2026/10/31 15:46

前回はNBの高級ラインメイドインUSAの宿命ともいえる加水分解について触れた。3〜5年経つとソールの劣化が始まるものと割り切って毎日履くのならばコスパは決して悪くないだろう。だが実際は着る服に合わせて違うスニーカーも履きたいのが洒落心というもの。
特に革靴が面倒で最近はブレザースタイルにもスニーカーを履いてしまう。そんな時手にするのはレトロなコンバースやスペリーばかり…かくしてNBは旬を過ぎてしまうのだ。しかもAIも一推しというこの手のローテクスニーカーは嬉しいことに加水分解を起こさない。
ともあれ今回は処分するNBと入れ替わるように我が家に来た新顔スニーカーについて書き記してみようと思う。
※写真は新しく我が家にやってきたスニーカー達
(1) M996のその後

本題に入る前に前回廃処分と思われたM996を電話で確認したところ公式リペア対象と判明。早速加古川のファクトリーに中敷を外して確認書類を同梱の上発送した。完成まで90日、代金はリソールとライニング補修込みで18150円だった。完成後は受け取り時に着払い…結果は当ブログで紹介しようと思う。
【新顔:その1】
(2) オニツカタイガー

さて本題の新顔スニーカー最初はオニツカタイガー。ブランド名のタイガーを思わせるイエローにブラックのストライプを選んだ。アシックスから分社化したオニツカタイガーは同ブランドの稼ぎ頭となっておりインバウンドでも海外のブティックでも売上は好調、6期連続上昇中だ。
(3) キル・ビル カラー

映画キル・ビルで主人公のヒロインが履いていたのがイエローとブラックのコンビだったためキルビルカラーと呼ばれている。以前履いていたオニツカタイガーからサイズを特定、都内のブティックでインバウンド客に伍して買うのも面倒なのでオンラインで取り寄せた。
(4) 日本製

取り寄せたのはよりスマートで上質な日本製。見た目が全然違う。NBならUSAやUKだが日本のブランドなら選ぶべきは日本製だろう。価格は通常の倍以上だが創業者の出身地、鳥取県の境港市にある工場で作られている。ふるさと返礼品にあれば良いのにと思ってしまう。
(5) ベトナム製

こちらが通常のベトナム製。日本製と比べてノーズが短くややポテっとしている。AI曰く日本製の方がスタイリッシュでシャープなシルエットだそうな。逆に写真の通常ラインはフラットでややボリュームのあるマイルドな形状と評していた。以前購入したのはこちらの方だ。
(6) イタリア製

なんとキルビルカラーのイタリア製も存在していた。カップソールが見た目の最大の特徴となっている。低く構えたロープロファイルなスニーカーというよりグッチやプラダスポーツなどイタリアンスニーカーの流れを汲むデザインとなっており手仕上げのアンティーク加工が特徴だ。
(7) コーデ①

スニーカーの肝となるのがブラックのライン。ボトムスもブラック、それもデニムではなくクリースがビシッと入ったトラウザースと相性が良い。いっそのことブラックのジャケットに同色タートルニットといったモノトーンコーデに靴を差し色として合わせるのも良さそうだ。
(8) コーデ②

日本製はアッパーに上質な国産の山羊革や牛革を使用しており、写真を見ただけでも素材の優秀さが伝わってくる。ソックスは何色にするか迷いがちだがシンプルにボトムスの色と合わせるのが一番だろう。靴紐は長くてあまり気味なのでベルルッティ結びで調節している。
【新顔:その2】
(9) オールスター

お次はレトロ顔のスニーカー本命、コンバースのオールスター。スニーカー好きなら日本のコンバースと日本以外の世界で展開されるナイキ傘下のコンバースと全くの別物と先刻承知なはず。日本版も大半はインドネシア製だがこちらは福岡の老舗ムーンスター製造の純日本製。
(10) 見覚えのあるロゴ

靴先を見るとシューレースの始まりに見覚えのあるロゴプレートが…タンにはスプリクトのブルックスブラザーズとオールスターのダブルネームが縫い付けられている。初のブルックスブラザーズ×コンバース企画ものだ。どちらも本国と違って日本法人なので出来た企画だろう。
(11) レトロ顔

ソールに通常入るボディと同色のネイビーラインが入らないことですっきりと見える外観。レトロなロープロファイルのデザインは履いてみたい気にさせる。ナイキ傘下のオールスターCT70のようにクッション性の高いインソールとよく似たウレタン+ラバースポンジを装着している。
(12) ソール

アウトソールはブルックスブラザーズのブランドカラーであるネイビーに変更、ビンテージOXに見られるフォクシング(当て布)ステッチは省略されている。長い間履いていると屈曲部分のソール縁が割れてくるのが日本製コンバースの欠点だがこの靴ではどうなるか気になるところだ。
(13) 日本製同士の比較

どちらも同じ高価格帯の日本製コンバースを同サイズで比較。左がレガシーOXで右が今回のブルックスとのコラボ品。ハト目の数が一つ多いためコラボ版はより低く構えた顔つきになる。しかもハト目の直径を小さくして数を増やしているではないか。綿密なデザイン変更と思える。
(14) ヒールパッチ

今度は左がブルックスとのコラボ版。右のチャックテイラーもレトロな感じで良いがブルックスブラザーズのロゴ入りも特別感がある。履き込んでこのパッチが削れてしまわないよう予めソールに補強して厚みを持たせる修理方法まであるらしい。
(15) コーデ①

秋らしくデニムやチノではなくウールカーゴと合わせた。コンバースの履き方は羽根が開かないサイズを選ぶのがコツだそうな。通常USサイズだが選んだのは9.5。つま先は余るが外観上は気にならない。モディファイドオールデン同様靴の中で足指を広げられる快適さが良い。
(16) コーデ②

前から見た時の靴の顔つき。羽根が平行に揃っているのが格好良い。どうせならこの靴を履いてニューヨークのブルックス本店を訪問、スニーカー談義で店員と盛り上がりたいものだ。いや丸の内や青山の路面店でも話を始めるきっかけになってくれるに違いない。
【新顔:その3】
(17) ムーンシュー

最後はナイキの新作?ムーンシュー。正直殆どホールド感のないフニャフニャな履き心地のスニーカーだ。革靴でいうならアンラインドローファーのような感じか。ナイロンコルテッツに始まりナイロンワッフルなどナイキのナイロンものに目がないのでつい買ってしまった。
(18) ロープロファイル

見た目からしてロープロファイルの極みと思しき顔つき。凸型のワッフルソールはクッション感こそあるが見た目は頼りない。ナイキがナイキという名の会社になる前、創始者のビル・バウワーマンが妻のワッフルメーカーを使って作った初のランニングシューズがモデルらしい。
(19) ソール

オリジナルのワッフルソールを再現、ナイロンアッパーや当て布にスウォッシュマークを付けた70年代スタイルを復刻したナイキ。今まで限定・希少モデルの販売に注力し過ぎた弊害や中国での販売不振などよりナイキは業績が思わしくない。このムーンシューは原点回帰の表れか。
(20) コーデ①

スニーカーといえばジーンズ。せっかくなのでインディゴではなくアッパーに近い茶系のデニムを選んだ。つま先に何も入っていないので皺が寄っている。こうした①どこか抜けて②レトロ感があり③人間味のあるデザインが「ダサ格好良い」と人気なのだとか。
(21) コーデ②

紐をきつく締めても靴としてのホールド感は感じない。寧ろ足袋に近い感覚だ。小学生の時、徒競走で地下足袋を履いて走ったことを思い出した。人間は素足で動き回ると足の指や土踏まずを支える筋肉が鍛えられる。加えて体幹の安定や外反母趾を防ぐ効果もあるらしい。この靴にそんな機能があれば嬉しいのだが。
今や日本の市場に限ってもスニーカーの売上は全体の6割に迫る勢いなのに対して革靴は1割台に減少しているという。もはや時代はスニーカーなのだ。日本の老舗リーガルの苦戦が報じられたが革靴業界では生き残りをかけてドレススニーカーに力を注ぐ等従来のビジネスモデル変換は待ったなしと指摘されている。
一方限定品で人気を博したナイキは苦戦を強いられ逆に米国製や英国製を限定品と位置付けるニューバランスの戦略そしてオニツカタイガーの日本を越える海外人気等々スニーカー業界は混沌としつつ百花繚乱の盛り上がりを見せている。その最大の理由は革靴に代わるスタンダードの地位を確立したからに違いない。
By Jun@Room Style Store
