街歩き(青山界隈) | Room Style Store

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2023/11/29 12:10

長く続いた残暑ともようやくお別れ長袖シャツに長ズボン、ネクタイ締めてジャケットを着ても暑さを感じないくらいに気温が下がっている。そこで週末は久々のジャケットスタイルで街歩きを楽しむことにした。渋谷から原宿まで一駅、ファイヤー通りから明治通りを歩けば僅か15分の距離だ。


さすがにあっけないので敢えて宮益坂から青山通りと表参道を歩いて原宿駅へと向かった。時間にして33分と一気に倍増、行きたい場所に寄り道すればゆうに半日コースだ。それにしても渋谷駅も原宿駅もインバウンド客が多い。平日の表参道はひょっとして外国人旅行者の方が多いかもしれない。

そこで今回は久々の街歩きの様子を紹介してみたい。

扉写真は宮益坂

(1) 青山学院大学
最初の立寄り処はこの日のメイン青山学院大学。ペアレンツウィークエンドということで初めて中に入ってみた。ようやく色付き始めた銀杏並木がお出迎え。8月には受験生のためにオープンキャンパスも開かれているようだ。久々に大学の雰囲気を味わいながら遠い昔のマイキャンパスライフを思い出した。

(2) 銀杏並木
写真だけ見ていると外国のような雰囲気だ。あいにく教室内は入れなかったがIELTSや仏検の会場なので様子を聞かせて貰った。このあと写真右手のメインストリートで吹奏楽バトントワリング部がパフォーマンスを披露。学園祭と違って観客はやや少ないながらもみな大きな拍手を送っていた。

(3) 学食
青学の学食で人気のカツカレー。カツはチキンだがボリュームは十分、値段も450円と青山界隈ではダントツのコスパだ。なんでも「学食に行ってみたい東京の私立大学ランキングTOP21」で青学が第一位に選ばれたという。カツなしのシンプルなカレーも人気でレトルト販売しているそうだ。

(4) 記念のスウェット
何か記念にと購買部で校章入りのスウェットを購入。ダートマス大学のスクールカラーも確かグリーンちょっと似ている感じだ。サイズが分からないので迷っていたらちょうどその場にいた製造元の派遣社員が「Mサイズですね…」と助け舟を出してくれた。せっかくなので助言どおりMを購入。

【参考資料①】
〜青山通り〜
青山学院大学を出て246号を表参道駅方面へ向かう。写真前方の赤信号は骨董通りとの交差点。この骨董通り、実は通称で名付けたのはTV番組「開運!なんでも鑑定団」に出演している中島誠之助さんだとか。今は閉店したが昔ロイドフットウェア青山店を目指して骨董通りをよく歩いたものだ。

(5) J.M.ウェストン青山
骨董通りに入って街歩き次の立寄り処J.M.ウェストン青山店。90年代にオープンして以来靴やケア用品を買ったり時には何も買わずに靴談義をしたりということもあった。いつ来てもリラックスできる名店だ。2018年末にリニューアルしたそうで店内の雰囲気はよりモダンになっていた。

(6) お洒落な店内
製靴用の工具をケースに入れて壁に飾るなんともお洒落なディスプレイに思わず撮影させて貰った。デザイナーがオリヴィエサイヤールに交代したのを契機に店内のイメージも一新したそうだ。ミッシェルペリー時代の尖ったモダンな靴からクラシックに回帰したようで個人的には好感が持てる。

(7) ワニ革ローファーの仕様変更
キングオブローファーの愛称で有名なウェストンのワニ革ローファー。価格でいえばジョンロブロペスのクロコの方が3倍以上するがキングの称号はウェストンにこそ相応しい。ここは店内奥のカスタマイズコーナー…ふと気づいたがキングに大幅な仕様変更を発見。詳しくは次の写真と見比べて欲しい。

(8) 2019年パリのウェストン
こちらは2019年パリのマドレーヌ店で撮影したワニ革ローファー。写真(7)と(8)の違いは履き口が同じワニ革からカーフに変更されている点だ。キングの弱点は履き口の亀裂繰り返しの着脱で履き口の斑(溝部分)から裂ける例がよくある。これで末永く愛用できそうだがゴージャス感はやや薄れたか。

(9) モカステッチの色見本
カスタムオーダーならモカ縫いのステッチも指定可能。後ろにステッチの色見本部分を開いて立て掛けてみた。通常は革の色と合わせるがコンビのローファーなら夏履きに相応しくモカステッチと出し縫いも生成りにして…なんて芸当も可能だ。通常は69万円だがカスタムだと30%アップの89万円とのこと。

(10) ワニ革見本
写真はワニ革の見本。ルージュやバイオレットも良いが既成のゴールドより一段明るめのキャメルと生成りスエードとのコンビをなどと妄想してしまう。英国靴が好きで「靴道」にハマったとはいえ、きっかけはパリのシャンゼリゼで買った黒のローファー。以来なぜかウェストンにそそられてしまう。

(11) 新作ブーツ①
ウェストンには珍しいマウンテンブーツ。現デザイナーであるオリヴィエサイヤールさんの好みが反映されたような新作だ。ストームウェルトやタフなブロックソールとD環&フックなど本格仕様に「山登りもできますか?」と訊ねたら「街歩きでお願いします。」とのこと。それにしても格好いい。

(12) 新作ブーツ②
こちらも新作ブーツ。羽根部分の根元にウェストンのWがさりげなく入っている。素材もウェストンには珍しいグレインレザー使いと英国風だ。フェラーリのように先端が薄くてすらっとしたモダンなトウから厚みがあってぽってり丸いクラシックなトウへと靴のデザインも回帰しているのだろうか。

(13) フルブローグ
こちらはいつの時代もクラシックなウェストンのフルブローグ。ウィング部分(W型)がシャープで中央のピークが高い位置にあるのが特徴。英国のクロケット&ジョーンズやトリッカーズはもうすこしなだらかだし似ているといわれるチャーチズのフルブローグよりもキュッと尖っている。

(14) 缶入りワックス
久々の訪問なのでシューワックスを購入。昔は缶の横に「トンボ」と呼ばれる金具が付いていて90度回転させながら蓋を上に押し上げて開けたがトンボが取れてしまうことも多く、スクリュー式に変更されたようだ。価格は4,400円とサフィールの2,750円よりお高いがウェストン専用と思えば納得だ。

【参考資料②】
〜鏡面磨きに挑戦〜
帰宅後早速試してみたところ。最近は靴磨き職人が花形だが昔は自分でするのが当たり前、靴磨きは男の嗜みと言われたものだ。子供の頃父親が靴墨を付けては黒靴を磨いていた姿を思い出す。オルガベルルッティの「靴を磨きなさい、そして自分を磨きなさい。」を座右の銘にしばし靴磨きに没頭…。

(15) 仕上がり
磨き終えた靴を撮影プロの靴磨き職人のようにピカピカというわけには行かないが「自分でやった」という満足度は高い。おまけに小傷や革底の減り、革の乾燥具合など靴の状態も良く分かる。今回はかなり乾燥気味だったので最初にコロニル1909無色で保湿・補油ケアしてから磨いた。

(16)ブルックスブラザーズ表参道へ
ウェストン青山店を出て骨董通りを渡るとすぐのブルックスブラザーズ表参道が次の立寄り処だ。かつて日米の国旗が並ぶ青山本店で買い物するのが定番コースだったトラッドファンにとって小ぶりな表参道店は時代の流れを感じるが一階奥のアーカイブコレクションコーナーは中々興味深い。

(17) アメリカ製のBDシャツ
ブルックス(米)の破産後、自力再建した元子会社のガーランド(シャツ)は最近ブルックス日米双方にアメリカ製BDシャツを供給し始めた。青タグと赤タグの2種類あり赤タグは前ボタンが6つの復刻版。ただし第1ボタンと第2ボタンの間隔が前ボタン7つの青タグと同じなので見た目は変わらない。値段は円安もあって31,900円…。

(18) 日本製のBDシャツ
一方こちらは日本製の6ボタン(左)と7ボタン(右)。特に左の赤タグ6ボタンは第1ボタンと第2ボタンの間隔が昔のアメリカ製と同じ長めになっているのが見ただけで分かるだろう。もし昔風味満点の6ボタンBDシャツが欲しいのならアメリカ製より日本製の方が再現度高めでお薦めかもしれない。

(19) 原宿キャシディ
表参道を原宿駅に歩き、キディランドを過ぎたら左に折れる。路地を進むと見えてくるのがこの日最後の立寄り処、原宿キャシディだ。店長の八木沢さんは足繁く通った80〜90年代から店に立つ仕入れ販売担当、バリーブリッケンやビルズカーキなど通好みのアメリカ製品を知ったのもこの店だった。

(20) ブラックシープ
羊の中でも最高峰の黒羊を繁殖させブランド名に冠したブラックシープ。ノーフォークにある村で今も伝統的な方法で高品質な製品を作り続けているという。キャシディではアンカー(錨)グローブをカラーオーダーした指なし手袋(手編み)と太い毛糸で編まれたニットタイを取扱中、どちらも購買意欲をそそられる。

(21) 指なし手袋
八木沢さんが「良かったら手につけてみますか?」と有難いお誘いが…指なし手袋は初めてだが想像以上に暖かく、それでいて指先が自由になるので便利だ。スマホが欠かせない日常を考えるとフルカバーの手袋より使用頻度は高いかもしれない。ブラックシープの原毛はもう少し濃い焦げ茶だそうだが茶色を選んでお買い上げ。

(22) ニッターの名入り
Handknitted(手編み)でSpecially made for you by Jenny 2023(2023年あなたのためにジェニーが特別に作りました)とある。因みに写真(20)のニットタイはベッグさんのようだ。生産者の顔写真入り果物や野菜もそうだがこうしてノーフォーク村で製作に当たった人の名が書かれていると心が和む。

【参考資料③】
〜手袋のつけ心地〜
初めての指なし手袋だが実は思いの外暖かいことを知った。それに指が出ているのでブーツの紐を結ぶのも簡単だしスマホの操作も楽といいことづくめ。手編みとなれば温もりもひとしおだが流石に自転車に乗る時はキツいようだ。まだ本格的な冬が到来していないので確かめてないが出番は多いだろう。

(24) 新生ガーランド製BDシャツ
キャシディで見つけたアイクベーハーのBDシャツ。ショートポイントの襟が特徴のアイクベーハーにしてはブルックスばりのロングポイントBDだな…と思ったら八木沢さん曰く(17)のブルックスブラザーズ表参道で見たのと同じ「新生ガーランド製です…」とのこと。生地もブルックス傘下時代のものだとか。詳細は近いうちに。

久しぶりの青山界隈街歩きは9時に渋谷駅を出発して3時にゴールの原宿駅に到着…たっぷり半日かけての街歩きだった。移転したポールスチュアートや表参道のラルフにキャットストリートのポロショップも立ち寄りたかったがメインは街歩きそのもの、昔のように買い物中心より健康維持が主な目的だ。

因みに国の基本方針「健康日本21」によればウォーキングは一日9,000歩で汗ばむ程度の早歩きが理想らしい。生憎当日はジャケパンとウォーキングに不向きなウェストンの革靴…せめてもとテニスボール一つ分歩幅を広げて歩いたが流石はウェストン、タフネスぶりを発揮して足元を支え続けてくれた。

これから寒くなると出不精になりがちだが街歩きの効用は絶大…次はどこへ行こうか早速考え始めている。

By Jun@Room Style Store