冬の買い増し(購入編) | Room Style Store

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2024/02/07 09:24


11月末のブラックフライデーからスタートしたウィンタークリアランスも2月に入り収束、店には春ものが出回り始めた。重厚長大なアイテムの多い秋冬物はついつい大物買いをしてしまいがち…。トップコートこそ買わなかったが手に入れたカバーオールやシャツジャケットを着て信州の冬を満喫した。

前も書いたが最近はアメリカンなものにしか食指が動かない。年末はフィルソンだったが年明け早々ネットショップの攻勢に釣られて「アメリカ製品」を検索、小物のまとめ買いやフリマにオークションと買い物三昧だった。ショップやデパートなど実店舗での買い物も合わせてかなり散在したと思う。

ともあれ満足度の高い買い物だったのは間違いない。そこで今回は冬の買い増し(その1)と称して戦利品を紹介しようと思う。

※扉写真は手に入れた品々

~アメリカ製のワークシャツ~
(1) シャンブレー
手に入れたサウスウィックのシャンブレーBDを見ながら「そういえば昔懐かしアメリカ製のシャンブレーワークシャツも欲しいな…」と思いつきネットで検索。ところが手頃なアメリカ製のワークシャツが見つからない。ようやくフリマで見つけたのが写真のほぼほぼ未使用、ショットのワークシャツだった。

(2) デザイン
デザインはオーソドックスなタイプ。よくあるガチャポケ(胸ポケットが左右非対称なもの)ではないが随所にトリプルステッチを採用するなど作りは本格的。内タグには「コーンミルズシャンブレーを使用」とある。かなり新しい製品だと思うが2004年以降社名がコーンデニムに変わっているのでそれ以前のものだったりして…。

(3) ショット
襟下のタグを見るとSCHOTT BROSの製品だと分かる。しかもアメリカ製でジャストフィットなMサイズ。内タグのRN#18606で調べてみるとSCHOTT NYC CORPが発売元と出てきた。出品者の言うとおり状態はとても良く、台襟の擦れが一切ないところを見ると着ていないのでは?とさえ思える。

(4) ユニオンチケット風
前立ての裾部分につけられたユニオンチケット風のタグ。当時をイメージしたワークウェアには欠かせないディテールだそうだ。前立ての裏側はチェーンステッチで縫われており本格的な作りを実感させる。ウェスタンヨークのTellasonワークシャツとよく似ているがあちらの価格は185㌦(28,000円)とお高めだった。

~レトロストライプソックス~
(5) アメリカントレンチ
お次はネットショップのクーポンを利用して送料無料までまとめ買いした靴下。既に2回(1回目ディープな商店街2回目年末の買い物)で紹介したアメリカントレンチのレトロストライプソックスが中々良い感じだ。短めに裾上げしたスリムフィットのデニムやチノパンとコンバースに合わせたくて購入。

(6) ウールとコットンの違い
アメリカントレンチのレトロソックスにはコットンベースとウールベースの2種類ある。左はコットンで全体的にやや小さめ、右がウールで心持ちバルキーだ。アイボリーは汚れが目立つので履いた後はまず洗剤で手揉み洗い。次に洗濯機で洗うと綺麗になる。既に何回も洗ったが見た目とは裏腹に頑丈だ。

(7) コンバースとの相性
試しにコンバースとドッキング。スニーカーの色に合わせてストライプを決めるのも結構楽しい。因みに写真は最終期のメイドインUSAものでコンバース2000(ミレニアム)の未使用。ネットで検索するとUSサイズ5(日本サイズ24㎝)で未使用品が3万円、しかもソールドアウトとなっていた。かなり値上がりしている。

(8) キャンバスオックス
こちらはアナトミカのキャンバスオックスとコンビを組んだところ。スニーカーのオレンジと同系色のイエローラインが決め手だ。因みにこのキャンバスオックスもアナトミカオールデン同様バナナシェイプで履き心地は極上。ソックス同様何色かまとめ買いして日替わりで履きたくなる。

~マグカップ~
(9) RRL
お次はシーズン恒例のRRLマグカップ。春夏と秋冬の年2回店頭に並ぶマグカップも一旦集め始めるとやめ時に困る。それにいつかは信州の山小屋で棚に並べてオブジェにするのも悪くない。マグカップは発売以来メイドインチャイナを更新中だがポロも徐々に他国へと製造ラインをシフト中、アメリカ製の割合も更に減っている。

(10) 鹿のグラフィック
カップの絵柄は鹿の頭部。両脇の単語を訳すと「シンプルさと実用性、強さと耐久性」がRRL&Coの売りのようだ。ストーンウェア(炻器)と呼ばれ陶器の中でもその名のとおり石のように硬いものを指す。高温で焼き上げるため気孔含有率が低く水が浸透しにくいのに加え傷も付きにくいそうな。

(11) RRLロゴ
こちらはDouble RLのロゴをモチーフにしたマグカップ。陶器と同じく粘土が材料という炻器は磁器のように高温で焼き上げるため陶器と磁器の中間の性質をもつとのこと。「①汚れが付きにくく②食材の匂いも移りにくい上に③丈夫で④割れない」夢のような食器なのだとか。電子レンジは勿論オーブンもOKとのこと。

~RRLボトムス~
(12) 2023秋冬もの
さてここからは冬の買い物のメイン、RRLのボトムス3連発。毎シーズン恒例のリミテッドエディションは今回デニム(上)とストライプワークパンツ(下)の2本立て。間に挟まれたオリーブ色のワークパンツはオンラインで早々と売り切れになったもの。RRLのパンツはデザインやカットはもちろん素材もディテールも抜かりなし…上代高めも納得だ。

【セルビッジデニム】
(13) Leeタイプ
1934年発売のLee131Cowboyが元ネタのRRLオーバーオール。前回はブロークンツイルデニムで世界限定400本販売されたが第二弾の今回はオリーブツイルデニムによるリバイバルになる。生地は安定の日本産。13オンスのリジットデニムはサンフォライズ加工されているので縮まないはずだがRRLのスタッフによればかなり縮むそうだ。

(14) シルエット
前面と背面の合成写真。程よいストレート具合がよく分かる。左側のRRLパッチに加えてバックポケット上の革パッチなどLeeの傑作131を忠実に再現、デニム好きの心をくすぐる。バックポケットのステッチはLeeの横一直線にウェスタンブーツの甲に入るステッチを加えたRRLらしい仕上がり。

(15) リミテッドエディション
ウェストバンドの裏側に付くリミテッドのタグ。アウトシームは赤耳の見える脇割り仕様。前回の131Cowboyは耳付きデニムを敢えての巻き縫いにしていたが今回はビジュアルを重視したようだ。股上は深めでボタンは5つ。因みにリーバイス501だと30インチを境にボタン数が4個から5個になるがRRLではデザイン毎にボタン数を変えている。年2回限定品を送り出すRRLのデザインチームはさぞやりがいのある仕事に違いない。

(16) ディテール
サスペンダーで吊って履くオーバーオールからベルトを締めて履くジーンズへの移行期に当たるデザインらしくサスペンダーボタンに5本のベルトループ、更にバックルも付くなど華やかな腰回りが見どころであり「見せどころ」でもある。着丈短めのシャツを羽織ってバックルが見えるよう履いてみたくなる。

【ストライプワークパンツ】
(17) 10オンスインディゴ
ストライプと言うと英国調のスーツを思い浮かべてしまうがこちらのストライプパンツは20世紀初頭のワークウェアにインスパイアされたものとのこと。肌触りは思ったよりも柔らかいが何と素材はインディゴデニムだとか。尾錠こそないがベルトループとサスペンダーボタンの両方を備えている。

(18) シルエット
前面(左)と背面(右)の合成写真。前ポケットは手が入れやすい斜めタイプ。一方ヒップにはジーンズと同じパッチポケットが付く。裾幅は約22㎝で股下からそのまま裾まで伸びるワイドなストレートフィット。インシームもアウトシームも巻き縫いで仕上げてあり如何にもワークパンツらしい。

(19) フラッシャー
フラッシャーを読むと最初に目に付くのがリミテッドプロダクションの文字。鉄道員や技師、ドック工をイメージして作られたパンツのようだ。ところどころネップの浮いた10オンス生地のストライプをよく見るとドットが印刷されたもの。大戦モデルのペンキステッチと似ている。

(20) 深めの股上
リミテッドプロダクションのタグが付く腰裏。製造はメキシコとなっている。オンラインショップの説明書きどおり股上は3本の中で一番深い。10オンスのサンフォライズドデニムはリンス加工済のせいか最初から柔らかい。実際履いてみるとあまりの快適さにジーンズを忘れて毎日履きたくなる。

【ダブルニーワークパンツ】
(21) コットンキャンバスのパンツ
冬の買い増し最後はコットンキャンバスのワークパンツ。昔からRRLでは人気の高い素材だ。Room Style Storeでも掲載したら雑誌HailMaryに紹介され、あっという間に売れたことを思い出す。今回オンラインショップでも早々と完売だったが最後の1点をインショップで購入。やはりネットばかりじゃなく実店舗を訪れる価値は大いにある。

(22) シルエット
前面の写真を掲載。上で紹介したストライプのワークパンツよりぐっとスリムだ。裾幅を測ると20㎝…往年のアイビースラックスと同じだ。どうりで見た目がしっくりくると思った。パラフィン加工を施しているのでバブアーのオイルドクロス同様生地のシワや織り目がくっきりと見える。

(23) エクストラポケット
左の太ももあたりに付いたポケット。左右非対称なデザインが如何にもワークパンツっぽい。なんでもポケットは紳士服で標準化されたそうだ。なるほどポケットが強調された服がメンズに多いのも納得。一方婦人服はドレスメーカーによってまちまち、エレガントなラインを乱すことからポケットなしのデザインが多いとのこと。

(24) パラフィン加工
バブアーやフィルソンのティンクロスのようなオイルドクロスに似た生地感はパラフィン加工ならでは。擦れることでチョークマークと呼ばれる跡が付くのも味のうち。オンラインカタログによれば「洗濯機洗いも可」と書かれているがネットで調べると中性洗剤を使って冷水による手洗いが良さそうだ。

(25) 買い増し品
昨年夏から振り返るとモディファイドオールデンに始まりフィルソンやガーランド、サウスウィックやRRLなどアメリカンカジュアルばかり。途中ロンドンのジョンロブや英国はロバートベイリーのビスポークブレザー、日本の靴職人菱沼乾さんで「誂える楽しみ」も味わったがアメリカンカジュアルへの興味は当分続きそうだ。

ショップスタッフと話をしていたらプルオーバータイプのパーカや白オックスフォードのBDシャツが人気だとか。ボトムスはミリタリーテイストのワイドなもの、中でもカーゴパンツが売れ筋らしい。因みにコーデの印象の5割はパンツで決まるとか。今回パンツを3本買い増しして良かったと一人納得した。

残りはトップスが3割で靴が2割…と聞いて小さな靴の印象が大きいのに気付く。今年の春夏は引き続きスニーカーとローファーが人気だとか。ショートパンツにソックスとスニーカーのスクールコーデも要注目らしい。なるほど今回紹介したレトロストライプのソックスがじわじわ人気なのも分かる気がした。

流行に疎い割にはカーゴパンツを買ったりレトロソックスを取り寄せたりとところどころでツボにはまった買い増しをしたようだ。どこかで知らぬまに影響を受けたに違いない。

By Jun@Room Style Store