旅の終わりの倫敦(前編) | Room Style Store

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2023/09/09 08:25


いよいよフランス出国の日を迎えた。住み慣れたアパートを引き払うのはやはり寂しいもの。途中家の鍵を戻す場所に着くも店が閉まっているなどエージェント側の手落ちで予期せぬ時間を取られてしまった。余裕をもって出てきたので良かったが時間ギリギリだったらイライラしただろう。

出国地パリ北駅では4年前の記憶を頼りにユーロスター乗り場の2階に向かう。列に並んでモバイルチケットとパスポートを用意、フランス出国を終えると続いてイギリスの入国審査が控えている。それが済めばロンドン到着時にパスポートを見せる必要もなく、すぐ街に出られるという訳だ。

そこで今回はパリからロンドンに移動、帰国までの様子を何回かに分けて書いてみようと思う。

※扉写真はパリ北駅の看板

(1) DETAXE申請
イミグレーションを通過すると出てくるDETAXEの文字。昔と違いスタンプを押す税関職員の姿はなく申請用紙のバーコードを読み込ませるだけの簡単なもの。多分パリのシャルルドゴール空港も同じだろう。束になった申請書を持った旅行客が並ぶ様はコロナ禍を境に昔のことになっていた。

(2) 読み取り機
読み取り機は多言語対応で日本語をタッチすればあとは簡単、封筒を投函するポストがないので聞いたらなんと「ポストはここにない」ので「ロンドンの街中にあるポストに投函して欲しい」そうだ。免税の手続きは電子申請で済んでいるので後は「封筒を忘れずロンドンで投函する」ひと手間が増えてしまった。

(3) アパートの最寄り駅
写真は宿の最寄り駅ケンジントンハイストリート。途中60分の遅れでロンドンのセントパンクラス駅に到着したが休む間もなく地下鉄で移動。ここは地下ホームの多いロンドン地下鉄の中で珍しく地上にある。ポートベローの最寄り駅ノッティングヒルゲイトの一つ手前にあるお洒落で静かな駅だ。

(4) アパートの入り口
写真はアパートの入り口。最初にブザーを押してレセプションにドアを開けて貰ったら手順に従って鍵を受け取る。次からはフォブキーでこのドアを解除できる仕組み。ロンドンのアパートはパリより鍵の受け渡しがよく考えられている。何の問題もなく鍵を受け取ったらさあ旅の最後ロンドン滞在の始まり。

(5) 昔のエレベーター
玄関を入ると映画「シャレード」に出てきたような古いエレベーターで2Fへ。ここは英国、グラウンドフロアー(地階)から数えて3階に今回泊まる部屋がある。重い二重シャッター両方開けて中に入りどちらも閉めたらボタンを押して上階へ…。出る時はカチッと停止音が鳴ってからシャッターを開けるのがコツ。

(6) 部屋の様子(その1)
今回借りたアパートの中で一番値段が高いだけあって部屋は広く清潔で快適。窓の外は建物同士の中庭なので互いにカーテンやブラインドでプライバシーを守っている。パリとの違いはキッチン用品の中にワインオープナーがないところ。あとはパリのアパートもそうだがハサミがないのが不便だ。

(7) 部屋の様子(その2)
こちらはシャワーとトイレ回り。綺麗に掃除してあり使い心地も良さそうだ。早速シャワーを使ってみたがハンドル式の湯音設定が意外と難しい。最初は浴びているうちに火傷しそうなほど熱くなって慌てた。カーテンと違いドア付きのシャワー室は飛沫でフロアを拭き取る必要がないので助かる。

(8) ロンドン郊外へ
翌日はハイバリー&イズリントンで地下鉄からオーバーグラウンドに乗り換えハックニーセントラルへ。ロンドンの地下鉄パス”オイスター”で行けるバーバリーのアウトレットを目指した。列車で1時間ほどのビスターアウトレットモールに行けば名だたるブランドを買えるがバーバリーならこちらがお得だ。

(9) ハックニー駅
ハックニー駅に到着、跨線橋からホームを臨む。因みに英国を代表するアパレルブランドというと何が思い浮かぶだろう?インスタのフォロワー数からみた断トツ1位はバーバリー、英国製からイタリア製や中国製にシフトしてもブランドのアイコン、ノバチェックは健在だ。駅から7分程でアウトレットに着く。

(10) バーバリーアウトレット
外観は地味だが内部は広々としたスペースに商品が並べられている。ラルフローレンのように正規店では扱わないアウトレット専売商品があるわけではないので気に入ったものがあれば買って後悔することもない。30%オフからスペシャルプライスものまであるのでプライスタグの確認はマストだ。

(11) 店内
気になっていたスニーカーを試着。足を怪我して以来革靴よりもスニーカーに目が向く。残念ながら履き心地が今一つだったので見送ることにした。定番のチェックは30%オフだがちょっと変わった色柄だと一気に60%オフだったりする。中国からの旅行客が殆どで日本人はいなかったと思う。

【参考資料①】
ビスターアウトレットに行くなら
ロンドン郊外のバーバリーアウトレット以外も見てみようと毎回恒例のビスターアウトレットへ。ロンドンのマリルボーン駅からチルターン線に乗ってビスターアウトレットまで乗車、途中サッカー会場で有名なウェンブリースタジアムを横目に50分で到着する。お目当てはアウトレット内最大店舗のラルフローレンだ。

【参考資料②】
RRLコーナー
アウトレット専売品のないRRLはねらい目。写真のシアリングジャケットが良い感じだがVAT還付なしでは日本のセール価格と変わらず。それにサイズがXSかLまたはXLと極端だしデニムやコットンパンツはレングスが長すぎる。欲しいものが見つからず空振りに終わったが家族は買い物を楽しんだようだ。

(12) ロック&ソールプレイスへ行く
せっかくイギリスに来たのだからとロンドンの有名なフィッシュ&チップス店「ロック&ソール プレイス」を訪問。角地の店内は狭いが外に席を設け更に隣のテナントにも進出しているので席数は相当なもの。とはいえコベントガーデンから近い上に昼どきとあって行列が出来ている。運よく数分待って座れた。

(12) 行列のできる店
写真は食後の様子。すっかり行列が出来ている。店名のRock & Sole plaiceとは魚のメバル(Rock fish)とヒラメ(Sole)にカレイ(Plaice)を指すようだ。ウクライナ危機で魚もポテトも食用油も高騰、ロシア産の白身魚に35%の追加関税を課しているので庶民の食べ物のはずがワンプレート£21.00(3,700円)の高級ランチだ。

(13) ハドック&チップス
写真はハドック&チップス。コッドもハドックもタラの一種だがコッドは「マダラ」でハドックは小柄な「モンツキダラ」とのこと。確かに写真のハドックは小ぶりで厚みが少ない。ただし両者に味の違いはなし。チップス(フライドポテト)はマックのようなシューストリングではなくボリュームのあるざく切りだ。

(14) コッド&チップス
こちらが定番のコッド。肉厚でほくほくした味わいはハドックにはないもの。写真はレギュラーサイズだがラージだと確実に皿からはみ出す。ビールも一緒に頼んでいるので満腹感も半端ない。隣のテーブルでは金髪の若い女性がラージサイズのフィッシュ&チップスをさらりと完食。食生活の違いを実感した。

(15) ケンジントンガーデンズ①
食後の散歩はケンジントンガーデンズがお薦め。ハイドパークと繋がっているので間違えやすいがウェストキャリッジドライヴと呼ばれる道路が境目、公園をほぼ半分に分けているので道路を渡れば公園名が変わるということになる。ガーデンズというだけあって手入れの行き届いた花壇が目を和ませる。

(16) ケンジントンガーデンズ②
道路に張り出したように伸びる樹木。木陰にはベンチが置かれていて日差しが強い時は一休みするのにちょうど良さそうだ。柵のあたりにはリスがちょくちょく顔を出す。きっと人間が餌を与えているのだろう、人が通る度に近寄ってきては何か「食べ物でもくれないか…」と付かず離れず後を追ってくる。

(17) ハイドパークへ
ケンジントンガーデンズとハイドパークの境目にほど近い場所にあるアルバート記念碑。赤や紫、奥には黄色い花など鮮やかな色彩で訪れる人々を楽しませてくれる。ガーデニングの本場英国ならではといったところか。以前ならジャーミンStの靴屋をハシゴしていただろうに変われば変わるものだ。

(18) アルバートモニュメント
こちらがアルバート記念塔。大英帝国の黄金期を築き世界最大最強の国家を率いたヴィクトリア女王が夫のアルバート公の死を悼み、記念塔の奥に見える「ロイヤルアルバートホール」や「ヴィクトリア&アルバート美術館」と共に万博の余剰金で建てさせたもの。ゴシック調の建築様式を取り入れている。

(19) 広大な芝生
こちらはハイドパーク側の広大な芝生。ロンドンにはほかにもリージェンツパークやセントジェームズパーク、グリーンパークなど緑豊かな公園が多い。パリからロンドンに移動すると「そういえばパリには公園が少なかったな…」と気付く。大きな建物に圧倒されるパリだがロンドンでは公園の広さに圧倒される。

(20) ハロッズへ
ハイドパークの中ほどでナイツブリッジ方面に向かって公園を出て目指したのはハロッズ。土産物を買うならここハロッズか空港の免税店が一番便利だ。SALE期間も終わり見どころは他になくハロッズ店内のカフェで休もうとするも満員…買い物だけ済ませて早めにアパートに戻ることにした。

旅の最後にロンドンに戻るとなぜかホッとする。それは言葉の違いなんだと思う。フランスでは街中フランス語が溢れている。理解するのが難しかったり時間がかかったり。フランス語を勉強せよ…と叱られそうだが中学校から馴染んでいる英語との差はNHKのフランス語講座だけじゃ追いつかない。

後は(19)でも書いたが緑が多いことが挙げられよう。ロンドンは全体の47%がグリーンスペースだという。灰色の建物が連なるパリからロンドンに移ると癒されるのは気のせいではない。植物の緑の波長が目への負担を軽減することや草花が無意識にストレスを和らげる効果があると立証されている。

次はニューイングランドの中心ボストン郊外に暫く滞在しようか…。

By Jun@Room Style Store