温泉めぐり(第1回) | Room Style Store

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2025/03/17 15:34


最近のマイブームといえば国内旅行、それも温泉地めぐりが楽しい。以前福島応援旅で喜多方の熱塩温泉を紹介したが、旅行客減少で温泉旅館やホテルの廃業や寂れた温泉街の話をよく聞く。スキー場やゴルフ場と同じく経済成長時に開発が進み、最盛期を過ぎて今や淘汰を迎えているのが現状だ。

昔は社員旅行といえば温泉が定番。一次会は宴会場で二次会が幹事の部屋、更に館内のバーや温泉街に繰り出す飲兵衛もいた。バブル経済絶頂の頃は往復飛行機で出かけたことさえある。だが働き方や価値観の変化でいつの間にか社員旅行はなくなり興味は個人旅行、特に海外旅行に移っていった。

統計によればバブル崩壊以後温泉施設は半減したがここで外国人観光客増加や国内旅行への回帰、昔の社員旅行時代が懐かしい自分のようなオールド世代も加わって宿泊者数は増加傾向にあるようだ。そこで今回は一泊二日の温泉地めぐりに出かけた様子を紹介してみたい。

※扉写真は出発ホームの行き先案内


(1) 新幹線ホーム
前回の福島応援旅と同じくJR東日本の新幹線ホームにて列車を待つ。前回との違いはJR東日本が提供する「大人の休日倶楽部」に入会したこと。女優の吉永小百合さんが度々CMで紹介しているが専用のクレジットカード会員になるとJR東日本及びJR北海道エリア30%OFF、その他のJR管内が20%OFFになる特典がある。

(2) つばさに乗る 
翼の車体に描かれた紅花とサクランボは山形県をイメージしたもの。特に紅花は山形の県花であり生産量は日本一とのこと。染料や口紅の原料になる他に煎じたりお茶に混ぜて飲んだり様々な用途がある。もう一方のサクランボはフルーツ王国山形を代表する果物。こちらも生産量は日本一で全体の4分の3を誇るそうな。

(3) 話題となった連結器
福島駅でやまびことつばさの連結器が離され、つばさは奥羽本線に入り山形・新庄を目指すことになる。最後まで見たかったが先につばさが出発するので乗り遅れないよう最後は慌てて車内に戻った。最近走行中に離れ重大インシデントとして国交省から指導を受けている。この後奥羽本線に入りゆっくりと流れる車窓を楽しんだ。

(4) 車内の過ごし方
7時40分発と朝早くの出発に備え東京駅で食料を購入。雪深くなってきた山形の景色を眺めながら数量限定の「やわらかひれかつサンド」を食してみる。「数量限定めぐり合えたご縁に感謝…」と書かれてるのでどれくらい作っているか調べてみたがこれといって回答はなし…朝食抜きで乗車したので満足度はひとしおだ。

(5) 山形到着
山形駅の新幹線ホームに到着。つばさはこの後終着駅の新庄を目指すが目的地はここ山形で乗り換えとなる。ホームに泊まっているのが乗って来たつばさ123号。県庁所在地だけあってビルの立ち並ぶ駅前はいかにも都会然としている。途中かなり雪が積もってる場所もあったがたが山形市内は殆ど雪はなし。

(6) 仙山線に乗換
続いて10時12分発仙山線「快速仙台行」に乗って目的地を目指す。山形を出るとやがて松尾芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」を詠んだ立石寺の最寄駅「山寺」に着いた。列車の窓から立石寺の五大堂を撮影している乗客もいる。雪景色の岩にへばりつくようにして建つ姿は確かに絵になる。

(7) 目的地に到着
ようやく本日の目的地「作並」に到着。実はその昔「社員旅行」でここまで来たことがある。その時はまだ山形新幹線が走っておらず新幹線で仙台へ、仙台から仙山線でここ作並まで来たはずだが幹事任せで殆ど記憶がない。やはり旅は自分で計画を立て切符を取り、宿を予約して出発するのが一番とつくづく思う。

(8) 駅舎
雪の舞う作並駅の様子。看板やこけしが良い感じだ。2023年に無人駅となったものの2024年から駅舎内に簡易郵便局を設け局員に乗車券販売や列車案内業務を委託する有人駅に返り咲いている。単線の仙山線沿線で列車がすれ違える交換施設を備えていることもありここ作並駅では上りと下りの列車がすれ違う。

(9) 列車交換の様子
作並温泉は仙台から近い温泉地として有名。歴史は古く721年に行基が東北巡行の際に発見し、1189年に源頼朝が奥州藤原氏の征伐の際に兵馬を休めたとされる。一時は「仙台の奥座敷」と呼ばれたがより仙台に近い秋保温泉の出現で称号が移譲されたようだ。上下の列車が同時に着くので送迎バスはまとめてお客を乗せることができる。

(9) 送迎バスを待つ
列車を待つ人送迎バスを待つ人で賑わう作並駅。着いた日は日曜日ということもあって帰路につく観光客も多く田舎の駅とは思えないほど。当然駅舎内の待合室は満席で座る余地もない。郵便局員に委託して有人駅に戻したのも納得の混雑ぶりだった。右にJP作並郵便局の看板が掲げられている。

(10) 宮城峡
待っていた送迎バスはニッカウィスキー仙台宮城峡のシャトルバス。土日のみ運行している。先ほども書いとおり日曜~月曜の一泊二日旅なので明日の月曜日はシャトルバスの運行なし…となれば宿にチェックインする前に立ち寄るのが賢い選択だ。間もなくシャトルバスが到着、事前予約しているので万事スムーズに事が運ぶ…。

(11) 受付
レセプションで受付を済ませ「車で来場していないこと」を確認するとホルダーごとツアー参加証を受け取る。最後に試飲する際アルコールが飲める通行手形だ。一か月前の予約開始時点では恐らく一番最初だったと思うが当日を迎え、ツアー参加人数は日曜ということもありほぼ満員状態となっていた。

(12) 乾燥塔
ツアーの最初は絵になる乾燥塔の前。キルン塔とも呼ばれ発芽した大麦を乾燥させて麦芽を作る施設だが現在は使われていない。如何にも蒸留所のシンボルらしく親しまれているようだ。有名な広瀬川と新川川(奇しくもニッカの社名と似ている)の合流地点に位置し川から発生する霧が熟成に適しているとのこと。

(13) ポットスチル
北の大地へ(帰京編)で紹介した北海道は余市のウィスキー工場と比べ宮城峡は施設が新しい。とはいえポットスチルのしめ縄は広島で創業者竹鶴正孝の実家が造り酒屋だったことから受け継いだ習わしのようだ。余市とは異なる原酒をここで熟成させ、味わいの深いブレンデットウィスキーを作るのが正孝の夢だったという。

(14) 貯蔵庫
貯蔵庫にずらりと並んだウィスキーの樽。何年もかけて熟成させ、時が来るとウィスキーとして出荷される。今はその日を静かに待っている状態だ。中には仕込んだ従業員がとうに退職した後晴れてウィスキーになる樽もあるはず。なんとも息の長いものづくりだ。13万㎡の余市と比べる宮城峡の敷地は20万㎡と1.5倍以上大きい。

(15) 試飲
ツアー最期は恒例の試飲。一番右のシングルモルトが「余市」から「宮城峡」に代わっている。アップルワインとスーパーニッカは共通で水割り用の水や氷など気配りも余市工場と変わらず。残念だったのが併設レストランがなくなったこと。昼時のツアーだったこともあり結局昼食を取らずじまいだった。

(16) 宿
今宵の宿は「ゆづくしSalon一の坊」。「作並温泉観光ホテル」を増築して「一の坊」に改名、2012年にはリニューアルを行い現在の名称に替えている。宿はオールインクルーシヴのステイスタイル。宿泊料金にアクティビティや飲食全てが含まれる。3時のティータイムから夕食時のアルコールまでオールフリーなので煩わしさがない。

(17) 土産もの
こちらは宮城峡で買ったウィスキーの土産。訪日外国人客を避けて旅行しているが宮城峡にもジャパンウィスキー好きの外国人が来て大量のウィスキーを買っていた。写真は左から限定シングルモルト3本。モルティ&ソフトにフルーティー&リッチとシェリー&スィート、隣は敢えて余市のピュアモルトを購入。

(18) 朝食
翌朝はコックが目の前で作るフレンチトーストをいただき優雅な一日が始まる。夕食もそうだが多くのメニューが目の前で調理するライブキッチンスタイル。オールインクルーシヴだけあって宿泊料金は高いが都心の外資系ホテルに宿泊してディナーを楽しむよりよほどリーズナブル、しかも温泉や観光名所まで付いている。

(19) 日本初
チェックアウトして作並駅に到着。列車を待つ間に駅で見かけた看板を読んでみた。なんでも日本の鉄道史における「交流電化発祥の地」らしい。鉄道の電化には直流方式と交流方式があり首都圏は直流電化だがJR九州と北JR海道は列車本数が少ない分、変電所の必要がない交流電化が主流になったそうだ。

(20) 仙台グルメ
楽しかった温泉地めぐりを終えて一路仙台へ。昼は名物の牛タンを思い浮かべて人気焼き肉店「仔虎(ことら)」クリスロード店(アーケード街の端)を訪問。よもや月曜日の昼時に予約など必要ないかと思ったら「13時には席をご用意できると思います…」とのこと。土産物屋を散策するうちメールが入り急遽店に戻った。

(21) ランチセット
受付の方の機転が利いてさほど待たずに個室に入ることができた。焼肉は一口でよいので一枚から注文できる厚焼き牛タンを味わいメインはユッケ丼ランチを注文した。なんでも仙台で初めての生肉加工提供店とのことで厚生労働省と農林水産省の厳しい基準を満たし、安全で美味しい牛刺しやユッケを提供する店なのだ。

(22) ユッケ
この美味しそうなユッケ丼を見たら赤ワインが飲みたくなる。ランチワインの赤を頼むとリーデル(風?)のグラスに注いでくれるのが何とも嬉しい。昔はフランス料理店でもタルタルステーキが味わえたが食中毒で不幸が起きて以降馬刺し以外生肉が消えた時期があった。ようやくここ仙台で巡り会えたことに感謝したい。

(23) 帰りの新幹線
ランチ後は土産物屋へ…予めチェックした地ビールとおつまみを買って駅へと向かった。帰りの「はやぶさ」は僅か90分で東京着、まずはかくらいビールを注いでみる。なるほど「濃い」を意味するデュンケルらしい琥珀色だ。次にアテの石巻産白謙かまぼこを食す。美味い。どちらも宮城県産、地元への応援を込めている。

大人の休日倶楽部は50歳~64歳までのミドルと65歳以上のジパングがある。ミドルは5%OFFだがジパングになると30%OFFとその差は大きい。年会費もその分高く4,364円だが一度函館新北斗から東京駅まで新幹線「はやぶさ」に乗れば会費分以上の割引が受けられるので旅行好きにとっては価値あるカードになる。

因みにJR東日本発行のビューカードは既にJAL提携カードも所有しておりどうしたものかと迷ったが結局二枚持ちとなった。JRを使った旅を楽しむ時はジパング、それ以外は従来のJALカードを使用することでマイレージも有効に使える。アプリでチェックする際は画面の切り替えで利用状況を確認できるので便利だ。

最初は銀山温泉も候補だったが宿泊客が殆どインバウンド客と聞いて「スニーカーで風呂場を覗きに来た外国人」を思い出してしまった。ニセコや八方尾根も昔はよく行ったが今は興味なし…悪気はないがせっかくの旅行、宿や温泉に食事や店、列車やバスなど混雑やマナー違反は勘弁してほしいというのが本音だ。

By Jun@Room Style Store