2023年春夏もの | Room Style Store

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2023/06/14 06:46



街で買い物する機会がとんとなかったので久しぶりに原宿へ…お目当てはラルフローレン表参道店だ。10時開店に合わせて家を出たのに店に着いたら開店は11時とある。仕方ないので近場のカフェで一休み。せっかくなのでオンラインショップでお目当てを下調べ…頃合いを見て人混みの表参道を店に引き返した。

一時期は銀座・原宿・鎌倉・神戸と4か所も路面店を構えていたラルフローレンも今や全商品揃っているのは表参道のみ、買い物するならまず押さえておきたい店だ。店に入ったらポロコーナーを抜けてパープルレーベルを横目に一番奥のRRLへ。田舎暮らしの身にはドレスものよりワークウェアがしっくりくる。

そこで今回はRRLの2023年春夏ものショッピングの様子を書いてみようと思う。

※写真は2023年春夏もののカタログ表紙

(1) アメリカ製の限定ものから
まずは店員さんに「限定もののデニムを2型」お願いして試着室へ。どちらもアメリカ製だ。カフェで下調べしていたのでリクエストはスムーズ、あとはマイサイズありを願うばかり。元々限定ものに弱い性格だがデザインや縫製、素材に至るまで限定品にはそれだけの魅力がある。

(2) スリムフィットから
最初はスリムフィットの耳付きデニムを試着。昨年秋冬ものはダークなオリーブ色だったが今季は春夏らしいライトな色。店員は「グレー」と言っていたがオイスターに近い感じか…。RRLでは久々のホワイト系だがブレザーからパッチマドラスまで重宝しそうな色合いにまずは1本お買い上げ。

(3) セルビッジ(その1)
昨年の秋冬ものは12.5ozだったが春夏ものは若干軽めの12.25ozデニム。フラッシャーを見るとサンフォライズドシュランクとある。洗濯後の縮みを気にせず履けそうだ。秋冬ものよりウェストを2インチ下げての試着だったが結果オーライ。ジムで鍛えた甲斐があったようだ。

(4) スレーキ
ポケット裏地にはJAPAN WOVENの文字が。ホワイトオーク廃業後はジャパンデニム一択のRRL限定だがそのホワイトオーク工場跡地ではプロキシミティ(Proximity Manufacturing Company)が伝説の生地を復刻し始めている。RRLも採用してオールアメリカンデニムを再販してほしい。

(5) シルエット
平場に置くと股下が曲がっている。ガニ股風のシルエットをレディスものでは「バナナシェイプデニム」と呼んでいるとか。なんでも履いた時に足が綺麗に見えるらしい。確かに裾幅が狭くて足を通すのに苦労するけど一旦履いたら意外とゆとりを感じるのもそのあたりに秘密がありそうだ。

(6) 秋冬ものとの比較

左は昨年秋冬ものでW32-L30、右が今年春夏ものでW30-L30。どちらもスリムフィットだがウェストが2インチ異なると流石に見た目から違う。それでも買うのは股下30インチがジャストなレングスだから。購入後の裾上げは避けたい…となればウェストよりレングスで買うことになる。

(7) ビンテージ5ポケット
お次はビンテージ5ポケットの限定ものを試着。ジーンズは通常表が青(縦糸の色)で裏は白(横糸の色)だがこちらは表も裏も濃い藍色。ガーメントダイと見紛う。フラッシャーにはWARP(縦糸)もWEFT(横糸)もインディゴ染めした糸を使用とある。なるほど両面真っ青なのも頷ける。

(8) セルビッジ(その2)
写真では分かりづらいが白地部分にピンクのラインが入った赤耳仕様のデニム地は15oz。春夏ものにしては地厚だ。ステッチはオレンジより淡いベージュ系だし糸の番手も高いのだろうか…遠目には濃いインディゴのデニム地に埋もれてよく見えない。まるでネイビーのチノパンみたいだ。

(9) リミテッドエディション
腰裏に付く限定タグ。以前は限定200本や100本のものまであった。それにしてもデニム裏側のインディゴ色の濃いこと…汗で色移りしないだろうか。白Tシャツや白BDシャツ、淡色のポロシャツは要注意、あとは裾裏からの色移りもあるのでスエードブーツや淡色スニーカーも御法度だろう。

(10) フィット
オンラインショップの説明によればこのビンテージ5ポケットは「一番深い股上とストレートレッグで仕上げたラルフローレンの中で最もリラックスしたシルエット」らしい。最近はドレスパンツを履く機会が減って楽なデニムばかり。洒落た内羽根靴の出番が中々来ないのも仕方ない。

(11)  シルエット
最初のスリムフィットとは真逆の寸胴な股下と幅広な裾が特徴。ホワイトソールのレッドウイングを合わせたくなる。この記事を書いている最中もいつのまにかゴールドラセットのプレーントウブーツを検索していた…危ない危ない。デニムの中で最も値段が張るとはいえこちらもお買い上げ。

(12) 昨シーズンものとの比較
昨年秋冬ものと今年春夏もののビンテージ5ポケット比較。左(秋冬もの)はネップ入りの軽い11.5oz、右(春夏もの)はずっしりとした15oz。試着した時から「春夏ものにしては地厚だな。」と感じたがまさか昨年秋冬ものと今季春夏ものの入荷順が逆だったのか?なんて想像してしまう。
 
(13) ビンテージ5ポケット(その1)
こちらは何年か前のビンテージ5ポケット。どちらも新品だが長年履き込んだような風合いが見事だ。初期のRRLより技術が進歩したのでビンテージ加工も絶妙だ。縦落ちやペンキの飛んだ跡、膝の破れやミシンによる修理跡など真っ新なリジットデニムをここまで育てるのは容易じゃない。

(14) ビンテージ5ポケット(その2)
バックポケットのフラッシャー。WEST COASTは日本製デニムだがEAST-WESTは日米合作。①テネシー産の生木綿を日本の岡山で綿糸にして②レッドブルーキャストのインディゴ液でロープ染色を行う。次に③シャトル機で織り上げ④再度アメリカに送って製品化…正にEAST(米国)-WEST(日本)なデニムだ。

(15) 特典
ラルフローレンのメンバーシップにLINE登録すると会員特典がある。今回は買物額に応じて貰えるギフトカードだった。次の支払時に合計額の20%分まで使えるようだ。デパートでも独自の特典があるがネットショップ付与のポイントより還元率は高い。たまには店舗で買い物も悪くない。

(16) RRLマグカップ
こちらは限定ものでもアメリカ製でもないがいつの間にかシーズン毎に買い集めてるマグカップシリーズ。初期は貫入と呼ばれ表面がひび割れた仕上げがだったが最近は滑らかな表面になっている。取り扱い説明欄を読むと「食洗機の使用可」だが「電子レンジの使用不可」とのこと。

(17) チョアコート ロゴマグ
チョアコートにロゴの入ったRRLらしいデザインのマグ。因みにチョアコートの綴りはChore Coat…毎日行う作業(Chore)用のCoatつまり作業着ということか。古着屋のサイトではカーハートやビッグマックにオシュコシュのカバーオール(和製英語)をチョアコートとして紹介している。

(18) 炻器
ストーンウェアは陶器の一種。ただし高温で焼成されたものでオーブンで使用できるものもあるそうだ。日本語では炻器(せっき)とも呼ばれ鉄分を多く含む粘土が原料。有名どころでは備前焼や越前焼が炻器に当たるとか。ワークウェア好きな今の自分にはWORKWEAR BRANDの文字がグッとくる。

(19) パターンドロゴマグ
こちらは手織りのネイティブラグにインスパイアされたパターンとロゴを組み合わせた絵柄。確かにラルフではお馴染みの柄が並んでいる。それに上下のストライプなんて昨シーズンのカーディガンとそっくりだ。マグシリーズは息の長い商品だけあって絵柄も年々グレードアップしている。

(20) 柄合わせ
昨シーズンのカーディガンと一緒に撮影。よく見れば多少の違いはあるがパッと見はそっくりだ。今は暑いので紅葉の季節になったら写真のカーディガンを羽織ってマグカップを片手に信州の山小屋で撮影でもしてみよう。ラルフ御大のRRL牧場とはいかないが絵になる一枚が撮れるかもしれない。

昔は今よりずっとアメリカ製のアイテムが多かったラルフローレンだが今ではメンズの全アイテム2219件中1321件が中国製、なんと6割近くに達する。それでも以前と比べて減少気味、代りに増えてきたのがインド製で全体の353件とほぼ16%。米中デカップリングの影響があるかもしれない。一方今季のアメリカ製は27件、全体に占める割合は僅か1.2%しかない。

実はRoom Style Storeの売れ筋No.1はアメリカンブランド、しかも米国製が好調だ。元々店の品揃えがアメリカ製にこだわっていることもあるが、アメリカントラッドをリアルに体験した世代やアメカジ好きにとってMade in USAには格別の思いがある。人は歳を取ると原点に返るもの。毎シーズンお気に入りのRRLでアメリカ製品を手に入れるのも回帰現象だと思う。

By Jun@Room Style Store