中国•四国周遊バイク旅① | Room Style Store

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2024/08/12 09:18


当ブログ「四国遊山(下巻)」の回で「徳島県は次回バイクで来るまでしばしお預けだ。」と最後に書いたのが4月29日。有言実行と準備を粛々と進めてきた。久々のバイクツーリングとなるとつい欲張るもの、徳島県や四国だけじゃもったいない、滅多に行けない山陰地方も回るか…と計画を立てたらなんと9泊10日もの長旅になってしまった。

天気予報を見ると中国・四国地方は「梅雨明けから台風シーズンまで晴れ」が続く見込み。雨具をどうしたものか迷ったが一応バッグに忍ばせた。それより連日猛暑とのこと。空冷のハーレーゆえむしろ熱ダレが心配になる。まさかそれが後で現実になろうとはこの時思いもしなかったが出発の日を迎え、お台場のフェリー乗り場へと向かった。

そこで今回は中国・四国周遊バイク旅(序章)を紹介してみたい。

※扉写真は徳島へ向かうフェリーのラウンジ

(1) 乗船準備
有明のオーシャン東九フェリーターミナルに到着。出航は19時だが30分前に車両の乗船が始まる。予めターミナルビルディングで決済時に届いたQRコードをかざして乗船券を印刷、ついでに「徳島」のステッカーを貰ってヘッドライトに貼る。オーシャン東九の意味は東京と九州を結ぶから…門司ではなく途中の徳島で下船する合図というわけだ。

(2) ロビー
ロビー兼食事処。こじんまりとしているが下船まで全席が埋まることなくゆったり過ごせる。乗船客は思い思いの時間に利用しているようだ。東京湾内はスマホが使えたのに湾を離れると途端に海側(左舷)は全く通じなくなる。船にWiFiはなし。陸側(右舷)も船室内は弱くロビーの右舷窓近くで操作…ドコモが電波状況は良いようだ。

(3) フェリー飯
こちらが夕食のメニュー。レトルト食品がずらり並ぶ。周りを見回すと予め食料を買い込んで乗船した客もちらほら。きっとリピーターなのだろう、いかにも旅慣れた感じがする。アルコール類は缶類のみ、ビールか酎ハイになる。嵩張らないパックの日本酒やワインなどを持参するのも有りか…。

(4) 朝日と甲板
夜間は閉鎖されているが夜明けを迎えると甲板に出られるようになる。船首や船尾は立ち入り禁止で解放されているのは甲板中央のみ。中央にHマークがあるので緊急時のヘリポートにもなる。また「緊急時の集合場所」と甲板に書かれているので有事の際は救命胴衣を着けてここから脱出ボートに乗るのだろう。

(5) 潮岬
海から眺めた潮岬。本州最南端の町「串本町」の突端にある灯台は名観光スポット。1866年に江戸幕府が英米仏蘭と結んだ「改税約書」に基づいて建設した全国8基の灯台の1つで1873年に初点灯。1890年にはトルコ海軍のエルトゥールル号の遭難・座礁が起こり、現地日本人が献身的に救助したことで日本とトルコの交流が深まったといわれる。

(6) 上りのフェリー
館内放送で姉妹船「どうご」とのすれ違いを見学。オーシャン東九は現在4隻就航しており船名はしまんと、どうご、りつりん、びさん…四国4県の名所をとって船名にしている。ひょっとして九州まで行くとはいえ旅客のメインは東京~徳島間なのだろうか、そう言われてみればバイク乗りの多くは徳島で下船していった。

(7) 津山に泊まる
徳島で下船後は高松自動車道から瀬戸大橋で一気に倉敷へ。途中橋から眺める瀬戸内海の絶景はオープンエアのバイクならでは、車だとこうは行かない。更に山陽、岡山、中国と3つの自動車道を経由して今宵の宿がある津山市に到着。移動距離は222㌖、満タンで7.9ℓしか入らないので途中SAと明日に備え津山市内で給油した。

(8) 2日目のスタート
二日目のスタートは津山まなびの鉄道館から。鉄道好きな親子連れが開門時間を待つなど微笑ましい。昔の扇形機関区と転車台を整備して現役時代さながらに保ちつつ歴代の名車を留置、展示コーナーを設けるなど見どころ満載、しかも津山駅と隣接しているので列車が行き交う様子も見学できる。

(9) 憧れの特急車両
展示車両の中でも目を引いたのが国鉄色ディーゼル特急「やくも」。以前も書いたが学生時代は周遊券での旅行が多く特急には乗れなかったので今も憧れがある。津山とは姫新線で繋がる伯備線内を走っていた特急だ。全国で保存されているのは名古屋市の「リニア・鉄道館」とここ「津山学びの鉄道館」の2両しかない。

(10) 世話になった急行車両
一方こちらは何度もお世話になったディーゼル急行。自由席しか乗らなかったが倹約の旅では上等すぎるほど速い列車だった。北海道では同系のキハ56急行「利尻」に乗ったり四国の土讃線では急行「土佐」で高知まで向かったり…古いアルバムを見返すと色々なところで写真に写り込んでいる。

(11) 蒸気機関車
こちらは蒸気機関車の代表D51、前面に筒状の給水温め器がなく、ボイラー上の長細いドーム内に収めた半流線形が特徴。丸い煙室扉のある前面の縁も面取りされており滑らかな顔つきだ。このハンサム顔も作られたのは最初の100両のみ、あとは全国各地で見られる標準型が大量に作られた。

【参考資料①】
〜北の仲間〜
こちらは津山の保存機と同じ半流線型のD51。小雨の降る北海道は登別駅で停車中の貨物列車を撮影。北海道は走行中雪が前面に積もることが多いためデフ(除煙板)と呼ばれる左右についた屏風状の鉄板が短くカットされていることが多い。せっかくの流線形なのになんだか寸詰まりに感じられた。

【参考資料②】
〜南の仲間〜
一方こちらは同じ半流線型の仲間ながら北九州で活躍していた頃の写真。筑豊本線の折尾~中間の複々線上を客車を引いて駆け抜ける姿は昔の鉄道ファンならすぐ分かる名撮影地だ。こちらは除煙板が標準タイプ。上の北海道仕様と見比べると断然こちらの方が格好いい。津山まなびの鉄道館の保存車両もこちらのタイプだ。

(12) ディーゼル機関車
こちらは非電化区間において蒸気機関車の代替役として期待されたディーゼル機関車DF50。スイス製とドイツ製のディーゼルエンジンを搭載、それぞれエンジン音に特徴があったそうな。残念ながら出力不足でD51の代替にはなり得なかったようだ。それでも南九州では寝台特急の先頭に立ち颯爽と日向路を駆け抜けていった。

【参考資料③】
大淀川を渡る特急寝台
宮崎駅付近の大淀川橋梁を渡る寝台特急「彗星」。ヘッドマークがないがネットで調べたら「晩年は付いていなかった」そうだ。新大阪~宮崎を結ぶブルトレ寝台として20系客車を使用。車体側面の白帯が長く連なる姿は格好いい。先頭のDF50は蒸気気機関車を追いやる敵と思っていたのに思わず撮影してしまった。

(13) 現役の車両達
まなびの鉄道館から眺めた津山駅構内。現役のキハ58やキハ47が見える。奥に見えるビルが宿泊したホテル「ルートイン津山」。最近はビジネスホテルでも温泉施設を備えている。昨夜は天然温泉「旅人の湯」で疲れを癒しチェックアウト前にもう一度…さっぱり気分で見学に向かったが猛暑で汗ばみ爽快感はわずかだった(悲)

(14) レトロ駅訪問
津山駅を後に因美線に沿って鳥取方面に移動、訪れたのが美作滝尾駅。戦前に建築された木造駅舎は2008年に国の「登録有形文化財」に指定されている。映画「男はつらいよ」最終作のロケ地でもあり、山田洋二監督が「美作滝尾駅ほど美しい駅はもう日本のどこにもありません」との言葉を寄せたとおりの名駅だった。

(15) 駅舎
主演の渥美清さんの出番は当初なかったものの「絵になる美作滝尾駅」を山田洋二監督が気に入って急きょ盛り込んだそうだ。既に大病を患っていた渥美清さんだったが無理を押して出演、その一年後には逝去されている。詳しくはこのレトロな駅舎の展示物に詳しく書かれているのでぜひ訪れてみて欲しい。

(16) 鳥取砂丘へ
山道を抜けて智頭町に到達。途中野生のシカと遭遇、クマに出会わずにホッとした。智頭町では忘れずに給油、「満タンで」といいつつ数ℓしか入らないので「少なくてすいません」、「こう暑いとバイクも大変でしょう」などやり取りが意外と思い出に残る。ようやく辿り着いた鳥取砂丘はさながらサハラ砂漠のようだった。

(17) 馬の背
ビジターセンターに移動して砂丘で一番高い「馬の背」を目指す。「屋外での活動は控えるよう」注意喚起が出されるも観光客は次々と馬の背に繰り出す。暑さでバテる人もいたが無事辿り着いて丘から眺めた日本海の美しかったこと。…無理しても来た甲斐がある絶景だ。ただスニーカーだったので戻る頃には靴の中が砂だらけ。足洗い場があって助かった。

(18) 隼大集合の宿
今宵の宿に到着。ホテルモナーク鳥取は住所が鳥取市の永楽温泉町とあり、自家源泉の「おしどりの湯」が有名。温泉で疲れを癒して夕食に繰り出した。玄関には翌日の2024年「隼駅まつり」に備えて各地からスズキのバイク「隼」乗りが集結。若狭鉄道の「隼駅」を目指すそうだ。他の宿も同様で今年はなんと2500台も集結したとのこと。

(19) 食事処
ホテルからほど近い居酒屋「モリノスケ」を予約。お陰で個室に案内された。地産地消をモットーに串カツならぬ串てんぷらを提供するのが興味そそる。他にも地魚のお造りや点心、もつ料理などメニューは豊富。ビールで喉を潤して店の看板料理串てんぷらと鳥取の地酒を堪能することにした。

(20) 串天ぷら
こちらが串てんぷら五種盛り合わせ。野菜中心というところもヘルシーで良い。開店して1年ほどの新しい店だが美味しい料理を出そうという気概が料理から感じらる。他にもお好みでとり天やイカ天、長芋などを注文。鳥取の地酒を味わい2人で1万越えと居酒屋にしては大盤振る舞いの旅行2日目だった。

(21) 鳥取駅へ
翌朝は駅前近くのガソリンスタンドで給油しつつ立派な高架の鳥取駅を訪問。智頭急行のスーパーはくとが入線する様子など鉄道ファンにはワクワクものだ。それにしても日曜の朝8時とはいえ人の気配がない。日本一人口の少ない鳥取県という言葉が頭をよぎる。タクシーは列車の到着と観光客を待っているようだった。

(22) すなばコーヒー
鳥取駅に立ち寄った目的はここ「すなば珈琲」。鳥取県知事の平井信治さんが「スタバはないがすなば(砂場)はある」と発言したことで一気に話題となり駅前に出店したのがこのすなば珈琲だった。現在はスタバも進出しているが地方で頑張るすなば珈琲を応援したくなるのが日本人の心意気というもの。

(23) 警告灯点灯
恐れていた予感が的中、しばらく走るとエンジンチェックランプが点灯し始めた。暑さでエンジンがオーバーヒート気味のようだ。ハンドル左側のファンクションボタンで調べるとECOMがY、続けてP0151と出る。コード表で調べるとリアエンジンがリーン状態らしい。ボタンの長押しで警告をクリアーにして取り敢えず運転を続行。

鳥取県と島根県からなる山陰エリアは東西に長く、豊かな自然と海山の幸が豊富な地域だが日本人旅行客からはアクセスのしにくさで人気が今ひとつらしい。鳥取砂丘のすぐ近くには鳥取空港があるものの便数が少ないため利便性の低さが懸念されており、同じ県内や近畿中国地方からの訪問が87.3%を占めている。

反面インバウンドに力を入れており、鳥取砂丘でも多くの訪日観光客を見かけた。山陰と山陽を結ぶ陰陽ルートは立派な高速道があるが鉄道の便が悪い。インバウンド用に直通列車を走らせ赤字路線の解消を図ることができれば良いのだが…件の日本一美しい「美作滝尾駅」を通る因美線も存続の危機にあるとのこと。

赤字路線というと廃線の進む北海道が思い浮かぶが実は中国地方の内陸部を走る路線も待ったなしの状況のようだ。明日はバイクを置いて鉄道に乗ってみたい。