キャップに凝る(続編) | Room Style Store

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2023/07/17 08:31


前回のブログでも触れたがこのところ「外出時の着帽」が欠かせない。3連休中日の日曜日も首都圏では38℃超えの真夏日…あまりの暑さに帽子のない訪日外国人旅行客が急遽麦わら帽を買ったり日傘を試したりする様子がTVで放映されていた。これで暑さ指数世界20位というのだから地球温暖化の影響は深刻だ。

旅行客に限らず道行く人々の頭を守る帽子は熱中症対策に有効な手段の代表格。脳の温度を適正に保つことで体温調節機能によって発汗や水分と塩分のバランスを取りながら熱中症のリスクを下げるという。ファッションアイテムである以前にシートベルトやヘルメット同様身体を守るセーフティギアと言えよう。

そこで今回は熱波の続く欧州旅行を前に追加購入したキャップを紹介しようと思う。

※扉写真は届いたばかりの宅配便の箱

(1) We BEAMS経由
こちらはビームス公式ショップからの配送品。店舗からの取り寄せということで注文から5日かかっての配送だったが無事到着。一目見て分かるように前回の「キャップに凝る」で紹介したBEAMS×NEW ERAのパッチマドラスキャップ。アイビー好きの心をくすぐるビームスらしい別注品だ。

(2) NEW ERA
アジャスター機能のあるストラップバック付きワンサイズの9FIFTYを柔らかく低めのクラウンで仕上げたレトロクラウン仕様。パネルはフロント2枚(NYのロゴが重なる部分)のみ軽量の裏地付きで残り4枚は芯地なしのアンストラクチャードキャップ。裏から覗くと透けて見えるほど…如何にも涼し気だ。

(3) ZOZO経由
もう一型はZOZOで購入。こちらは無地に同色ワンポイントのロゴがフロント部分に入る控え目なタイプ。素材はビームス別注同様コットン100%。使い込んで洗いを繰り返すうちに絶妙な色落ちとヤレ感が期待できる。こちらは注文してから3日で到着。クーポン利用でリーズナブルだった。

(4) BATTENWEAR
アーミー調の色合いが気に入って購入したキャップはBATTENWEARのもの。2011年に設立されたエンジニアガーメント出身の日本人デザイナーが興したファッションブランド。拠点はNYでアウトドアでもシティでも違和感のないデザインはアメリカ東海岸のファッションから着想を得ているという。

【参考資料①】
旅行用のキャップ
前回の欧州旅行はローマのボルサリーノで買ったパナマハットを被ったままミラノ、パリ、ロンドンを回った。クラシックなハットはお洒落度が高いもののバッグに仕舞えないなど携帯性に難あり。暴動が小康状態とはいえ今回のメインパリでは機動性を考えキャップで旅することにした。

【参考資料②】
前回被った帽子
因みにこちらが前回の欧州旅行で被っていたパナマハット。腰巻(リボン部分)が鮮やかなブルーに惹かれて購入、昔はなかった配色だ。パリでお洒落な店に入るなら身なりにも気を配りたい。今回はその予定もないのでキャップにしたが店にしてみれば身嗜みに気を使う客の入店は嬉しいものだ。

【参考資料③】
20年前のボルサリーノ
因みにこちらは20年以上前、多分ミレニアムの時にやはりローマのボルサリーノで買ったパナマハットだ。これでエルメスのジョンロブやウェストン、サビルロウなどあちこちに出入りした。ブリムのカールは取れてしまい真っ白だったクラウンも簾のように日焼けしているがまだまだ現役。

《NEW ERA》
(5) 9FIFTY
さてここからは追加注文のキャップを詳しく見てみる。まずは9FIFTYのレトロクラウンだがニューエラではフラットバイザーだけでなく少数ながらカーブドバイザーも展開している。ビームス別注版はフラットタイプ。前面のバイザーは頭の幅より広く、クラウンの縁も釣鐘状になっている。

(6) ステッカー
バイザーに付くシールから①レトロクラウン②ストラップバック③9フィフティ④リラックスドヘリテージフィットだと分かる。アイレットは6枚のパネル全てに付いている。NY(MLB:ニューヨークヤンキース)のロゴは立体的でワッペンのようだが機械による刺繍仕上げになっている。

(7) 公式シール
バイザーの表面には2枚のシール、裏面にはMLB公式のホログラム入りシールも付いている。MLB公認のオフィシャルサプライヤーということだろうか…。因みにMLB(米メジャーリーグ機構)では帽子を被るのが義務ではなく帽子を含め全選手が統一されたユニフォームを着るのが義務らしい。

(8) シール類を剥がす
最近知ったがこのシールを剥がさずそのまま被るのが一時流行ったらしい。剥がしたシールをバイザー裏面に移植したりシールを別途売るショップまであるとのこと。ブラックカルチャーの影響と言われるが夏の暑い日差しだとバイザーが日焼けしてシール跡がすぐに残りそうだ。洗濯を考え一気に剥がした。

(9) 共布ストラップ
ニューエラの公式サイトには同じパッチマドラスの9FIFTYが売られているがアジャスターは革ストラップでバイザーも茶(表)に緑(裏)の無地仕上げ。一方ビームス別注はストラップは勿論バイザーも表裏両面パッチマドラス仕様…6,050円のオリジナルより高い7,370円の定価も納得の出来だ。

(10) バイザーを曲げる
ベースボールキャップのカスタマイズというと思い浮かぶのがバイザーの曲げ。ボールを挟んでひもで縛るといった方法がポピュラーなようだが他にも丸みのあるパイプに入れてクセを付ける方法もあるらしい。スチールフレームのテーブルスタンドを用意してバイザーを差し込んだ図。

(11) クセ付け終了
顔の輪郭に沿ったバイザー。前から見た時顔の幅とバイザーの両端が近い方がフィットして見えるだけでなく顔が小さく見えるという効果があるようだ。バイザーの曲げは好みの問題だが「シールを取らずに残す」ならオリジナルにこだわってバイザーはフラットなままが良いという声もある。

(12) ソフトな雰囲気
顔の筋肉が減ると小顔になるかと思ったが顔が全体的に角ばるため却って顔が大きく見えるとか。とはいえ実際フラットバイザーのまま被ってみたのと曲げてから被ってみたのではだいぶ印象が違う。顔の輪郭もさることながら体付きも関係してくるのか…自分には曲がったバイザーがしっくりくる。

(13) クセ付け前後
同じキャップでフラットバイザーとカーブドバイザーの場合を比較してみた。ひさしの様に大きく張り出したバイザーも曲げることで目立たなくなる。それに曲げることでおでこがよりフィットするという声も聞く。その分後ろがやや余り気味になるとはいえアジャスター付きなら調節可能だ。

《BATTENWEAR》
(14) MADE IN USA
さてもう一方のバッテンウェアだがなんとアメリカ製だという。ニューエラは中国製だがかつてはMADE IN USAだったらしい。最近はドル高ということもありアメリカ製のキャップは軒並み1万円超え…それでもサマーセールを上手く利用して納得価格で購入。気兼ねなく旅行で使えそうだ。

(15) フラットバイザー
ニューエラより小ぶりなフラットバイザー。同色の糸で縫われたロゴは控えめだが山と海(湖?)をイメージしたのか如何にもアウトドアブランド系のデザインだ。とはいえ街中でも使えるよう多用途・多機能に加え長持ちで収納しやすいデザイン(携帯性)など抜かりはない。海外旅行でも重宝しそうだ。

(16) タグ
キャップの内側を見るとMADE IN USAのタグが目に入る。デザイナーの長谷川さんは元々ウールリッチで活動していたとのこと。製品の多くがアメリカ製なのも嬉しい。ZOZOタウンで見かけたナイロンアノラックなんてお買い得だと思う。今ではアメリカ製のアウトドア衣料そのものが希少だ。

(17) アジャスター
アジャスターはアウトドアブランドらしくサイドリリースバックル。子供っぽいスナップバックルよりぐっとアダルトな雰囲気だ。リーバイスのようにアメリカ製から撤退したビッグネームばかり目に付くが小回りの利くマイクロブランドからこうしてアメリカ製品が出されるのは喜ばしい。

(18) バイザーを曲げる
バッテンウェアのキャップも迷わずバイザーのクセ付け開始。フラットなバイザーを「厳つい」と評するブログもあるが言い得て妙だ。ニューエラ同様テーブルライトのシェードを利用したがネットで調べると大胆にも大きめのマグカップに先端から差し込むという荒業が載っていた。

(19) 変化
バイザーを曲げるとキャップの前縁が額に沿って綺麗にフィットする。手持ちの古いキャップはどれもバイザーが曲がっていたがキャップに凝って集め始めるとフラットキャップが多いことに気付く。多分製造過程や輸送面、販売面でもフラットバイザーの方が都合が良いからなのだろう。

(20) クセ付け前後
ニューエラのバイザーはクセ付けするとカーブがそのままなのに対してこのバッテンウェアは「つば芯」即ちバイザー内部が復元性の高いEVA芯なのか変形させても(写真下)暫くするとフラット(写真上)に戻ってしまう。その場合はドライヤーなどで熱を加えると形状記憶が可能になるらしい。

久々の海外旅行だがロンドンもパリも前回(2019年)より治安が悪いとのこと。現地に詳しい同胞からは①日頃着慣れた服装で過ごす②高価な腕時計はしない③ブランドもののバッグは持たない…要するに華美であったり目立ったり或いは金持ちそうに見える格好は避けるべきという助言を貰った。

因みに「世界平和度指数」で見るとロンドンのあるイギリスは37位でパリのあるフランスが67位に対して日本は9位、また「世界で最も安全な都市TOP15」ではパリが15位でロンドンが9位なのに対して東京は7位。共に2023年版だから渡航に当たって日本より危機意識を持つことが必要になる。

旅行に向けて新調したキャップは熱波の欧州で身を守るだけでなく着慣れた服装に一役買ってくれそうだ。

By Jun@Room Style Store