹船の日本丸はバーク型と呼ばれるそうな。因みに4本マストの間隔が長く全てに横帆を備えるタイプはフルリグドシップと呼ぶとのこと…。

(14) 回転寿司
せっかく小樽に来たからには回転ずしを…ということで小樽運河からほど近い「とっぴ」を訪問。開店前から列が出来ている。こりゃ一巡しないと座れないかなと思ったが店内が予想以上に広く開店と同時に運良く座れた。せっかくなので小樽の地ビールを楽しんだ。

(15) 道庁
ランチを楽しんだら再び札幌へ戻り市内見物。こちらは北海道庁赤レンガ庁舎。1888年建造のアメリカ風ネオバロック様式で現在は国の重要文化財。一階には地域情報発信スペースやレストランが併設されており中も外もよく手入れがなされている。

(16) 苫小牧港へ再び
いよいよ苫小牧に向かって出発。北海道とも間もなくお別れだ。行きは船腹からバイクを乗り入れたが帰りは船尾からの乗り入れらしい。周囲に車やバイクはなく空いているように見えるが背後には何十台もの車やトラック、大量のバイクが控えている。

(17) 乗船待ちのバイク
待合室からバイクの待機場所を撮影。カメラを向けている間にも続々と北海道各地から戻ってきたバイカー達が誘導されて列に並んでいる。出発したのは8月初めだったが帰りはお盆間近、やはり人の行き来が多いのだろう明らかに行きより混雑している。
(18) タグ
大洗行のタグを付けて船に乗り込む時間を待っているところ。先に車が乗って先に車が出る。以前も書いたが東九フェリーのように下船はバイクが先などということもなく不公平感が募るが嘆いても仕方のないこと。周囲も慣れっこなのか上手く時間を使っている。

(19) 乗船待ちの列
乗船待ちの列。スタートをグリッド上で待つレーサーたちのようだ。荷物を一杯積んだアドベンチャーバイクやカウルの付いたスポーツタイプ、ネオクラシックなバイクや自分のようなアメリカンタイプまで様々…乗り手の好みが反映されていて興味深い。

(20) 旅の終わり
長かった船旅も終わり…下船の合図を今か今かと待っている。幸い今回の北海道バイク旅、二輪車事故のニュースは聞かなかったが車同士の悲しい事故があった。まずはフェリーまで無事に戻れたことを喜びたい。引き続き大洗から先も無事故で帰宅できるよう祈った。

目的地まで自走することなくバイク旅を楽しめるフェリー利用を調べたところ明確なデータはなかったが年々増加傾向にあるようだ。日本長距離フェリー協会によれば現在北は北海道から南は九州まで15航路あるという。2021年には新たに横須賀~新門司も就航、より充実度を増しているようだ。

一方コロナ禍以降バイクの需要は増えつつあり、アウトドア志向や大型バイク人気もあってフェリー各社も二輪の需要取り込みを拡大しているという。長時間快適に過ごせるよう高級ホテル並みの客室やサービスを提供しており広いカーペットルームで雑魚寝というスタイルは過去のものとなっている。

北海道の次に行くなら九州を…と思いつき値段を調べたら2名個室でバイク輸送代込み一人27,830円と出た。北海道と比べるとグッと割安だ。ただし九州までは32時間かかる。有明を19時に出港して新門司到着は翌々日の朝5時35分。レストランなしの船内で4食も取るのは流石にきつい。

はたして来年夏のバイク旅はどこになるのか…まだまだ要検討、答えは先になりそうだ。

By Jun@Room Style Store