コロナ後の海外旅行(その1) | Room Style Store

Blog

2023/07/26 05:38


コロナ後初の海外旅行を一年前から計画していたがようやく出発を迎えた。前回は2019年だったから実に4年ぶりだ。靴や服のビスポークに出向いていた頃を思えば随分とおとなしくなったと思う。最近は円安と海外の物価高で外国に行くよりも国内旅行が人気とニュースで報道していた。

羽田空港に着くと早朝から出国ラッシュ、意外と海外に行く日本人も多そうだな…と思ったがどうやらインバウンド客の帰国が混雑に拍車をかけているらしい。機内持ち込みのセキュリティチェックを受ける人の長い列に並んで蛇腹のように折り返し進むと色々な国の言葉が聞こえてくる。

そこで今回から久々の海外旅行の様子を何回かに分けて紹介しようと思う。

※写真はJALのラウンジメニューから

(1) さくらラウンジ
チェックインを済ませ長い列を牛歩のごとく進んで保安検査を終了…ゆうに30分は並んだだろうか。その分機械に読み込ませるだけの出国審査で時間を大幅に短縮、おかげでラウンジで過ごす時間もありそうだ。写真はJALのラウンジから見た外の様子。今日も真夏日らしい…。

(2) ラウンジの人気メニュー
こちらがJALのラウンジイチ推しビーフカレー。どう盛り付けたら「映える」か社内で検討を重ね辿り着いたのがこの黒皿らしい。写真からも美味しさが伝わると思う。ルーと具のバランスが絶妙な盛り付けも良い。カレーを受け止める米もはえぬきを使用するなど拘りの一杯だ。

(3) 搭乗開始
ラウンジで寛ぐうちに搭乗時刻が近づきゲートに移動。前回の旅行では確か羽田空港国際線出発ターミナルと呼んでいたはず。調べてみたらなんとコロナ禍の2020年春に空港第3ターミナルに名称変更したとのこと。4年ぶりの海外旅行だけあって色々変わっているのを実感。

【参考資料①】
搭乗口
飛行機に向かって進むと出てくる案内板。日本発のファーストクラスに乗る機会は中々ないがいつか乗ってみたいものだ。ところで機内食といえば和食を頼むなら現地発より日本発の方が美味しいという噂がある。今回は帰国便も和食を頼んだので噂の真相は後ほど解明したい。

(4) 窓側席
今回は久々の窓側席。以前は航空券の予約が遅かったせいか選ぶ時には大抵窓側が埋まっていた。ところが今回は予約したのが355日前の受付開始日初日。おかげでじっくり選ぶことができた。席に置いたラウンドミニショルダーバッグはロンドンでバズったというユニクロの新色。

(5) 出発前の飲み物
飛行機の中は乾燥しがち、ミネラルウオーターがあると何かと助かる。ウェルカムシャンペンをいただきながら水分も補給…シートやコントローラーなど使い方をあれこれ試してみる。前回は気付かなかったがフルリクライニングになるシートにはマッサージ機能もあるではないか。

【参考資料②】
空から見た東京湾
定刻を少し過ぎていよいよ離陸、パワフルなエンジンが唸ると最新鋭のボーイング777-300ERは一気に上昇、やがて恐竜橋といわれる東京ゲートブリッジや海の森公園が見えてくる。ジャンボと違ってエンジンは双発だが一基175000馬力とギネス公認の最強パワーだとか。

(6) 機内サービス
水平飛行になって間も無く日本の陸地とはお別れ。ロシア上空を通過するのが不可能な今は一気に太平洋に出て昼間(白夜)の続く北極圏を飛ぶ。アラスカを通過してグリーンランドからロンドンを目指す新しい航路だ。まもなく食事のサービスが開始、食前酒に梅酒を選んだ。

(7) 夏の前菜
欧米路線に乗る時は暫く洋食が続くので事前に和食を頼むことが多い。アンケートによれば日本人の96.6%が和食好きだという。理由は1位が「美味しいから」で2位が「健康に良いから」とのこと。確かに胃への負担も少ないし何より彩りを考えた盛り付けは写真映えも良い。

(8) メニュー
因みに夏の前菜のメニュー表がこちら。小さな仕切りの中に季節の野菜が調理法や味付けを変えて並ぶ。中でも冬瓜はその名とは裏腹に夏が旬。疲労回復に効果のある食材として中国料理でもよく使われる。そういえば昔海外駐在していた頃は夏場に冬瓜のスープをよく注文したっけ。

(9) 合の物
こちらは主菜。合い物らしく手の込んだ料理が皿に並ぶ。横にあるグラスは水のように見えるが日本酒。福島の酒米五百万石を使った写楽(福島)と鳳凰美田(栃木)だそう。JALオリジナルだがあまりに美味しいので販売していないか検索…残念ながらどこも販売していないようだ。


(10) 着陸前のアイマスク
食後は映画をひととおり見て後はひたすら寝る。窓からは絶えず陽の光が差し込み白夜の北極圏を飛行機が飛んでいることを示していた。以前のロシア上空経由よりフライト時間は1時間余計にかかるが着陸前に蒸気でアイマスクを貰ってリフレッシュ。まもなく着陸だ。

(11) 空から見たロンドン(その1)
蛇行するテムズ川。遠くには白い屋根に角が目印のミレニアムドームが見える。4大文明然り、文明は川に沿って発展する。この地を侵略したローマ人はイングランドをブリタニアと呼び、テムズ川流域を統治の拠点ロンディニウムと名付けたそうだ。昔勉強した世界史を思い出す。

(12) 空から見たロンドン(その2)
雲の切れ間から顔を見せたロンドンアイ、こちらも今やランドマークの大観覧車だ。対岸には修復を終えたビックベンも見える。最近は東京上空を飛ぶ飛行機のルートが変更になったとか。もし機内から東京上空を見ても境目のない首都圏だけにランドマークを探すのも苦労しそう。

【参考資料②】
ヒースローの入国審査
昔は入国カードを書き込む必要があったのに前回の2019年に廃止され、今回はUKのパスポート保持者と同じラインに並ぶようになっている。他にはEUや英連邦にアメリカなどいくつかの国と地域がその対象のようだ。おかげで並ぶことなくスムーズに入庫審査に進めた。


【参考資料③】
機械による読み取り
羽田同様ヒースローでもパスポートの写真ページを見開にしてスキャン、ICチップから情報を読み取りつつ前面のカメラで顔写真を撮影暫くするとドアが開いて呆気なく入国審査が終了。以前なら旅行目的や滞在場所などあれこれ聞かれたが時代はすっかり変わったと実感。


(13) アパートに着く
空港から電車とタクシーで宿に到着。入り口は普通のアパートだが中に入るのに電話で確認が必要なのが難点。ただし表玄関のキーボックスに暗証番号を入力して部屋のキーを入手してしまえば後はホテルと同じ。レセプションのいらないセルフチェックイン&アウトは便利だ。

(14) WH.Smithで買い物
うっかりプラグ(コンセント)変換器を忘れてきたのでUK用アダプターを買える店を検索。…ヒットしたWHSmithで無事ゲット。店内の雰囲気は日本のコンビニに近いがプラグ変換器まで扱うところなど流石は国際都市ロンドン。この後のパリ行きも考えてUK用、EU用どちらも購入。

(15) 購入品
こちらはEU用プラグ変換器。値段は11ポンドだから約2000円。日本で買うより超割高だ。因みに日本のプラグは電圧は違うがアメリカと同じAタイプ、ユーロ圏は丸い棒が2本突き出ているCタイプなのに英国だけ独自の形を採用、我が道を行く英国らしさを感じる。

(16) 試してみる
日本から持ってきたiPhone付属のプラグをアダプターに差し込んでみた図。後はこのままアパートのアウトレットに差し込めばOK。気のせいか日本でするより充電に時間がかかる。とはいえモバイルチケットや予約済みのバウチャーなど今やスマホなしの海外旅行は考えられない。

【参考資料④】
オイスターカードにチャージ
4年ぶりのロンドン、5年前に購入したオイスターカード(上)にチャージ、しっかり使えるとは嬉しい。残額に加えて新たに20£をチャージ。これさえ有れば地下鉄はロンドン観光の強い味方だ。下のオイスターカードは今回新たに購入したもの。シンプルなデザインが特徴だ。

(17) ポートベロー(その1)
こちらはストール(屋台)のない平日のポートベロー。小物を探して訪れてみたが流石に客はまばらだ。猛暑の続く日本とは打って変わってロンドンの気温は20℃前後。長袖でアノラックを着込んだ人から短パン半袖姿の人までいる。道ゆく人の服装を見るのも中々楽しい。

(18) ポートベロー(その2)
平日のポートベローは路上に車が停まっているので狭い歩道をすれ違うのに意外と気を使う。かといって車のない土日は代わりにストール(屋台)が並ぶし人は大勢だしスリにも気をつけなくてはいけないし。どっちもどっちだが残念なことにお目当てのものは見つからなかった。

(19) アフタヌーンティーを楽しむ(その1)
せっかくロンドンに来たのだから名物を…ということで今回はアフタヌーンティーにトライ。ピカデリー界隈ではリッツや紅茶で有名なフォートナム&メイソンのアフタヌーンティーが有名だがカジュアルな服装でも楽しめるRichouxを予約、ビスポークシャツで有名なピカデリーアーケードのすぐそばにあるカフェレストランだ。

(20) アフタヌーンティーを楽しむ(その2)
一番下の皿…伝統的なアフタヌーンティーはキューカンバーサンドウィッチだがこちらは現代風にアレンジ。スモークサーモンやチキン、日本でお馴染みのたまごマヨサンドもある。2時くらいからスタートするのが本式のアフタヌーンティーだが今は昼からランチとして楽しめる。

(21) アフタヌーンティーを楽しむ(その3)
中段のスコーン。小ぶりだがとても美味しくて驚いた。奥に見えるクロテッドクリームとジャムも本場だけに日本では中々味わえない。アフタヌーンティーより軽いミルクティー&スコーンの「クリームティー」も用意されているのでランチ後ならば丁度良いかもしれない。

(22) アフタヌーンティーを楽しむ(その4)
上段のプチケーキ4種。TV番組のブリティッシュベイクオフを彷彿とさせる絶品ケーキが並ぶ。どれも美味しいが左のピスタチオとフランボワーズのガトーが秀逸。味は期待どおり、試す価値は十分あるが優雅なひと時を望むならリッツやフォートナムメイソンの方がお勧め…。

(23) パリへ
EUを脱退して初のユーロスターでパリに向かう。出入国審査が混雑しているのか昨日も長い列ができていた。45~60分前に並ぶように…とチケットにはあるが余裕を持ってチェックイン。それにしてもEU脱退は過ちだったという声は多いのに再加盟にならないのは英国の矜持か。

(24) フランスの穀倉地帯
昔のように1等、2等からスタンダード、スタンダードプレミア、ビジネスと飛行機のようにクラス分けされたユーロスター。年々スピードを上げて今や乗車時間はパリまでわずか2時間20分。ということで今回はスタンダードを選択。バカンスが始まったのか車内は満席だ。

コロナ禍の最中は国を超えた人の移動に暗雲が立ち込めたものの出入国の簡素化が図られ人々の移動も以前よりスムーズだ。とはいえ英国では購入品のVAT払い戻しが直接郵送以外廃止されたこともあってかハロッズもジャーミンストリートでセール中の靴屋も人影は少ない。

かつてフォスター&サンがあったテナントは空きのまま。今まで何度となく通ったがこれほど活気がないとは…。景気悪化と物価上昇が続く英国はスタグフレーションの懸念が出ている…と日経は報じてる。EU離脱が招いた労働力不足の影響か欧州でも苦境が鮮明のようだ。

さて明日からは花の都パリ。どんなことが待っているだろう…。

By Jun@Room Style Store