食器に拘る(前篇) | Room Style Store

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2022/07/19 09:21


今回はいつもと違う新たなジャンル、ライフスタイルの話を…若い頃に何回か引っ越してマイホームにたどり着くとインテリアを身近に感じるようになる。当時はラルフローレン好きが高じて新居のカーテンをポロショップに別注したり英国製の家具を取り寄せたりと拘ったものだ。中でもテーブルウェアは一番のお気に入り。一度にフルセット揃えるのが難しくてコツコツ集めたことを思い出す。

何しろ豊富なラインナップはラルフの十八番。テーブルウェアもカジュアルな陶器からドレッシーな磁器まで幅広い。気がつくとキャビネットの大半はラルフの食器で埋め尽くされていた。残念ながら服と違い形あるものはいつか壊れる。不注意で割ってしまい落ち込んだこともある。それでも諦めずにebayに出品されるのを待ち続け、欠けたのと同じ食器を見つけた時の安堵感が忘れられない。

そこで今回はラルフローレンのテーブルウェアを紹介しながら食器の魅力を探ってみようと思う。

※扉写真はラルフローレンのボーンチャイナ

【Ralph Lauren Tablewaer】
① アナリア
ラルフのテーブルウェアで人気だったアナリア(Annalia)シリーズ。カップの持ち手やクリーマー、プレート縁の金彩がなんともゴージャスだが純度は純金(24K)に近い23Kもあるとのこと。アメリカや日本を行き来して来客用に6客揃えた。手前のエスプレッソ用カップ&ソーサーだけ目下2客なので6客揃えようとフリマサイトをチェックしている。

②ティータイムの楽しみ
紅茶を楽しむならティーポット、シュガー、クリーマーの3点は是非セットで揃えたい。かなり大きなティーポットだが紅茶を美味しく入れるには茶葉がお湯の対流で上下するのがコツ、対流の起きやすい大きな丸い型がベストらしい。そのまま注ぐと茶葉も一緒に出てくるのでティーストレーナー(茶漉し)を別途用意。紅茶を楽しむには準備が大事だ。

④ ダブルネーム
1993年にスタートしたラルフローレンのテーブルウェア。カップの底面を見るとラルフローレンのポロマークとウェッジウッドのダブルネームに英国製ボーンチャイナの表記が入っている。滑らかな表面と白磁の2倍の強度をもつボーンチャイナはその名のとおり牛の骨灰を混ぜて焼成したもの。ウェッジウッドの創始者が考案した手法だ。

⑤プレートの種類
プレートの大きさも様々。写真は上からケーキ、スープ、ディナーを重ねた図。右横がサラダプレートだ。これを6客分揃えるのも結構時間がかかった。一番大きなディナープレートは直径27㌢、6皿並べられるテーブルだとかなりスペースを取るが、両サイドが伸びるドローリーフテーブル(英国製)があると普段場所を取らないので助かる。


【スコーンを楽しむ】
〜スコーン味比べ〜
① ロダス
紅茶のお供といえばスコーン。写真はクロテッドクリームで有名なロダスのスコーンだがお約束の「狼の口」がしっかり見えている。本場英国(実際はスコットランド)に行かずとも新宿のデパ地下で買える幸せよ…。「ご一緒にクロテッドクリームは?」と聞かれるが、乳脂肪度の高い生クリームを瓶に入れて振った代用クリームもかなりイケるので試してみて欲しい。

②デメララ
一方こちらは同じ新宿の駅ナカにあるデメララのスコーン。ロダス同様「狼の口」がナイフの入刀を待っている。見た目はロダスと殆ど変わらない。ひょっとして同じ工場かと思うほど似ている。せいぜいてっぺんの焼き色が違うくらいか…このデメララベーカリー、創始者は世界大会優勝の実績を持つライアンスメドレーという職人さんとのこと。

③ ミルクティーを
英国のミルクティー論争は有名な話ネタ…紅茶にミルクかミルクに紅茶かで長年論争している。自分は紅茶にミルク派だがそのミルクを「予め温める」か「冷たいまま」かで更なる論争もある。日本ではせっかくの熱い紅茶に冷たいミルクを入れて冷めるのを嫌う人も多いようだが英国では猫舌の人も多くキンキンに冷えたミルクが意外にも主流だとか。

④ クリームティー
クリームティーなる言葉があるそうな。ウインナーコーヒーの紅茶版かと思いきやミルクティー、スコーン、クロテッドクリーム、イチゴジャムのセットをクリームティーと呼ぶとのこと。写真はロダスのブルーベリースコーンに自家製代用クロテッドクリーム+イチゴジャム。ブルーベリーの風味を味わうならいちごジャムは少なめ…がいいようだ。

⑤ スコーン食べ比べ
せっかくなので同じプレーンでロダスとデメララの新宿スコーン対決…と思ったが両者味の違いは殆どなく、食べているうちにどちらか分からなくなってしまう。スタバと同じように温めると香りが立つので試してほしい。値段はロダスが281円、デメララが250円。価格差と駅ナカで買える気軽さで我が家の「クリームティー」ではデメララがやや優勢か。

【ケーキを楽しむ】
ティーカップにコーヒー…
本来はコーヒー好き、スコーンと紅茶も良いがケーキとコーヒーの王道コンビも捨てがたい。ただ口が広くて薄いティーカップにコーヒーを注ぐと早く冷めて香りを楽しめないのでコーヒカップにすべしという声も聞く。そこで写真のアナリアのようにコーヒー紅茶兼用カップが誕生した。リーシェイプと呼ばれるもので今はこうした兼用タイプが主流らしい。

② Tarte aux pêches
東京のお隣山梨県は6月から9月が桃の収穫時期。新鮮な白桃をカスタードクリームを敷いたタルトの上に乗せてナパージュを塗りココナッツで飾り付けした期間限定のタルトは涼味満点。山形と並んでフルーツ王国と呼ばれる山梨はぶどう狩りや桃狩りにさくらんぼ狩りと楽しみもたくさん、ドライブがてら桃の箱買いに行くのもまた楽し…。

③ ハンプトンフローラル
再びラルフローレンのテーブルウェアに話を戻して…。こちらはカーテンや寝具にも度々登場する鮮やかなローズプリントのマグカップと兼用カップのハンプトンフローラル(Hampton Floral)。並々と注いだ特大のマグカップでアメリカンコーヒーを楽しむイメージだが、それにしても隣の兼用カップと比べてなんと大きいことか…。

④ チョコレートケーキ
こちらはチョコレートとアーモンドクリームを層に重ねたバイヨンヌ。スペインとの国境に近いフランス領バスクの中心都市の名前が付いている。調べたらバスク地方はスペインからフランスにチョコレートが伝わった歴史的背景から、パティスリーやチョコレートの専門店が多いらしい。名物はガトーバスクとのこと…一度行ってみたいものだ。

【ラルフローレンを集める】
① メレディス
こちらはクリームとホワイトの淡いツートンが上品なメレディス(Meredith)。ティーカップとソーサーを中心に大きさの違うプレートを来客用に4客揃えた。この頃からラルフローレンのテーブルウェアも様々な理由で窯元を変更、2019年にはウェッジウッド自体が経営破綻してしまい、今では二度と作られない希少品となっている。

② キングチャールズペイズリー
こちらはキングチャールズペイズリー。スチュアート朝チャールス1世の名を冠したシリーズのカップ&ソーサー。いわゆるデミタスカップだがデミタスとはフランス語のDemi(半分)とTasse(茶碗/カップ)の合わさったもの…デミタスカップだとカップが重なるのでebayあたりではエスプレッソカップやデミタス&ソーサーと記している。

③ ポロクレスト
名前そのままといった感じのポロクレストシリーズ。古いラルフファンにはこのクレスト付きのBDシャツやブレザーが懐かしいはず。普通マグカップといえば飲み物が冷めにくい陶器や炉器(せっき)が多いがこちらはボーンチャイナ。しかもよく見ると取手の形がかなり違う。一つ一つ手作りしていることが分かると愛着も増す…。

④ ディランズグローブ
こちらは同じウェッジウッドながら底面にボーンチャイナの表記がないタイプ。窯元のウェッジウッドではアーザンウェア(硬質陶器)と呼んでいるシリーズだ。薔薇の花と星条旗がさりげなく入ったイラストのカップはカントリーな雰囲気満載、庭にテーブルを出して自然の中でコーヒーやティーを楽しむのに良い。

⑤ カジュアルシリーズ
こちらもアーザンウェアシリーズ。右上のボール&ソーサーはその名もズバリ「デニム」。手前のストライプはこれまたピッタリな名前の「ボタンダウン」、下のプレートは「ハンカチーフ」になる。上質なボーンチャイナシリーズから徐々に普段使い用にカジュアルでリーズナブルな陶器のラインナップが増えた中期~後期のコレクションだ。

テーブルウェアといえば「いったい何客揃えればいいのか?」という悩みは結構多い。食器は消耗品と違って一度買えば割れるまで使う耐久消費財。揃えるのは初期コストもかかるし収納スペースもそれなりに必要だ。最近は一枚一枚違う皿に盛り付けるお洒落な食堂もあるくらいだから「揃える必要はない」という選択だって大いにありえる。

一方家族が増えると人数分揃えたいと思うのも自然なこと。家族が4人に増えれば4セットだが和食器のセットは5客が多い。4人家族+予備という説や偶数は「割れる」ので縁起が良くないからだとか…因みに西洋は12進法が主流、半分の6客セットが標準らしい。我が家も来客用に最大6客用意したが、偶数は「割れる」と聞いてドキッとした。

コロナ禍で海外旅行もご無沙汰だが、そろそろ予約を入れようと思案中。久しぶりにフィレンツェへ行って手書きのパスタ皿でも買って帰ろうかな…ふとそんなことを思った。

By Jun@Room Style Store