アウトレット詣で | Room Style Store

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2023/02/12 09:50


英国靴の聖地ノーザンプトンに行くと大抵工場の一角にファクトリーアウトレットがある。アウトレットとは規格外や展示品、型落ちなど「訳あり」商品を指すが、そうした在庫品を売る店が集まり80年代のアメリカでアウトレットモールが誕生した。日本でも1997年に軽井沢、1998年に横浜、2000年にはアメリカ資本と提携したアウトレットモールが御殿場に開業。観覧車目当てに子連れでよく訪れた。 

当時アメリカのアウトレットモールには核テナントとしてPOLOが一等地に店を構えていたが日本では全く出店せず、大事なピースが欠落した状態は魅力も今ひとつだった。ところが2007年にPRLジャパンが米本社の完全子会社になるとラルフローレンのアウトレットへの出店が一気に加速、小さな店舗から始まった御殿場のポロラルフローレンも今や振り返れば富士山を一望できる一等地に店を構えている。

そこで今回は久々の御殿場プレミアムアウトレットにバイクで出かけた時の様子を書いてみようと思う。

※扉は富士アウトレットモールと富士山

(1) バイク日和
寒空が続く毎日だったが日中気温の高そうな日を選んで出発。といっても朝の時点で気温は一桁、御殿場まで100㎞を高速道路で時速80㎞で走り続けるのは苦行に近い。それでもバイクを選んだのは3月末のETCポイント還元まであと少しのところまで来ていたから…ちょうど御殿場往復で達成するとなればマイレージを稼ぐチャンスだ。

(2) 給油
今回もユニクロのヒートテックを着込んで出発。高速道路に入る前セルフに立ち寄りガソリンを補給した。あまり入らないがタンクの上端まで満タンにしておくと安心できる。このハーレー、タンク容量が少ないので携行ガソリン缶をフォルダーごとバイクに括り付けるライダーも多い。自分も近いうちに試してみようと思う。

(3) 足柄SAで一休み
あと数キロで御殿場出口という足柄SAで小休止。雲の合間から富士山が見える。それにしても高速走行の寒かったこと…フードコートで暖を取っている間も震えが止まらない。シバリングというそうだが低体温症の初期症状とか。陽の当たる場所で体温上昇を待つ変温動物のように暫らくじっとしてからバイクに戻った

(4) 駐車場に到着
駐車場に到着。アウトレットモール横の一番古い駐車場は開店直後とあってガラガラの状態。バイク置き場は自分のバイクのみ…やはり真冬のツーリングは無謀だったか。それにしてもヘルメットホルダーはもちろん車検証すら入れるスペースのないフォーティーエイト。使い勝手の悪さは相当なものだがそれを上回る魅力がある。

(5) ショッピング開始
開店直後のモール。ウエストサイドの端、シェイクシャックやグッチのあるあたりだ。開店前かと思うほど閑散としている…通によれば金曜日は商品が大量に並ぶので混むらしい。この日は水曜日ということで客足も鈍かったのだろう。昔のようにインバウンド客で朝から激混みだったことを思えばのんびり過ごせそうだ。

(6) アメトラの関所
アメトラ好きの関所ブルックスブラザーズ。2000年のオープン以来必ず立ち寄っている。振り返ればブラックフリースやオウンメイクが買えた頃が一番充実していたと思う。経営再建後の米ブルックスは品揃えが今一つ…日本のブルックスに期待したいがここでは欲しいものが見つからずイーストサイドに移動。

(7) 夢の大橋
イーストサイドに向かう途中「夢の大橋」から振り返って富士山を望む。足柄SAで見た時は雲の合間だった富士山が顔を出していた。例年より雪は少な目、そういえば「昨年末から今年1月にかけて歴代2位の無降水継続日数を記録した」とニュースで言ってたのを思い出した。今冬の富士山は雪が少な目のようだ。

(8) アウトレットの顔
橋を渡り終えると目の前に現れるのが核テナントのポロ。ポロポニーの看板を掲げるだけで来場客は遠くからすぐに分かる。正にブランドのアイコンだ。店内はアウトレット専売品が多いもののパープルレーベルとRRLのコーナーが出来ていた。ここもブルックス同様琴線に触れるものはなし…早めに退散した。

(9) アウトドアグッズなら…
お次はポロファクトリーストアのすぐ横にあるL.L.ビーン。アメリカ製のラグソックスを探しに入ったがコットンが少々あるのみ。後はトートバッグのお買い得品が並んでいた。昔イニシャルサービスを利用してアメリカから取り寄せたトートが今も現役の我が家…一度は買おうか迷ったが見送って他店に移動。

(10) マックの品揃え
イーストサイド一番奥にあるマック。ライセンスものの「マッキントッシュロンドン」とは異なる純英国製マックが買える。最近はボンディングタイプのゴム引きコートよりお洒落なコートも多い。ただ秋冬物が中心なのか色は控えめ…気分は既に春なので目の保養に一通り見てから移動した。

(11) 三大セレクトショップ(UA)
かつてプラダのあった場所に移転したUA(ユナイテッドアローズ)。お互いスウィッチしたことでバスターミナルほど近いプラダは行列ができるほど。一方UAは一番奥という立地のせいかパスしてしまいがち。コロナ自粛解除後オールデンがセールで出ていたこともあったが円安のご時世インポートものは皆無だった。

(12) ヒルサイドテラスへ
御殿場アウトレットモールの前身小田急ファミリーランドの跡地を利用して増設されたヒルサイドテラス。宿泊棟(ホテル)と温浴施設が併設されるなど買い物好きのとって夢のようなエリアだ。以前からイベントスペースにときおり出店していたJ.M.ウェストンも日本で唯一御殿場に店を構えている。

(13) 三大セレクトショップ(ビームス)
ビームスといえば昔渋谷にアウトレットショップ(2階まで外階段で行くしかない)があった頃は結構通い詰めた。店頭に並んでいたものがリーズナブルに買える密かな穴場だったことを思い出す。残念ながらアウトレットモールのビームスはそうもいかず…アイビー調のビームス+を探したがサイズ切れで店を後にした。

(14) 三大セレクトショップ(シップス)
かつてJ.M.ウェストンを日本に初めて紹介したシップス。ウェストンジャパン設立後は扱いがなくなり一時期ご無沙汰状態が続いていたがこのところ贔屓筋になっている。サウスウィックやバリーブリッケンにギットマン等々、気になるアイテムが目白押しだ。店内奥にアイクベーハーのOCBDを発見…試着後即決購入。

(15) アイクベーハーのBDシャツ
色ち買いした3枚の春色BDシャツ。パステルカラーかはたまたシャーベットカラーか…如何にも春らしいナイスな色目。パッカリングの出た肉厚なオックス地がそそる。洗いざらしで着るのが似合いそうだ。フリーダムフィットらしいゆったりしたサイズ感、タックアウトOKな短い着丈もいい。タグがなければJプレスとうり二つだ。

(16)  バックボタンとロッカーループ
アイビー世代はディテールにこだわる。BDシャツは襟後ろのバックボタンとロッカーループやボタン留めフラップポケットが本格派と教わってきた。おまけにアイクベーハーならではのダイヤモンドキルトの台襟やスプリットヨークにガウントレットボタンなど拘り満載、これは買わないわけにはいかない。

(17) タイと靴の選択(イエローBD)
帰宅して早速コーデを思案。まずはイエローのBDシャツに黄色のストライプ入りネクタイを置いてみる。靴もオールデンと行きたいところだがシャツの色目にピッタリな金茶スエードのJ.M.ウェストンを敢えて投入。履き心地も軽やかなマッケイ縫いのルモックなら丸の内でも表参道でも新宿でも気分はパリの街角か…。

【着こなし例①】
シャツの色に合わせて創業200周年記念エンブレム付ブルックスブラザーズのブレザーを久々に着用。やはりブレザーはいつ着ても良い。テイラードものは卒業したがブレザーだけは別腹。トラッドマンは「ブレザーに始まりブレザーに終わる」といわれる。今オーダー中のブレザーができるのが楽しみだ。

(18) タイと靴の選択(グリーンBD)
次はペパーミントグリーンのBDシャツ。昔からグリーン好きなせいかこの手のシャツを見るとつい手が出てしまう。ネクタイはグリーンを拾ってリネン100%のキャンベルタータン、同様に靴も緑のラインが決め手のリボンローファーを用意。どちらもラルフローレンらしいプレッピー風味満点のアイテム。

【着こなし例②】
ブレザー好きということでお次は3ツボタン段返りのドスキンブレザー。仕立ててから既に17年経つ。アームホールやチェスト部分の裏地がだいぶ擦れてきたがそれだけ着る機会が多いということの証。近いうちに裏地の総張替えを英国のテイラーに出す予定なので詳細はこのブログで紹介したい。

(19) タイと靴の選択(ピンクBD)
最後のピンクBDには同系色のローズピンクタイと赤みの入ったカラー8のコードバンローファーでアメリカントリオを結成。試しにアメリカ本国のアイクベーハー公式サイトを見たがこんなアイビー調のBDシャツなんて全く見当たらない。発注主が細かく指定したのだろうか、ショップのセンスが良く分かる別注品だがシップスは流石だと思う。

【着こなし例③】
最後はブルックスブラザーズのメーカーズブレザーで王道のアメトラスタイル。バリーブリッケンのチノパンとコーチのレザーベルトはどちらもアメリカ製。時計とイタリア製ネクタイ(ラルフローレン)以外はオールアメリカンだ。桜の季節になったらこんな格好で鎌倉の若宮大路を歩いて花見ついでに鎌倉シャツにでも行こうか…。

(20) 足柄SAで小休止
マイレージ獲得のため無理してバイクで御殿場まで来たが、帰りは天気予報どおり気温も14度と絶好の春日和。朝の寒さが嘘のように穏やかな日差しが広がる。行きと同じ足柄SAで給油のため立ち寄りついでにスターバックスで小休止。マグカップに注がれたカフェミストで英気を養って後はノンストップ、一路東京へ。

(21) 帰路
帰りのSAでもバイク置き場に他のバイクは皆無…バイク好きがツーリングに出かけるのはもう少し春が近づいてからなのだろう。24か月点検を終えたバイクは快適…今回も含め3年間の定期点検時は各部のチェックにオイル交換が全て無料、更に初回の車検時点検もカバーするメンテナンスパッケージのおかげだと思う。

最近、埼玉県の深谷市にオープンした「ふかや花園プレミアムアウトレット」や2024年開業予定の「京都城陽プレミアムアウトレット」など三菱地所とアメリカ資本のサイモンが運営を行うプレミアムアウトレットは攻めの姿勢が続く。繊研新聞によれば2021年度SC(ショッピングセンター)売上日本一だったのが今回訪問した御殿場プレミアムアウトレットだった。

これはアウトレットモールとしても初の1位。因みにコロナ前の2017年度のアウトレット売上ランキングを見ても御殿場はアウトレットモールで1位、全ショッピングセンターでも3位となっていた。コロナ過を経て更に集客力を伸ばしている様子が窺える。ただ元ブランド勤務の知人によれば専売品ではない売れ残りの上物は軽井沢ショッピングプラザに送るらしい。

次回はもう少し暖かくなったらバイクで軽井沢に行こうと思う。ただし距離は1.5倍、一泊するのも悪くない。

By Jun@Room Style Store