ネイビーブレザー三昧 | Room Style Store

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2025/04/01 19:32


一時期より減ったものの相変わらず大所帯のネイビーブレザー…シングルだけで優に半ダースを超えてしまう。これに出来立ての8ボタンや仮縫い中の6ボタンダブルを加えると一年中ブレザーで過ごせそうだ。大学を卒業したり転職したりと人生の節目に新調してきたせいかどのブレザーにも思い入れがある。

AIによればネイビーは「誠実さや堅実さ、安定感や信頼感などの印象を与える色」とのこと。なるほどネイビースーツが仕事に最適なのも納得…だが一方では「コンサバ過ぎる」といった声も聞かれる。そこでメタルボタン付きブレザーの登場だ。地味で控えめなネイビーがボタンを替えるだけで一気に華やぐ。

何より着回しが効くのが良い。組下ならグレースラックスからチノパンにデニムまで何でもござれ。足元だったら紐靴からローファーやスニーカーまでOK。頭の上もボーターハットからベースボールキャップまで選り取り見取り。そこで今回は手持ちのネイビーブレザーについてあれこれ書いてみようと思う。

※扉写真は手持ちのネイビーブレザー

【11月〜2月】
(1) ファーラン&ハービー
季節毎に着るネイビーブレザーを順に並べたら…ということで最初に来るのが写真のファーラン&ハーヴィー。副素材のしっかり入った英国仕立てだけに着られる時期も限られる。テンマンス(10ヵ月着られる)ブレザーとしてドスキンで仕立てたが実際は11月から2月までの4ヶ月が活躍どきだ。

(2) カフと腕時計
ブレザーといえば金ボタンだがハンツマン出身のピーターハーヴィーは銀を勧めてきた。多分ネイビー(海軍)のイメージが強過ぎるからだと思う。以前ならボタンとベルトのバックル、それに鞄の金具や時計まで金なら金、銀なら銀と揃えていたが最近は気にせず…60年代の金貼りブライトリングをしてみた。

(3) 腰回り
ネイビーブレザーと鉄板のグレースラックスだがイギリス(ピーター)のテーラーはイタリアのサルト(リヴェラーノ)よりダークなチャコールを勧める。ベルトレスでサイドアジャスター付きのスタイルと相まって腰回りをスマートに見せてくれる。因みにネクタイの色目はライニングの色を拾ったもの。

【3月】
(4) パープルレーベル
最近は3月でも夏日あり…同じ総裏でもドスキンよりライトなファインウールのパープルレーベルが次の出番だ。小丸カットのフロントやチェンジポケットなどラルフローレンがこだわるサビルロウスタイルはイギリスのチェスターバリーからイタリアのファクトリーに移っても継承されていた。

(5) カフと腕時計
レリーフの浮き出た金ボタンに合わせて立体的なベゼルのコンビ時計を合わせてみた。久々に付けたがシルバーでもゴールドでも合うのは有難い。ただしギザギザのベゼルが曲者でダブルカフの縁を傷めやすい。カフリンクスまでメタルだと少々くどいのでシンプルなゴム製ノットを付けてみた。

(6) 腰回り

春に相応しいライトグレーのパンツとシルバーバックルベルトの組み合わせ。ネクタイの大剣に隠れてチラリとしか見えないがクラシックなエンジンターンドバックルはベルトの密かなお洒落。ベルト部分をアリゲーターから靴に合わせてカーフやスエード素材に交換できるところがポイントだ。

(7) スターリングバックル
クラシックなシルバー925(スターリング)のバックルといえばティファニーが有名だが現在は作られていない。写真のポロラルフローレンもアメリカ製の由緒正しいもの。ベルト部分のスナップボタンを外して違うベルトと差し替える仕組みだ。中央の四角い部分はイニシャルを掘るためのスペース。

【参考資料】
 ~ディンプルの大きさ~
プレーンノットで締めてもネクタイの芯地が厚いと結び目(ディンプル)も大きくなりがち。特に襟が小さいシャツの場合は最初に芯地の薄いネクタイを選ぶのがコツのようだ。昔雑誌のラルフローレン特集で「ネクタイのディンプルはゴルフボールよりも小さく」というのがあったことを思い出す。

【4月】
(8) 新ブルックスブラザーズ
4月になると背抜きブレザーの出番がやってくる。写真は通気性抜群のホップサックで仕立てたブレザー。最近当ブログでも紹介した新生ブルックスブラザーズのものだ。元ヒッキーフリーマンのファクトリーが作るだけあって胴絞りのないサックスタイルながらリファインの匙加減が実に上手い。

(9) カフと腕時計
ネクタイのストライプに合わせてピンクベルトの時計をチョイス。残念ながら撤退してしまった新宿伊勢丹にあったカミーユフォルネで特注したアリゲーターのボンベタイプを装着。アビエシステムなのでベルトの交換は簡単だ。時計はブレゲのアエロナバル。そろそろオーバーホールの時期を迎えている。

(10) スラックス
アメトラ紳士がチャコールグレーの次に買うスラックスといえばグレンチェック。高校の制服で見られる組み合わせだ。こちらはストレッチ機能のあるスラックス。しかもウォッシャブルでいつも爽やか…一度履くと病みつきになってしまう。シャツは白無地オックスフォードBD。スキーで雪焼けした顔によく合う。

【5月】
(11) ベルベスト
5月はクールビズの始まり。ブレザーの季節もそろそろ終わりが近い。写真はイタリアの「ベルベスト」製。副素材を極力省いたセンツァインテノで裏も表地と同じアンコン仕立て。高温多湿の日本に相応しい仕様だ。ウェルトシームのラペルやアウトポケットはブルックスブラザーズと見紛う。

(12) カフと腕時計
ベルトは存在感たっぷりのOリングベルト。ジャケットの前ボタンを開けたまま着る機会が増えるのでベルトの見栄えも気にしたいところ。暑くなると時計も革ベルトからブレスものにチェンジ、写真は30年以上前に購入したサブマリーナ。ビンテージ顔のフチ無しインデックスが気に入っている。

(13) 腰回り
よく似たスラックスばかり買ってしまうという好例がこちらのグレンチェック。シャリ感のあるインコテックスのパンツはストレッチ機能なし。ウォッシャブルではないためサラッと履く訳にも行かず。汗をかいたら即クリーニング店行きだ。日本の夏にウール100%のパンツは合わないと思う。

【10月】
(14) 旧ブルックスブラザーズ
9月でクールビズが終わるとブレザーの季節が再びやってくる。写真は1995年もののブルックスブラザーズ。ロロピアーナのスーパー120sをオーダー部門のマーチングリーンフィールドで仕立てたゴールデンフリースレーベルだ。シャツは元ブルックスブラザーズ傘下のガーランド製アイクベーハーとややこしい。

(15) カフと腕時計
ビンテージの風格十分なブレザーに合わせて選んだ1991年もののBB#1レップタイ。せっかくなので時計ベルトもナイロン製のリボンベルトに付け替えてみた。時計は1940年代のロレックス14KPGバブルバック。裏蓋がステンレスのトロピカルタイプだ。ビンテージブレザーと古時計の相性はすこぶる良し。

(16) 腰回り
腰回りはBB#1ストライプのリバーシブルベルトがポイント。勿論ブルックスブラザーズ製だ。オリーブ色のチノパンは上野のヤヨイで購入したアメリカ製バリーブリッケン。最近日本のブルックスブラザーズもMade in USA企画としてバリーブリッケンとコラボしたチノパンを展開し始めたらしい。 

【11月】
(17) ポロラルフローレン
11月になるとドスキンのブレザーが再登場。こちらは1990年のポロラルフローレン。ポロ競技のヘルメットとマレットがモチーフの大ぶりな金ボタンがアイコンだ。腕に隠れて見えないがチェンジポケット付きの珍しい限定ものだったと思う。今よりワイドなショルダーが当時の流行を物語っている。

(18) カフと腕時計
日本のラルフローレンブティックで購入したブレザーに合わせて数少ない手持ちの日本製(ハミルトンシャツ)ポロレーベルのドレスシャツを久々に着てみた。ラウンドカフのクラシックなシャツと金ボタンが4つ並ぶ袖まわりにコンビのデイとジャストが再び登場。袖周りが一気に華やいでくる。

(19) 腰回り
こちらは12オンスのややヘビーなチノパン。直ぐ上で紹介したのと同じバリーブリッケンのものだがシップス別注。三大セレクトショップの中ではシップスとビームス+にそそられるアイビー&アメトラなアイテムがある。因みにリボンベルトはアメリカ製のバロンズハンター、三軒茶屋のセプティズで購入した。

【12月】
(20) ブラックフリース
年の瀬の12月になるといよいよフラノブレザーの季節に突入。せっかくのブレザールック、出来るだけコートは羽織らずマフラー巻きで外出したいもの。写真は残念ながら親会社のブルックスブラザーズ倒産により消滅したサウスウィック製。再建したガーランドと異なり跡形もなく幻となってしまった。

(21) カフと腕時計
ネクタイの色目を拾ってバーガンディの時計ベルトに交換。1950年代オリジナルの手巻きフライバック機能付のエイラン(Airan)だ。休眠ブランドだったものを所有していた起業家から権利を得て復刻したそうだ。写真はバルジュー222を搭載しているが復刻版は違うメカを搭載しているらしい。

(22) 腰回り
ブレザーと相性の良いスラックスといえば千鳥格子も定番の一つ。やはり高校の制服でも見られる組み合わせだ。因みに今回は英国仕立てのブレザー以外は全てプリーツなしのプレーンフロントばかり選んでみた。元々アイビー世代だけにプリーツありは「邪道」と思っていた時期さえあるくらいだ。

イセタンメンズネットによれば「大定番のネイビーブレザーなのに苦手という人も多い。どこか学生風になってしまうから」という悩みをもつ人にダブルブレストのネイビーブレザーをすすめている。「ドレッシーで大人らしい印象がありながらカジュアルダウンも簡単で休日の綺麗めカジュアルに最適」とのこと。

NIKKEIによればブレザーの制服が普及したのは1980年代以降。不良が好む変形学生服を封じるためや国際化が進む中で戦争を想起させる黒の詰め襟を避ける学校が増えたからとある。伊勢丹の「学生風のネイビーブレザーが苦手」というのは実は逆で大人が着ていたブレザーを高校側が採用したのが始まりなのだ。

ブレザー制服誕生より前にブレザーを着ていたVAN世代はイセタンメンズが「ダブルのブレザーはカジュアルダウンも簡単」と前ボタン全開の着こなしを推しているのに疑問符が付くだろう。ダブル前の上着は前を閉じるのが決まりだからだ。因みにNIKKEIの別記事でもダブルの前ボタン全開は推奨されていない。

そう考えるとシングルブレザーの方がボタンを締めても外しても様になるしドレスからカジュアルまで守備範囲も広い。だからイセタンメンズネットの文章も本当は「シングルブレザーはカジュアルダウンも簡単」じゃないのかと訝ってしまう。なんでもありの時代だからこそ着こなしには暗黙の了解があるはずだ。

By Jun@Room Style Store