アメリカントレンチ | Room Style Store

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2025/06/21 11:43


2023年3月の過去記事「ディープな商店街」で初登場した「アメリカントレンチ」のレトロソックス…その後買い増ししたりスニーカーと合わせたりと度々紹介しているので「お気に入り」だと気付いたかも知らない。一時期は個人輸入しようかと米本国サイトをチェックしたものの極度の円安で諦めたこともある。

当時はアメリカ製ソックスに特化したマイクロブランドかと思ったが創業は2013年、既に10年選手の中堅ブランドとのこと。久しぶりに公式ウェブサイトを覗いたら社名に相応しく「アメリカ製のトレンチコート」もラインナップされていた。昔のラルフやブルックス以上にメイドインUSAに拘る姿勢が嬉しい。

そこで今回はアメリカントレンチの本国サイトから急遽個人輸入した様子を紹介しようと思う。

※扉写真はアメリカから届いた小包

(1) 迅速な発送
購入時にアメリカの国際宅配サービスを利用すると「五営業日で到着」と謳っていたが実際は「四営業日」で到着というクイックさ…それだけ便利になったこともあろうがアメリカ発送に余力がある=円安で個人輸入が減っているからかもしれない。ともあれ配達員に通関料4300円を支払って荷物を受け取った。

(2) 開封の儀
購入したのは全てアメリカ製。トレンチコートを買うほどコートに困っていないので小物が中心だ。初購入で10%オフクーポンをゲット、迷っていたら更に5%オフのクーポンが届いたのにすっかり気が付かず会計したのが悔やまれる。顧客の動向に合わせて追加サービスをプッシュするなど実店舗顔負けのネットサービスだ。

(3) オールアメリカン
購入したのはアメカジ世代必須のベースボールキャップとアメリカントレンチらしいソックス、珍しいグリーンのフーディーと全部で四点。何度も書くが全てアメリカ製というのが嬉しい。ラルフやブルックスで数多あるアイテムの中からアメリカ製をかき分けて買うといった苦労が全く必要ないのだ。

(4) フーディー
フーディーを買う時に迷うのがジップアップかプルオーバーか…という点。着たり脱いだりを考えると前開きが便利だが身体にゴツゴツ当たるジッパーから解放されるプルオーバーも捨てがたい。アメリカントレンチではプルオーバーのみらしくネイビーやグレーの定番色を外してお初のグリーンを選んだ。

(5) 12オンス
手にとってみるとずっしりと重い。かなりヘビーな生地は公式サイトによると12オンスもあるらしい。それって…と思った人はかなりのアメカジ通、そうフーディーのファクトリーはキャンバー(CAMBER)なのだ。よくみるとキャンバーオリジナルにはないパッチが左袖に付いているのが唯一の違いか。

(6) ロゴ
ロゴはOE、どうやらオリジナルエクイップメントの略のようだ。ヘビーデューティーで耐久性がありスタイリッシュで長持ちするアメリカントレンチ内のサブブランドという位置付けとOEM即ち相手先ブランド品としてキャンバーがアメリカントレンチのために作ったという両方の意味合いがあるらしい。

(7) 左袖のパッチ
こちらが先ほどチラリと見えたOEロゴパッチ。これが付いているだけで特別感がある。本来キャンバーのフーディーはシンプルの極み、ロゴが一切つかないのが良くもあり味気なくもあった。アメリカントレンチの絶妙な匙加減が効いた別注キャンバーならアメカジ仲間にちょっとした蘊蓄を語れそうだ。

(8) 商品タグ
生地はコットン90%にポリエステル10%。肌に触れる部分は裏起毛と呼ばれる秋冬仕様だ。これが春夏物になるとループ状の裏パイルになる。せっかく買ったが暫くは出番がないだろう。タグによると洗濯機洗いで乾燥機は低温が推奨されている。RN91210を検索したらキャンバースポーツウェアと出てきた。

【 Jプレスとのコラボ】
(9) ソックス
アメリカントレンチのブランド認知度も上昇しているようでなんとアメトラの老舗「Jプレス」とのコラボまでやっていた。残念ながらJプレスサイドでは売り切れも出ているのでアメリカントレンチ側から検索開始。きっかけが靴下だっただけにまずは色柄ソックスをゲット。懐かしのJプレスロゴに再会した。

(10) 色柄
レトロストライプソックスと違って柄がつま先付近まで入る贅沢な作り。糸も青と赤に緑の三色使いだけあってJプレスとのコラボに恥じぬ出来栄えだ。せっかくのアメリカ製ソックスだけにランコートのコインローファーやクオッディのキャンプモックなどメイン州産の靴と合わせてみたくなる。

(11) リブ編み部分
左のJプレス格子柄はリブ編み部分が幅広で見るからにフィットしそう。またリブ編み部分もJプレスの方が細畝で密に編まれていて触るとシャキッとした感触が直に伝伝わる。因みにレトロストライプは現地価格で2100円、一方のコラボソックスは3600円。倍近い値付けも納得のクオリティだ。

(12) バッチマドラスキャップ
今回のJプレスXアメリカントレンチの中で一番欲しかったのが写真のキャップ。Jプレスのサイトでいち早くソールドアウトになったアイテムだ。夏に人気のパッチマドラスながら派手さはなく落ち着いた色目が特徴、しかもタマ数の少ないアメリカ製キャップとなれば売り切れも無理はない。

(13) カーブバイザー
バイザーはカーブタイプ。フラットとカーブそれぞれ特徴があるらしく、AIによれば「フラットはクールでスタイリッシュだが顔の形によっては似合わないこともあり、カーブドバイザーはスポーティでカジュアル、小顔効果もあるがストリート系には合わない」ようだ。因みに自分はカーブタイプが好みだ。

(14) 6枚パネル
フラットバイザーのトラッカーキャップに多いのが前面のみ一枚パネルの5パネル、一方写真のベースボールキャップは6パネル。丸みを帯びたクラウンが頭にフィットする。アジャスターはクラシックな留め金にレザーバンドが付く。クラウンやバイザーにロゴは一切なく、作りは至ってシンプルだ。

(15) ダブルネーム
こちらがキャップ内側のタグ。Jプレスとアメリカントレンチ双方のロゴが並び、間にはU.S. MADEと記されている。両者のコラボ商品は他にもドリズラージャケットやJプレスお得意のBDシャツ、チノパンなど充実ぶりも半端ない。しかも全てアメリカというのだからついついおかわりしたくなってしまう。

(16) ツイードキャップ
さて最後に紹介するのは再びアメリカントレンチのサブブランドOE。洒落たロゴのツイードキャップだ。バリエーションはペッパー&ソルト(グレー)と写真のオートミール(ブラウン)の二型。ツイードというからには生地はスコットランド製なれど製造は勿論アメリカ製。涼しくなるのが待ち遠しい。

(17) ロゴ
最初に紹介したフーディーのパッチと同じOEロゴが付く前面。大リーグのオークランドアスレチックのチームイニシャルA’sがお気に入りだがアメリカントレンチも中々のものだ。しかも丁寧にミシンで縁縫いしている。素材も縫製も手抜きなしでプライスは日本産より割安となれば財布が緩むのも無理はない。

(18) アジャスター
通常はアジャスターで留めたレザーストラップを仕舞うスリットがキャップ本体にあるはずだがツイードキャップにはないのが少々気になる。ファクトリーはロサンゼルスの垂直統合エコシステム地区で作られているとのこと。染色から裁断、縫製まで至近距離にある省スペースで行われ最後に統合、製品化されるそうだ。

(19) クラウンの作り
クラウンを形作るツイードのパネルは裏地がなくアンラインド。おかげで被った時のフィット感は軽い。帽子を持っても良い感じにクタッとなる。3本のテープで6枚のツイードパネルを丁寧に縫い合わせたクラウンは被ると型崩れせず程よく支えてくれる。傘の骨のような役割をしているのだろう。

(20) 春夏ものと秋冬もの
春夏物と秋冬物のキャップ揃い踏み。天ボタンは丁寧に共布で包まれている。よく似た日本製のキャップと値段は変わらず…物価高や為替を考えるとアメリカントレンチのアメリカ製ベースボールキャップはコスパが優れていると言えよう。しかもベースボールキャップの本場だけにデザインもシルエットも秀逸だ。

アメリカントレンチは「アメリカに現存する優れた製造業を前進させること」をミッションとしてフィラデルフィアで設立されている。スコットランドのカシミヤを南部で編む、イタリアのメリノウールをニューヨークで編むといった例外はあるものの多くはアメリカの素材でアメリカで作られていると明言している。

米連邦取引委員会によればアメリカ製と記す場合は「全てまたは事実上全て」米国で製造される必要があるとしている。RRLが日本のセルビッジデニムを用いてアメリカ国内でデニムを生産する場合、アメリカ製と謳うだけでなく素材が日本産デニムであることをスレーキにはっきりと明記しているのが一例といえる。

いや良い買い物をした。今後もアメリカントレンチから目が離せそうにない…。

By Jun@Room Style Store