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2022/02/15 09:39



日本のスポーツ(ランニング)シューズを代表するアシックスの2021年売上が黒字に回復、コロナ前と比べても2割増の高成長になったとのニュースが出ていた。東京オリンピックや箱根駅伝での復活など追い風効果もあり「健康意識の高まり、優れた商品の提案、デジタルを生かす」ことで確かな手ごたえを得たとのこと…傘下のオニツカタイガーもアジアで好調と嬉しい決算報告だ。

一方世界に目を向けると最新の世界スニーカー売上ランキングはナイキが1990年以来ダントツの1位を継続。アディダスとプーマが2〜3位に入り、我らがアシックスは8位と健闘、ミズノとデサントがその後を追っている。最近手に入れたコンバースはナイキ傘下ということで詳細は不明だが、昔からのファンであるニューバランスは6位…最近の人気ぶりを反映した結果のようだ。

ということで今回は買いたてのコンバースとニューバランスを中心に気がついたことを書いてみたい。



【コンバースCT70編】
(1) ローカット(オレンジ)
今回紹介するのはコンバースジャパンではなくナイキ傘下のコンバースシューカンパニーのオールスター。名前はCT70、チャックテイラーの頭文字と70年代を組み合わせたもの。日本では商標権を侵害するためCT70を商業用として並行輸入することはできない…が本人や親戚或いは知人などが海外で購入したものを個人使用する分には許容されているようだ。


(2) 当て布
一番の特徴は両サイドの当て布。もとはバスケットボール用のシューズゆえ激しい動きで力のかかるボールジョイント部分両側に補強用として共布が縫い付けられていた。62~63年頃から始まり90年代には廃止されているディテールだ。CT70では70年代を忠実に再現すべくステッチのみならず、当て布も再現するなどアメリカ企画の本気度が垣間見える。


(3) 履いてみる①
履き慣れた日本企画のコンバースとの決定的な違いはインソールの柔らかさ…足入れしたとたんにふんわりとした感触が足裏に返ってくる。ただ靴自体はCT70の方が日本企画より細いため甲高の場合、両羽根が開きがちになる。羽根の閉じ具合が気になるユーザーはハーフサイズ大きめを選んで紐をきつく結んで履くとか…。


(4) 履いてみる②
CT70の一番人気は黒とのこと。確かに黒のオールスターは重宝しそうだが「春近し」の今時はやや重たい。ならばと写真のような鮮やかなオレンジ色をリクエストしてみた。これならデニムのオレンジステッチともマッチするしオリーブグリーンのカーゴパンツやカーキのチノパン、夏ならばマドラスチェックとボトムスは何でもござれだ。


(5) ローカット(ヒマラヤンソルト)
こちらは同じくローカットの淡いラベンダー色。ヒマラヤンソルトという名のカラーだ。UKサイズの8だと思ったらUSサイズの8と普段よりハーフサイズ下を選んでしまった…紐を通して早速試着。薄手のソックスなら問題なし、くるぶし露出のスニーカーソックスなら更に快適と分かり一安心。因みに右のオレンジは8.5にした。


(6) インソール
ネット上のインソール情報と比べると最新版は下層のゴムがグレーから黒に、上層のスポンジもグレーからベージュに替わっている。部材も変更だろうか。外見はレトロなのに履き心地はまるでナイキエア、しかも日本で買えないため海外旅行でわざわざ買って帰るという…この薄いインソールにそれだけのパワーがあるようだ。


(7) インビジブルソックスと合わせる①
ローテクスニーカーとコットンスーツの組み合わせ…ローイングブレザーズのサイトで見た着こなしを参考にしてみた。アディダスやプーマでもレトロ顔のスニーカーをラインナップしているがCT70の履き心地は一頭地を抜く。日本でも輸入販売を始めるかアシックスと提携して履き心地を改良するというのはどうだろうか。


(8) インビジブルソックスと合わせる②
アメリカ企画のコンバースを横から見た図。甲が盛り上がっている。アシックススポーツ工学研究所の測定方法を参考に自分の足を調べたらハイアーチ/甲高傾向とでた。やはりそうか…もっとも日本人は幅広の足が多く、靴が横に取られる分甲が窮屈に感じて甲高だと勘違いするらしい。実際はアーチが薄く大半は甲低だそうだ。


(9) コンバースCT70ハイカット
今度はサイズ9のCT70ハイカットをチェック…写真は上段が90年代米国製(8.5)、中段が日本企画(8.5)下段がCT70(9.0)になる。アンクルパッチは日本企画の方がレトロなスニーカーにマッチしている。アメリカ企画には再考をお願いしたい。日本企画のオールスターは90年代米国製を忠実に再現している点で評価できる。

(10) ラグソックスと合わせる
サイズ9ということでハイカット用のラグソックスを用意…最近はアメリカ製も見つけ難いがこちらはOrganic Threads…フォックスファイバーと呼ばれる上質なコットン85%にストレッチの効いたナイロンを10%、エラスティックを5%を加え肌触りと伸縮性を確保している。比較的手に入りやすいアメリカ製品だ。


(11) 履いてみる①
羽根も閉じて見栄えも向上したCT70。ハイカットだとインソールのクッション効果が更に感じられる。これならサイズアップも悪くない。今までオールスターを長時間履くと(米国製も日本企画も)「疲れる、足が痛くなる」と感じていたがどうもユーザー共通の悩みらしく、中には他社のインソールを入れて工夫しているとの声もあった。


(12) 履いてみる②
先ほども書いたが残念なのがアンクルパッチの意匠。当て布を再現するなど70年代のオールスターを再現する一方でアンクルパッチを無粋な今風デザインにするのはなぜだろう…しかもつい最近までCT70も昔のアンクルパッチだったとか。インソールの改良と同時にアンクルパッチを変更したらしい。プラマイゼロですな…。

【ニューバランス編】
(13) 未入荷のM670BSG
さて次はスニーカー界のロールスロイス、ニューバランスになる。こちらは日本未入荷のM670BSG、しかも英国靴好きには堪らないメイドインイングランドという魅惑のペアだ。2トーンのグレーヌバックにティールブルー(青緑)がアクセントの外観。グレースーツに最適なビジネススニーカーど真ん中といったところか。

(14) Made in UK
ニューバランスでも別格なMade in USA・UKモデル…特にUKものは英国靴好きをも魅了するフルレザースニーカーを次々と生み出している。工場はカンブリア山地の西側、海沿いのフリンビーだがファクトリーショップが湖水地方の最奥ケズウィックにある。今まで3回も訪れながら未だ足を踏み入れず…次回(いつのことやら…)は必ずや訪れたい。

(15) 履いてみる①
早速グレースラックスと合わせてみた。ニューバランスを象徴する色だけあって最近新宿にグレーをテーマカラーにしたNBショップがオープンしたそうだ。マットなヌバックの質感とフランネル素材のパンツとの相性がすこぶる良い。黒のレザーシューズよりお洒落なオフィススタイルに見えてくるではないか…。

(16) 履いてみる②
スニーカーを履く時のソックス選びは意外と重要…チャコールやネイビーといったビジネスソックスでは軽快感が出ないし白いソックスでは野暮ったい。という事でパンツより明るめのグレーをイン。M1300の廉価版という事でデザインもよく似たM670。コンバースとは真逆の落ち着いた大人のスニーカーらしい雰囲気が漂う。


(17) ニューバランス1000番台を試す
こちらも日本未入荷のM1500SCN、アメリカ製M1400以来久しぶりの1000番台だ。M1500は目下ニューバランスのフラッグシップモデルとのこと。デザインやカラーリング、ソールの形状など馴染みのあるクラシックなNBから一気にアップデートした別物のように感じる。色はグレーと並ぶビジネスカラーのネイビーをチョイス。



(18) ソール
ニューバランスの中でも細身のラストを採用したM1500。小ぶりで控えめなNマークが好評とのこと。ミッドソールは定評のあるENCAPを採用するなど快適さを追求した作りが特徴。このあたりは矯正靴メーカーとしてスタートした会社ならでは…このところ人気のニューバランス、2022年もその傾向は続くとの見立ても多い。


(19) 履いてみる①
今度はネイビーのスラックスと合わせてみた。クラシックなM670と比べて切り返しが多く2色のブルーにパープルと華やかな印象だ。因みにこのM1500、2019年にデビュー30周年を迎えた際M1530 という品番やM1500アニバーサリーモデルなど派生ものがリリースされたようだ。ニューバランス好きにはさぞ堪らない話題だっただろう。


(20) 履いてみる②
横からみるとウェッジ状のソールがクラシックなニューバランスとの大きな違い。スマートなつま先がやや下を向く様はF-1のノーズを連想させる。それにパッチではなく刺繍のNマークや踵に付く1500の型番は車のリアエンドのよう。何やらSKYLINE  2000GTXのおしりに付くエンブレムを思い出してしまった。

(21) アメリカ製のNB
ところでニューバランスといえば出自はアメリカのマサチューセッツ州ボストン。1906年に矯正靴「ニューバランスアーチ」として創業している。ナイキやアディダスよりも歴史のある会社だ。ここはひとつ英国ものだけでなく本家Made in USAを…ということでNB歴代モデルの中で男女ともに一番人気のM996に登板願おう。


(22) 履いてみる①
型番はM996CPS、名前こそピスタチオグリーンだがどちらかというとペパーミントの方がしっくりきそうな色目だ。メッシュとスエードの色目を合わせたワントーンのアッパーに「C-CAP」と「ENCAP」の両者を組み合わせて卓越したクッション性で一番人気を不動のものにしたとのこと。こちらは春らしいSuper120'sのスラックスに合わせてみた。


(23) 履いてみる②
M996はニューバランスの顔ともいえる存在、M1500同様細身のSL-1ラストで作られているせいか足元がスマートに見える。色のバリエーションも豊富で定番色のグレーやネイビーからフルレザータイプに写真のような発色の良いものまで色々揃っている。どれもワントーンに近い仕上がりで合わせやすいのも選ばれる秘訣か。

(24) リペアサービスを利用する
Made in USA・UKのニューバランスは人気も高いが価格も高い。持続可能な社会の広がりの中で末永く履けるようにとリペアサービスを受け付けているのは嬉しい。ただソールの張替えは1回のみで修理可能なモデルも限られている。写真はリペアを経て戻ってきた昔のM576。次にソールが加水分解を起こしたら靴の寿命だそうだ。

ファッション通信を読むと2022年春夏の着こなしは引き続きスニーカーが要注目アイテム…デニムの復活に合わせてスニーカーも多用されているらしい。中でもクラシックなホワイトスニーカーや飴色のガムソール、あるいはバッシュのようなハイカットタイプだとか。それを聞いたらガムソールのスニーカーが気になって仕方ない。

田舎暮らしでは作業をするにも立ち仕事をこなすにもスニーカーが欠かせない…おまけに車に乗らない生活を進めているので歩く機会も多い。結果日常はスニーカー、履き替えてランニングシューズという生活がすっかり定着してしまった、最近は都会に行ってセレクトショップを覗いても別注物のスニーカーに目が行ってしまう。

長期予報を見たら2月の終わり頃から温むとのこと…そろそろショッピングや会食などイベントを企画して革靴を履く機会を増やすことにしようと思う…ビンテージバイクと同じで使わないでいると劣化するのが早いのは革靴も同じらしい。

By Jun@Room Style Store