3月末の買い物 | Room Style Store

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2024/04/21 16:14


桜便りが届き始めた3月末。春夏物が入荷し始めるタイミングでRRL秋冬物の買い納めに出向いた。昔と違ってアメリカ製のRRLは1シーズンに数点と実に寂しい限りだが昔はアウターからテイラードものにボトムスやレザーものまでメイドインUSAの宝庫だった。その縁で30年過ぎた今も長友ブランドになっている。

RRLの魅力を検索すると①新品なのにビンテージ風②品質の良さとタマ数の少なさ③着回しが効くという声が上がる。確かにエイジング不足のマイ501を尻目にアタリやヒゲ、縦落ち感まである新参RRLを履くだけであら不思議、お堅いイメージの金ボタンブレザーさえいい塩梅にドレスダウンできてしまうから有難い。

ということで今回は次の秋冬シーズンまで登板お預けのRRL秋冬物を紹介しようと思う。

※扉写真は2023秋冬もの

【プラッドウールジャケット】
(1) シアリングカラー
最初は大物のシアリングカラージャケットから。赤黒のバッファローチェックならフィルソンがあるじゃないかと言われそうだが試着したら最後、すかさず確保していた。フィルソンより控えめな赤黒チェックはイタリア製生地。クラシコイタリアは卒業したがイタリアの縫製やテキスタイルは相変わらず魅力的だ。

【参考資料①】
〜シアリングカラーベスト〜
フィルソンのウールパッカーコートや映画トップガンでお馴染みG-1にショットのB-3…どうも昔からシアリングものに弱い。写真はロッキーマウンテンフェザーヘッドのビームス別注品。シアリングの襟に魅かれて買ったようなものだ。とはいえウォッシュの効いたデニムシェルやダウンたっぷりのクオリティは日本製ならでは。

(2) シャンブレーシャツと
さてプラッドウールジャケットに話を戻して…まずはシャンブレーのワークシャツと合わせてみる。ジャケットの内側はポリエステルの中綿入りキルティング…これが想像以上に暖かい。極寒の信州で試したわけではないが多分シャンブレーのシャツ1枚でも十分通用するのではないかと思う。

(3) フランネルシャツと
こちらはポロカントリーのネルシャツと。RRLとの相性は悪くない。ただ選りすぐりの生地や縫製、ボタン一つにもこだわって作り込まれたRRLと一番相性が良いのは多分同じRRLだろう。RRLブティックのスタッフが全身RRLのコーデでラルフローレン氏の描く世界観を体現している様は実に格好良い。

(4) フェアアイルと
せっかく首元を温めてくれるシアリングカラーをあえて遮るタートルネックを着てみる。色合いは申し分なしテイストも合っている。ただこのまま外で庭仕事をしたらすぐに汗をかきそうだ。なにせ最近は信州も暖冬傾向、昔と比べて雪の降る回数はぐっと減っているし降ってもすぐ融けてしまう。

【プラッドワークシャツ】
(5) コットンキャンバス
お次はプラッドワークシャツ。ツイルかと思ったらコットンキャンバスとのこと。言われてみれば手触りはツイルよりザラザラしている。縫製はインド、噂されているCAMCOのインド工場で作られたものか?因みにネットでカムコ製品は1万円以下だがこちらは定価35,200円、気軽にワークシャツでもとは行かない。

(6) ボマージャケットと
ポロスポーツやポロカントリー、ブラックレーベルにラグビーなど終了したサブブランドの多いラルフローレンの中で昨年30周年を迎えたRRL。ポロレーベルと棲み分けながらも相互乗り入れは想定内だろう。写真は復刻ポロカントリーの限定ボマージャケットと組んだ図。またまたシアリングの登場だ。

(7) ネイティブ柄と①
ビンテージ顔の新品が売りのRRLには別の顔がある。その一つがネイティブアメリカンにインスパイアされたアイテム。写真は1930年代のサウスウェスタンブランケット(ナバホ柄)にインスパイアされたカーディガンにワークシャツを合わせたところ。シャツの中のターコイズ色がカーディガンとマッチしている。

(8) ネイティブ柄と②
こちらは薄っすらピンクがかった色合いに惹かれて購入したショールカラーカーディガンとの組み合わせ。一見不釣り合いに見えてカーディガンにワークシャツと同じキャメルやターコイズの糸が編み込まれているので違和感を感じない。それにしてもRRLはショールカラー愛が強い。

【パッファーベスト】
(9) レザーヨーク
ロッキーマウンテンとよく似たレザーのウェスタンヨークが特徴のRRLベスト。中はダウンかと思いきやサスティナブルな新素材を採用。水濡れに弱いダウン(羽毛)と違って新開発のプリマロフト(化繊綿)は水に強く動物愛護の点からもエシカル。ラルフローレン社としても積極的に使用しているようだ。

(10) シャンブレーシャツと
再びシャンブレーの登場。流石は働く男のシャツ、ブルーカラーという言葉を生んだだけのことはある。アウターとも好相性。こうなるとアメリカ製のシャンブレーシャツがぜひとも欲しくなる。実はホワイトオーク工場を一部引き継いで復刻したシャンブレーを使ったワークシャツを見つけたがサイズ切れだった。

(11) フランネルシャツと
先ほどのネルシャツも再登板。近似色は野暮ったくなりがちだがシャツが柄なら問題なし…しかもイエローの格子とヨーク、チェックのブルーとデニムのインディゴなど複数の色リンクで相乗効果を生んでいる。エイジング加工の効いたベストは「新品下ろしたて?」なんて勘繰られないのも良い。

(12) キャンバスシャツと
ベストの裏地色を拾ってキャンバスシャツをもう一度着てみる。この「色を拾う」やり方はコーディネートの必勝法だとか。アイテム同士をリンクさせることで着こなし全体に調和やまとまりが出てくると書かれていた。今はネットで検索すれば何でも教えてくれるいい時代になったものだ。

【ツイルパンツ】
(13) リバースプリント
こちらはリバースプリントのコットンツイルパンツ。本来肌と接する裏側にプリントを施した生地で仕上げたワークパンツということになる。カーキ(無地)のワークパンツは鉄板だがたまにはこんなプリントが入ったパンツを履きこなすのも悪くない。秋冬物にしては生地は軽く履き心地もソフトだ。

(14) アメリカ製ボタン
凝ったメタルボタンの付いたフロント。よく見るとダブルアールエルやラルフローレン、デザインルームのあるNYはマンハッタンの文字が浮かび上がる。ボタン一つにこだわるあまり製品の納期が遅れて会社が傾きかけたこともあったという黎明期の逸話を思い出させるようなワークパンツだ。

(15) ユーズド加工
30インチのレングスはブーツでも短靴でも様になる絶妙な長さだ。それにしてもこの秋冬はホワイツのセミドレスを良く履いた。久々に買って正解の既成靴だ。ワークブーツ愛の深い知人の一推しだけはある。ブーツの季節は終わったが、同じホワイツのレトロオックスフォードを検討中。

【参考資料②】
〜レトロオックスフォード〜
こちらが興味津々のホワイツ特製レトロオックスフォード。オーバルなトウシェイプが特徴、1930年代に生産されていたスタイルを復刻したものらしい。オールデンのモディファイドキャップトウを更に無骨にした感じだ。スマートなビスポーク靴を卒業した今、こんなタイプの靴に惹かれる。

(16) デニムジャケットと
柄のワークパンツに柄のシャツはどうにも見栄えがビジー。ならばと年甲斐もなく白Tシャツを引っ張り出してみた。首元がビシッと締まるキャンバーのTシャツはユニクロのコットンクルーネックと並んで春夏の必需品。ついでにお気に入りのLVC復刻デニムジャケットを上から羽織ってみた。 

(17) パンツのライン
微かにクッションする程よいレングス。太過ぎず細すぎず絶妙なワタリ幅が足をスマートに見せてくれる。エイジング加工の効いた生地表やパッカリングの出ている伏せ縫い部分など如何にもRRLらしい。右太ももだけにサイドポケットが付いているのもワークウェアらしくて良い。

【テーラードパンツ】
(18) 生地感
最後に登場するのがRRLのテイラードパンツ。同素材のジャケットとセットアップを組んでいたようでパンツというよりトラウザーズのような面持ちだ。縫製はイタリア、ウール100%なのにモヘア生地のようなコシやシャリ感がある。珍しく裾は最初からダブルカフで仕上げてある。

(19) ボタンフライ
ジップフライにせずボタンフライなのもビンテージクロージングにこだわるRRLならでは。かつてのポロラルフローレンがそうだったようにパンツには最初からサスペンダーボタンが付いている。ベルトループも付いているので吊るか締めるかは履く人次第、ただしサスペンダーとベルトの併用はご法度だ。

(20) テイラードパンツのシルエット
アイビー世代には懐かしいパイプドステムのシルエット、実際かなり裾幅は狭い。多分インコテックス並みだと思う。RRLのショップディスプレイを真似てトラウザーズとワークブーツのコンビを再現。セミドレスの次によく履いたレッドウィングも保湿を兼ねて水気を含んだウェスで拭いてメンテ終了。

RRLストアーはアメリカ国内の8店舗を除くと海外店舗はパリとロンドンに東京のみ、デパート内のインショップは都内だと銀座阪急に新宿伊勢丹と池袋西武の3店舗くらいだろうか。基幹ブランドのポロラルフローレンと比べて取扱店舗が圧倒的に少ない分、小ロットになるのも当然だろう。

その分珍しい素材や手間のかかる縫製、凝った仕様や入念な加工でいずれ劣らぬ逸品揃いに仕上がる。ただし値付けも凄まじい。ラグジュアリーの筆頭エルメスと肩を並べるほどだ。1993年の発表時はメインのポロレーベルよりも価格設定を低くしていたのに今やすっかり逆転してしまった。

それでもシーズン毎に何かしら買いたくなる魅力がRRLにはある。間も無く5月、入荷したての春夏物はやや地味な印象だ。フルラインナップになったらまたショップを訪れてみようと思う。

By Jun@Room Style Sotre