2026/03/10 09:45

アメリカではビンテージラルフローレンブームが広がりを見せている。既にラルフローレン公式サイトにおけるビンテージラルフローレン販売を1年前当ブログ「米国オンライン情報」で紹介したが今回ロブレポートは「なぜ今皆ビンテージラルフローレンを欲しがるのか」という見出しで特集している。
記事のトップを飾る写真はまるでポロショップのようだ。しかも商品は全てビンテージラルフローレン。コレクターのレアード・マッキントッシュ氏が長年集めたピースを並べた店内はその物量に圧倒される。最近ebayでラルフの古着が枯渇していたがもしかして彼が全て買い付けたのかもしれない。
店名はサラブレッドNY。マンハッタンから車で2時間、ハドソンバレー沿いのキングストンにある。アイテムはどれも1970~2000年代のもの。ネクタイやシャツ、ニットやスウェット、スーツにジャケット、コートやアウター、靴や鞄など全てビンテージラルフローレンにとことん拘っている。
そこで今回は1990年以来集めてきた我がルームスタイルストアのビンテージラルフを紹介しながらその魅力を探ってみたい。
※扉写真はロブリポートのサラブレッドニューヨーク紹介記事トップ
【ビンテージタイ】
(1)青タグアメリカ製

まずはラルフローレン氏がキャリアをスタートさせたアイテムのネクタイから。左端のプリントタイは登板回数断トツ一位の一本。安定のレップタイやタータン、ポロポニーの刺繍入りリネンタイは登板少ないがどれも世界各地のポロショップで買った思い出の品だ。
(2) MADE IN U.S.A表記

アメリカ製ビンテージタイの見分け方は小剣裏下のタグを捲ってみる。特に日本国内の古着市場では菱屋がライセンス生産をしていた関係で裏返すと日本製もあり得る。ビンテージラルフローレンのキーワードの一つがメイドインUSAなのは言うまでもない。
(3) 青タグイタリー製との比較(参考1)

左は2000年代になって出てきた青タグのイタリー製ネクタイ。小剣裏下のタグは捲らずともメイドインイタリーと記されている。青タグ中の四角く囲まれたポロやポロバイラルフローレンの文字はイタリー製になってから少し大きくなっているように見える。
(4) 新タグイタリー製との比較(参考2)

こちらは更に年代が新しくなって左の青タグイタリー製ネクタイからCIによりロゴが変更された右の現行品との比較写真。2011年からポロバイラルフローレンのバイがなくなりポロラルフローレンとなっている。ビンテージラルフローレン好きには触手が伸びないタグだ。
【シャツ】
(5) 1990年旗艦店での購入

続いてシャツ類の紹介。こちらは1990年の記念すべき初渡米時にマディソン街ポロ本店で購入したBDシャツになる。シャツ棚一番上の「赤く目立つシャツ」を梯子で取って欲しいとお願いした手前買わずにいられなかった思い出の1枚。マドラスが良い具合に色落ちしている。
(6) 1995年サックス5thアベニューでの購入

こちらは1995年の正月デパートのサックスフィフスアヴェニューで購入したチノBDシャツ。平場に積まれていた中からアメリカ製を探して買ったもの。ビンテージラルフローレンの中でもアメリカ製シャツは特に高値が付く。友人曰く製造はアイクベーハーではなくSEROらしい。
(7) ポロポニー

ブランドアイコンのポロポニー。消費者の93%は見ただけで分かるブランドから購入するといわれる。ラコステのワニやマンシングウェアのペンギン然り、小さなロゴは消費者がブランドを認識できる強みだけでなく着る人が無意識のうちに広告塔になってくれる利点もある。
(8) パープルのポロダク

さてこちらは高品質なシャツ。製造はシンガポールだがシーアイランドコットンの贅沢な1枚。パープルレーベルスタート前に購入した伝説のラグジュアリーなパープルタグというやつだ。クリーニングの際手仕上げアイロンを依頼したがデリケート過ぎて上手く仕上がらなかったらしい。
(9) 高番手のシャツ

ダブルカフに襟はカッタウェイと後のパープルレーベルに近いスペック。久しぶりにロンドンバッジ&ボタン社製のカフリンクスで袖先を飾ってみた。このカフリンクス、クレストとストライプが組になっているので写真のように左右を替えて楽しむことも出来る。
【ポロシャツ】
(10) アメリカ製ポロシャツ

ポロラルフローレンといえば「ポロのポロシャツ」というくらいポロシャツが人気になった。ラコステと比べ襟が立つのが良い…と言っていた友人を思い出す。ただ日本ではナイガイがライセンス品だったのでアメリカ製のポロを手にした時の喜びは大きかった。
【レザー小物類】
(11) ベルト

こちらはラルフローレンらしい丸斑のクロコダイルベルトとホワイトハウスコックス別注ラルフローレン製メッシュベルト。メッシュベルトの方は先端にポロポニーのブランドロゴが刻印されていたが消えかかっている。まだラルフローレンが銀座と原宿にしか路面店がなかった1995年頃のものだ。
(12) サスペンダー

ラルフローレンのでいつも注目していたのが個性的なサスペンダー。ショップに立ち寄る度に店内を探したものだ。アールデコなプリントシルクやゴブラン調のペイズリー、グレンチェックやタータンなど一期一会、見つけたら定価で即買いしていたことを思い出す。
(13) 英国製のサスペンダー

特に買って嬉しかったのがこのブレード=革の編み込みサスペンダー。ポロショップのサスペンダーはどれもアメリカ製だったがこのレザーサスペンダーは英国製だった。チョークストライプのスーツよりツイードのカントリースーツに専ら合わせたものだ。
(14) ポロシーンバックル

もう一点、ベルトといえば外せないのがこのポロポニーバックルベルト。最初に日本でライセンス品を買い後でアメリカ製のオリジナルにも手を出すなど結局二本も買ってしまった。ベルトはカウハイド。使うほどに飴色の艶が出るのが良い。デニムやチノパンなどカジュアルなボトムスとよく合わせた。
【シューズ】
(15) クロケット&ジョーンズ

いよいよ靴の紹介。残念ながら最近のポロラルフローレンで最も手薄なのがフットウェア。1990年NY本店を訪れた頃はイタリア製にアメリカ製に混じってイギリス製ドレス靴が並んでいた。当時の価格が425㌦、円高の頃ゆえ4万円を切っていたと思う。
(16) ベンチメイド表記①

ポロポニーのマークが金色に輝くインソックのスタンプ。小さくベンチメイドインイングランドと書かれているので意味を調べたらベンチ=作業台で職人が手作業するという意味らしい。ハンドメイドと標榜しないところがラルフローレンらしくもある。
(17) ベンチメイド表記②

こちらは2011年のCIによってロゴが変わる直前のリボンベルトローファー。クロケットに個人オーダーしたいモデルの一つだがリボン部分はラルフ側が部材を提供していたのだろう。同じものを注文しようとしても恐らく「部材がないのでできない」と言われそうだ。
(18) メイドインメイン

こちらはアメリカ製のブレイク製法(マッケイ)ローファー。サドル部分にポロクレストを刺繍するという手の込んだ靴だ。製造はAnsewn社が請け負っていたが安価なアジア製品との競争により2002年に事業を閉鎖、工員はアレンエドモンズやランコート社に移ったそうだ。
【テーラードウェア】
(19) 1991年末旗艦店購入スーツ

いよいよテーラードものへ…1991年、二回目の渡米で初めてポロラルフローレンのアメリカ製スーツを買った。ライトグレーのチョークストライプはフランネル。青タグの付くポケット内側のユニオンチケットは1995年に終了しているのでビンテージものを見分ける目安になる。
(20) 着こなし

ラペルが直線的なのがラルフローレンのテーラードウェアの特徴。ベリードラペルと呼ばれる端がカーブしているものの方が手仕事が必要=高級と思われがちだがマイスタンダードは直線。何しろ転職してからポロのスーツ(国内ライセンス品)をシーズン毎に揃えていた長い経歴がある。
(21) ジャケット

こちらは打ち込みの厚いツイードジャケット。ebayに質の良いビンテージラルフローレンが出回っていた頃のものだ。アメリカ製のポロは一見開き見せの袖先に切羽が切られていて本開きが可能だった。わざわざコーダー洋服工房で直しを入れている。
(22) 着こなし

冒頭で紹介したロブレポートによればビンテージラルフローレン人気の理由に「優れた1990年代の職人技への欲求」というくだりがあった。正に写真のジャケットなど1990年代の傑作。今では素材からして再現できない希少なピースだと思う。今後希少なアーカイブ品となるだろう。
【参考資料】
~オールドマネーとは~

オールドマネーとは「数世代に渡り資産や地位を受け継いできた名家の富裕層」を指すがファッション界では派手なロゴを避け上質な素材とタイムレスなデザインを取り入れた上品で控え目なクワイエットラグジュアリーを意味している。写真はサラブレッドニューヨークの店内。
(23) 珠玉のツイードコート

最後に紹介するのが重衣料の中でも最もヘビーなツイードのポロコート。マッキントッシュ氏のインスタで紹介する先から売れていった伝説のコートだ。真にオールドマネークロージングと言えよう。久々に撮影したが手に取るとずっしり重いのに改めて驚かされる。
(24) ブレザースタイルの上に羽織る

当ブログで過去に掲載した着こなし例。黒タートルニットに黒パンツと組み合わせるモノトーンな着こなしも良いがブレザールックの上に羽織るのも悪くない。今冬も極寒の時期が殆どなかったのでコートを着ての外出はならなかったがいつか真冬のスコットランドにで着てみたいものだ。
改めてビンテージラルフローレンブームの広がりを調べると以下のような回答をネット上で見つけた。まず①オールドマネー美学とクラシックアメリカンスタイルへの欲求、次に②80年代から90年代の製品は耐久性が高く今のものよりも作りが優れていると考えられている点。
更に③90年代のストリートウェア文化の復活によるポロスポーツやポロベアなど特定アイテムが需要を後押ししている点や④新品を購入するより持続可能で新しい世代の価値観に合致していること、最後に⑤ブランド自身の再販など市場の影響が需要を高めてると指摘していた。
個人的には①オールドマネー美学が意味する上質な素材とタイムレスなデザインや②昔の製品ほど耐久性や作りが優れている点は大いに共感する。④の持続可能性についても最後に紹介したツイードのポロコートなどたとえ虫食いに遭っても数世代に渡って着られる傑作だと思う。
忘れてならないのが多くがメイドインアメリカだったという点。昔を懐かしむだけでなくぜひアメリカの人達には今のアメリカンプロダクツを買ってほしいと思う。
By Jun@Room Style Store
