雪の到来 | Room Style Store

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2022/01/04 06:37


大型寒波の影響で30日から降り始めた雪はみるみる積もって大晦日は一面銀世界。どうなることかと思ったが元旦の朝にはすっかり止んで初日を拝み、新雪に覆われた山々を見ながら散歩と幸先の良い一年を迎えた。歩いてコンビニまで出かけたりマウンテンバイクに乗って大型スーパーまで買い出しに行ったりと運動不足も解消。一年の計は元旦にあり、最初が肝心だ。

とはいうものの流石に気温がマイナスだと自転車はきつい…運転は楽しいがハンドルを握る手が寒すぎる。カシミアのライニング付レザーグローブじゃ全く歯が立たないのでウールの手袋を買って2重にしたけど結果は大して変わらず…冬のバイクの必需品、電熱線入りのグローブが欲しくなる。冬物の衣類は実際に使ってみなくちゃ分からないことが何かと多い。

そこで今回は厳寒期のカントリーライフ「冬の一推し」を思いつくまま書いてみようと思う。

【タートルネック】
(1) プレッピーストライプ
「冬の一推し」最初はタートルネック。首回りの冷気を防ぐタートルネックはハイネックのサーマル下着を組み合わせることで効果も倍増。雪の降る大晦日で試してみたが結果は上々だった。近所の人は「温暖化のせいか昔と比べて雪の回数も減った…」と言うが、気温がマイナスの場合降り始めたら一気に積もる。道路上で車が立ち往生するのも無理はない。


(2) ケーブルニット
ざっくりとしたケーブルニットにネクタイでお馴染みのアイビーストライプをボーダーで配色するなんてお洒落過ぎる。見るからに地厚そうだが実際手に取るとずっしり重たい。毛糸の量が違うのだろう。そもそもウールセーターが暖かいのは「身体から発する水蒸気がウールに付くことで吸着熱が発する」ためだとか。ウールの量が多いほど暖かいことになる。


(3) 旧タグ
オーバースペック気味のウールタートルは旧タグのポロラルフローレン。右端にMADE IN HONGKONGと書かれているタイプは90年代に多く最近はMade in Chinaになっている。結構古いものに違いない。このブルータグがラルフ好きには標準、最近この旧タグものが復刻しているけどいっそのこと全部元に戻して欲しいくらいだ。


【ショールカラー】
(3) カウチンセーター
「冬の一推し」お次はショールカラーセーター。襟があるので首元は暖かだし、その襟を立てて前をボタンで留めればタートルネックと変わらない。写真は元旦の朝、初日を浴びながら屋外でコーヒーを楽しむ図。実際は空のカップに湯気をアプリで加工、後で使い慣れたホーローのマグカップでコーヒーを味わった。それより撮影のためとはいえ手袋なしの素手の方が結構厳しい。

(4) ラルフローレンカントリー
タグのラルフローレンカントリーはポロカントリーのレディス版。襟は男合わせだがタグが違う。どうやらショールカラーはラルフローレンの好きなデザインのようで、秋冬シーズンになるとほぼ毎年店頭に並んでいる。上質なカシミヤのショールカラーも良いが未脱脂のカウチンの方が気楽でいい。

(6) RRLマグカップ
手に持ったマグはヒビが入ったように見えるが貫入と呼ばれるそうだ。高温で陶器を焼いた後冷めていく過程で本体の素地と釉薬の収縮度が違うため釉薬がひび割れたようになるらしい。製造はMade in Chinaだが元々陶磁器では長い歴史を誇る中国、毎シーズン出されるマグカップシリーズはいつの間にかコレクションアイテムとなっている。

【ウールパーカ①】
(7) ラグビーbyラルフローレン
「冬の一推し」第三弾はアノラックの下に着たウールパーカ。タートルやショールカラーと同じように寒い時はフードを被れば首から耳までぐっと暖かくなる。またセーターか?と思われるかもしれないが実際冬の田舎暮らしで一番役に立つのがセーターだから仕方ない。上に新素材のアノラックを着れば防風・防寒対策も抜かりはない。


(8) ダウンベストと合わせる
「冬の一推し」といえばセーター以外に便利なのがダウンベスト。以前も書いたがダウンジャケットよりも使い勝手が断然いい。まず①重ね着した上からすぐに羽織れる。袖がない分②腕を動かしやすい。さらに③場所を取らないし④メンテも楽…と良いこと尽くめ。実際ダウンジャケットは1着しか持っていないがダウンベストはなんだかんだで6着もある。


(9) スノーフレーク
惜しまれながら廃版となったラグビーbyラルフローレン。当時は自分の中で「今一つ」だったのに今になって心惹かれる。そういえば2021年10月25日のANNニュースCHで「プレッピーが再ブーム」との報道がなされていた。懐かしの紺ブレやレタードカーディガンなど…プレッピー色の強いラグビーが今再び新鮮に見えるのもそうした流れと関係がありそうだ。

(10) アノラック
こちらは復刻版ポロハイテックのアノラック。以前も書いたがポケットの多い服が好きな知人に言わせると「ポケットのレイアウトが良い…」のだそうだ。確か前面だけでポケットが13あったと思う。肩下の斜めポケットや胸元に付くDリングはいったい「何のため?」と思われるかもしれないがそれが「堪らない」らしい。


【ウールパーカ②】
(11) 雪が止んだら…
朝日を浴びて徐々に気温が上がると木の枝に降り積もった雪がさらさらと崩れ落ちて宙に舞う。ダイヤモンドダストにも似た現象は雪の止んだ朝、日の光を浴びて暫くの間だけだ。よく見ると舞い降りた粉雪が肩や袖に付いている。「冬はつとめて。雪の降りたるは、言うべきにもあらず…」枕草子をふと思い出した。


(12) ラグビー再び
ラグビーbyラルフローレンのウールパーカ再登場。スノーフレークの柄ものからパープルとグリーンの極太ラグビーストライプへ。幅の広いボーダー柄は横に大きく見えるといわれるがケーブルニットで縦のラインを強調したりゴム編み部分で腰元を引き締めるデザインで着手をすっきり見せてくれる。左袖のワンポイントが見えるよう撮影…。

(13) アカデミーコート
ウールパーカの上に羽織った地厚な一重仕立てのコートはバズリクソン。目の詰まった一重仕立てのメルトン生地は30oz、850gにもなる。ミリタリーものが得意なブランドだがⅠラインを強調したシルエットはかなりお洒落だ。手を入れやすいスラッシュポケットや大き目のハンドウォーマー、リブ袖などミルスペックを意識した作りもグッとくる。

(14) ラグビーの再評価
2004年にスタートし2013年に終了したラグビーブランド。それまでも短命に終わったサブブランドがたくさんあったが、ラルフローレンは「移り変わる流行に対して本流の世界観とは異なるラインを別に作ることで常に新鮮さを保ってきた」と東洋経済誌では述べている。皮肉なことに新鮮さを保つために作った別ラインのラグビーが最近のプレッピーブームで再評価され始めている。


【ニットラガーシャツ】
(15) アイビーストライプ再び
こちらはコットンニットのラグビーシャツ。セーターは「身体から出る水蒸気を吸着することで吸着熱が発生し暖かくなると(2)でも書いたがその割合はカシミア>ウール>シルク=リネン>コットンだそうだ。となるとコットンの冬物衣類は期待外れか…というとそうでもないらしく、発熱はしにくいが中が空洞の綿繊維は体温で暖められた空気を取り込みやすく保温力が高いという結果が出ている。

(16) 旧タグ
旧タグのラグビーシャツは値札付きのNOS(新古品)。見えにくいが胸にポロポニーのマークが刺繍されている結構な年代物だ。そもそもラルフローレンの古着やデッドストックものは昔から根強い人気があるようで、最近ではポロポニーの刺繍付き定番ポロシャツが一番人気だとか。アメカジ系の古着屋に行くと昔懐かしラルフのアイテムが結構あってワクワクしてしまう。

【スキーセーター】
(17) カラーブロック
近くにスキー場があるにもかかわらず最近は滅多に行かなくなってしまった。せめてもと最新のスキーセーターを出して着てみたら流石はラルフローレン。着ただけでスキーの腕前が一気に上がる気さえしてくる。数年前から流行のカラーブロックは2022年もディオールやコーチが取り入れるなど依然人気とのこと。

(18) ポロレーシング
右腕のスキーチーム風三角ワッペンや左胸のPマーク、何より左腕のPOLO RACINGが格好良い。スキーを滑りに行きたくさせるデザイン力がある。こちらはCIによる変更後のブランドロゴを冠したタグ付き。ちょうど50周年記念の頃のものになる。胸のフラップ付きポケットはプルオーバーのアノラックについているものをアレンジしたのだろうか…ドラえもんのようだ。


【スキーセーターその2】
(19) ハイテック
こちらも前身頃に大きなポケットの付いたスキーセーター。調べたところカンガルーポケットというらしい。左袖に付くハイテックのワッペンが機能性ウェアをさりげなく伝えているようで、「いったいどこが普通のセーターと違うんだろう…」と気になるが、まさか前ポケットのことを指すわけでもないだろう。

(20) ドローストリング
右袖のオレンジライン、ジッパー付きの前ポケットや取り外し可能なオレンジライニングのフードなどかなり凝った作りになっている。それによく見ると裾の両脇にはドローストリングまでつ付いている。両脇を引っ張ればピタリと腰に付いて雪の侵入を防げるという訳だ。確かに今までとは違う仕掛けがある。


【手編みセーター】
(21) スノーフレーク柄
田舎暮らし「冬の一推し」最後はハンドニット。スノーフレークのざっくり手編みセーターは雪景色に良く合う。久しぶりに出したのは今から30年以上も前、馴染みのショップで買ったものだ。最近のタイトなニットと違ってゆったり着るよう編まれている。ブラック&クリームの配色は当時珍しかったが今見ると新鮮だ。

(22) 30年前のセーター
写真はその昔銀座店で買ったHACKETT。当時破格の値段だったけど店長さんの「一生ものだから」にあと押しされて買ったものだ。イタリアのカシミアニットもアメリカンカジュアルなセーターも良いがこうしてみるとやっぱり「英国ものは良いな…」と気付く。昔のバーバリーといい靴といい英国ものは時が経つと急に良くなる時期が来る。

田舎暮らしを始めた人と「着るもの」談義をするとよく出てくるのが①「田舎には田舎のお洒落がある」ということ。都会と同じ服装では周囲にも自然環境にも馴染まない。それと②「毎日同じものを身に着けることが多くなる」ということ。下着など肌に触れるものは毎日替えるが、外出時に羽織るアウターといえば大抵シェラデザインかクルーザージャケットだし、靴はビーンブーツやティンバーランドと偏ってばかり。

他には③「今まで着なかったものが役に立つ」ということ。都会では週末着だったセーターが今や日常着、あることさえ忘れていたセーターまで引っ張り出している。「一気に断捨離し過ぎなくて良かった…」とつくづく思う。あとは④「素材を気にする」ようになったこと。それも上質かどうか…ではなくて頑丈で長持ちするかどうかという点だ。先日訪れた中目黒のフィルソンは「機能とデザイン」が上手くかみ合っていて今の自分にぴったりだと感じている。

1月20日は大寒、寒さも一段と厳しくなるとの予報もある。田舎暮らしの服装についてはあれこれ試しながら続編を書いてみたい。

By Jun@Room Style Store