スローハンド健在 | Room Style Store

Blog

2023/04/23 16:10


グラミー賞を何度も受賞したロック界の巨人、エリッククラプトンが4年ぶりに来日した。4月21日のコンサートが海外アーティスト初の「武道館100回公演」にあたるそうだ。1974年10月に29歳での初来日から49年目での快挙と共にこの3月末に78歳の誕生日を迎え、単独公演最年長記録の更新も達成するという。

自身新型コロナに感染し、公演が一部中止になったものの昨年は欧州と北米でツアーを実施。来日前クラプトンは「80歳になってもステージに立ってギターを弾き歌を歌いたい」と話していたそうだ。来日最多記録(96回)の更新や矢沢永吉の持つ武道館公演回数1位(119回)を抜くことも夢ではなさそうな勢いを感じる。


そこで今回はスローハンドの異名をとるエリッククラプトンの来日コンサートの様子を書いてみたい。

※扉はチラシとECモデルのギター

(1) 久々のコンサート
昔と違って今時のチケット購入はネットから…しかも受取は最寄りのセブンイレブンと便利。ただし抽選なので結果は後日というのがもどかしい。幸運にも家族全員分のチケットをゲット、100回公演日の21日ではないが春から縁起が良い…YouTubeで昔の武道館ライブを見ながら当日を心待ちにしていた。

(2)  九段下へ向かう
さてコンサート当日。武道館の最寄り駅といえば九段下の2番出口。入場は三々五々集まるので比較的スムーズだが帰りは一気に人が押し寄せるので一駅先の市ヶ谷まで歩くのがお薦めだとか。親切なアドバイスまで載っているネット上…だが近いうちに質問すればAIが即答する時代になるのだろう。

(3) 北の丸公園へ
78歳を迎えたクラプトン、往年のファンとなれば客層もシニア世代かと思いきや若い世代も大勢いる。北の丸公園入口では「今武道館前、息子と一緒にエリッククラプトンのコンサートに行くところ…。」なんて電話しているご婦人もいた。家族でコンサートに行けるアーティストもそう多くないのでは…と思う。

(4) 田安門をくぐる
立派な門は旧江戸城の田安門。くぐった後振り返って写真撮影。18時開場で19時開演だがグッズ先行販売に合わせて早めに到着。北の丸公園で憩う人々にインバウンド観光客も加わり武道館前は大賑わいだ。確か1979年に来日したイーグルスのコンサート以来久々の武道館…周りの様子もすっかり変わっていた。

(5) コンサート会場
主催はウドー音楽事務所、スポンサーに黒沢楽器とマーチンギターが名を連ねている。昔から「マーチンのギターが欲しいな…」と思っていたらコンサート会場のフライヤーの裏面にドンとマーチンのOOO-28ECモデルが載っている。レギュラーのD28よりお値段高めだが「音の鳴りが違う」らしい。

(6) グッズを買う
記念グッズはTシャツとパーカをお買い上げ。服屋のように各サイズ見本が並んでいないのでサイズ感が分からず無難にM(Tシャツ)とL(パーカ)にした。色は二の次ここはロゴやイラストで選ぶのが正解か。とはいえ出足が遅いので記念のギターピックや当日限定販売ものは既に売り切れ、結局定番ものに落ち着いた。

(7) 開場
開場して席からステージを見渡した写真。出演者のやや斜め後ろと顔を見られないのが残念だが「音楽を聴きに来たんだから…」と納得して立ち位置をチェック。上手側にピアノ(E)とベース、中央の絨毯スペースがクラプトン。下手側にギターとオルガン、写ってないが下手ドラム横にはコーラス席がある。

(8) ベストアルバム
クラプトンで一番聞くのがクロニクル。この中からプリテンディングとワンダフルトゥナイト、ティアーズインヘブン、レイラの4曲が演奏された。他にもクリーム時代のバッジや得意のブルースなど…エレキ→アコースティック→エレキの3部構成で1時間45分のコンサートは一気にアンコールまで盛り上がる。

(9) 注目メンバー
今回のバンドメンバーで注目していたのがベースのネイザンイースト。長い付き合いのクラプトン以外にもボブジェームスやハービーメイソンらと組んだフォープレイ(Four Play)でのプレイが印象的だ。スキャットしながらユニゾンでベースを弾くジョージベンソン顔負けのプレイなんて最高だ。

(10) フライヤー
会場のフライヤー。写真はデニムオンデニムの何気ない格好だが実はかなりお洒落なクラプトン。FLASHによれば裏原系だとか、原宿のとんかつ屋が行きつけらしい。当日のファッションも履き込んだデニムにコンバースのワンスター(青)…仲良しといわれる藤原ヒロシさん経由だろうか…。

(11) 来日記念Tシャツ
コンサートのトリは「レイラ」。観客度総立ちの中ピアノコーダで最高潮に。終了後はお約束のアンコールを一曲披露して大団円…ネット上のアドバイスどおり市ヶ谷駅から帰路へ。記念Tシャツのイラストもコンサートに相応しく、クラプトンのストラトとマーチンの音色を堪能した夜だった。

(12) 着てみる
翌日Tシャツを試着…サイズはMで丁度のようだ。製造はユナイテッドアスレの6.2オンスにプリントされたものらしく、公式HPでもシルクスクリーンによるオリジナルプリント例が掲載されている。丸胴編みのボディは着心地も悪くない。写真では見えないが背中側にECの頭文字が付いている。

(13) ECパーカ
記念グッズもう一つのパーカはプリントスター別注。多分生地は8.4オンスでコットン100%の軽いタイプの方だろう。無地のオリジナルは3,300円だがエリッククラプトンのイラスト入り記念グッズは7,500円…鹿の子ポロシャツにワニのマークが付くと値段が一気にアップするのと同じようなものか。

(14) 着てみる
パーカはサイズ大きめでも問題なし。しかも収縮色の黒だからダブダブにも見えない。縫製はベトナム…最近中国から少しずつ他国へシフトが進んでいるようだ。それにしても肌触りの良いこと。ポリエステル混の分厚いパーカばかり着ていたからだろうか、軽くて今の季節にピッタリだ。

(15) バックシャン
オリジナルの倍以上の値付けだが背中のピック型イラストは中々格好いい…下のバーコード状のイラスト部分もギター弾きならすぐ分かるフレットを模したもの。黒のスウェット類は着ているうちに白けるのが嫌で買わなかったが「ネットに入れて洗濯」「陰干し」「蛍光増白剤なしの洗剤」が効果的とのこと。

(16) フェンダーECモデル
ステージ上でのクラプトンはクリーム色とペパーミントブルーの2本を弾いていたがこちらは赤のクラプトンモデル。当ブログで度々登場してる96年発売フェンダー50周年記念エリッククラプトンモデル初代だ。クラプトンといえば黒のストラト(ブラッキー)が十八番だが赤いストラトも様になりそうだ。

(17) 22フレット
昔のストラトは21フレットだがこのクラプトンモデルは22フレットまである。大学時代のバンドサークルでもフレット数の違いが話題になったものだ。レスポール派とフレットの1つ少ないストラト派のソロ合戦は白熱してたが、あの時もしクラプトンモデルが発売されていたら形勢は逆転していたかもしれない。

(18) クラプトンのサイン
旧ロゴとクラプトンのサイン入りヘッドに惹かれて発売後すぐに海外で購入。当時は1㌦108円だったが最近は1㌦134円…じわじわと円安に進んでいる。でも思い返せば舶来ギターのギブソンを初めて買った頃なんて1㌦240円の超円安時代、輸入品が高値の花だった頃を思えば今だって充分円高だ。

(19) コーディングス
如何にも英国調のジャケットはロンドンのピカデリーサーカスに店を構えるコーディングスのもの。クラシックな英国調の服を揃える名店のオーナーが実はエリッククラプトンだと知らない人もいよう。クラプトン自身この店のファンだったようで他にも著名なミュージシャンがよく買い物に来るらしい。

(20) 派手な裏地
派手な裏地はサイケ時代のクラプトンにも似ている。面白いのが裏地に織り込まれたCORDINGSの文字。なんとギターシェイプになっている。もしかしてオーナーであるエリッククラプトンへのオマージュだろうか。コロナ禍を乗り越え今も健在なコーディングスにこの夏久々に立ち寄ってみようと思う。

(21) 着てみる
最近ご無沙汰のジャケットスタイル。Vゾーンの狭い3ッボタンジャケットこそコーディングスの肝、デザインを変えることなく毎年作り続けている。その世界観はクラプトンと相通ずるものがあるらしく輸入元の真下商事によれば「クラプトンは毎シーズンツイード生地の選定に参加している」らしい。

観客動員数で見れば東京ドーム公演なら5.5万人を収容できる。武道館が1.5万人なのと比べてキャパシティの差は歴然としている。それでも武道館が「ロックの聖地」と呼ばれるのは訳がある。調べてみると1966年にビートルズが公演を行ったのがきっかけで海外の大物ミュージシャンがこぞって武道館を指定したらしい。

武道館での100回記念公演を終えたクラプトンだが母国イギリスではロイヤルアルバートホールでの公演が既に200回を超えているという。収容人数は7000人とやや少ないものの雰囲気がどことなく似ているロイヤルアルバートホールと武道館…クラプトンにとってはどちらも長年愛しつづけてきたコンサート会場のようだ。

この3年間、コロナ過で来日できなかったインバウンド客の回復とともに海外ミュージシャンのラッシュが続く日本。クラプトンの熱演がきっかけでコンサートに出かける機会が一気に増えそうな予感がしている。

Jun@Room Style Store